ご略歴をお教えください。
京都にある大学の大学院工学研究科で情報工学を専攻し、1999年の修了後に電気通信事業者に入社して、パートナーと共に様々なサービスを開発する業務に就きました。有名なものとしては、高齢者がポットを使うと遠く離れた家族に知らせる見守りサービスの開発を担当しました。その後、プロダクトマネージャーとしてサービスを収益化させるミッションを担ったことから、ビジネスを学ぼうと会社の制度を使ってカリフォルニア州にある大学の経営大学院に留学してMBAを取得します。帰国後はまたサービス開発に従事しました。 2006年に、経営大学院でお世話になった先輩から誘われて、リスティング広告ベンダーのオーバーチュアに転じます。その10カ月後に先輩と共に旅行サイトを手掛ける会社に転じて、日本人向けの日本語サイトの開発に携わります。その後、旅行サイトを手掛ける会社のグループ会社が日本法人を設立する動きがあり、2008年4月に私が代表取締役に就任しました。 そして、インターネット関連サービスを手掛ける会社からのスカウトを受け、2013年3月に執行役員として宿泊予約サイト事業のマーケティングやWeb開発業務に就き、同年6月に宿泊予約サイト事業を手掛けるグループ会社の代表取締役を拝命しました。その後、宿泊予約サイト事業を手掛けるグループ会社はインターネット関連サービスを手掛ける会社に吸収され、私は執行役員事業長として引き続き機能開発等を手掛けたわけです。いかにエンドユーザーが満足できる宿泊施設にマッチングするかといった機能開発に努める中で、Airbnbの存在から宿泊施設と住宅の共通性を再認識したことを機に、住宅・不動産業界向けサービスを着想。2016年末に独立して当社を創業しました。
御社をどういう会社にしていこうと考えていますか?
創業の頃、よく不動産業界はIT化が遅れていると言われていましたが、私は一概にそうとは言えないと感じていました。物件情報がデジタル化されて大規模なサイトで提供されていたからです。一方、不動産の営業は人を中心にアナログに行われており、営業現場でのデジタル化はさほど進んではいませんでした。旅行と違って住宅はWebだけで購入まで完結する商材ではないからです。 そこで、テクノロジーとデータによって営業活動を自動化・効率化し、住宅購入希望者にタイムリーに情報を提供できる仕組みがあれば、もっと楽に、もっといい住まいに出合える機会を提供できるのではないかと考え、そんなサービスを提供する会社をつくろうと思いました。 起業家の中には「業界を変える」といったビジョンを掲げる人も多いですが、私がそこまで言うのはおこがましいと考えています。できることは、ちょっと良くすること。実際にそう提案することで、聞く耳を持ってもらえたと自負しています。そして、今後10年経った時に振り返れば大きく変わっていた、といった状況に繋がればいいと思っています。
そのために社員に対して期待することや、社員が御社でどんな人生を過ごしてほしいかの思いをお聞かせください。
せっかく仕事をするのであれば、真剣にやった方が楽しいと思います。スポーツでも趣味でも同じで、真剣にやって上達することが楽しいから続けられるのではないでしょうか。 私は当社を“コンサルティングファームのパートナーのように、ハイレベルなスキルや知識とオーナーシップを備えたプロフェッショナル集団”と捉えていますが、プロのサッカーチームも一緒です。それぞれのポジションの選手が高い技術を発揮し、ゴールに繋げる。自分がドリブルして目立とうとするのではなく、あくまでもゴールを目的にほかの選手にパスを回してチャンスをつくる。そこには戦術の共通理解があり、規律も求められるわけです。当社では、そんなハイレベルなチームプレーの楽しさを実感してほしいですね。 求職者の方には、当社にはそれほどの優秀なチームがあると言いたいです。一人ひとりが大きな裁量権と責任を持って目的に向かって真剣にプレーしている。かつ、手掛けているサービスが実際にユーザーによく使われ、成果に繋がり、大いに喜ばれているのです。そんな環境で自らも価値貢献を実感したいという方にぜひ加わっていただきたいと願っています。
山本さんの仕事観をお聞かせください。
生活のために行うものであることが目的にありますが、なぜ仕事が生活の糧になるかと言えば、誰かのためになっているからです。ですから、仕事とは誰かのために行うことであると思います。その仕事を真剣にやり、それだけ誰かのためになれば報酬もアップできる。そんなWin-Winを目指すべきだと思っています。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
高校1年生の息子と小学5年生の双子の娘の三人の子供がいて、休日はもっぱら家族と過ごしています。息子も娘もサッカーをやっていたのでそれに付き合ったり、公園でフィールドアスレチックをしたりする等、体を動かすことが多いですね。 自分一人の時間では、マンガが好きでよく読んでいます。気に入っている作品は『GIANT KILLING』や『あひるの空』といったスポーツもの。チームとしていかに勝つかを描いた作品が好きですね。組織運営に共通しているからかもしれません。