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インタビュー画像Co-Founder、取締役CTO 澤田 一樹氏

ご略歴をお教えください。

小学3年生の頃にゲームに触れてその仕組みに興味を持ち、自分でもつくってみようと思ったことがプログラミングを始めたきっかけです。最初はオセロゲームをつくりました。 中学時代も同様に過ごしましたが、高校時代は新しい部活を始めたので、ほとんどプログラミングができなかったのです。そこで「やっぱりやりたい!」と強く思うようになり、1年生の10月頃に退学して高専に入り直してプログラミングに集中しました。 その高専も、高卒認定試験の存在を知って2年次に受験し、合格して長野県にある大学の教育学部に入りました。人の脳をハックするみたいな教育が面白そうと思ってのことですが、教員養成コースを経験してみて「面白いけど自分がやる仕事ではない」と感じ、1年で退学して東京都にある工業大学に入り直したのです。これで自主退学は3度目ですが、「やっぱり自分はプログラミングをやりたい」と原点回帰した感じです。 工業大学では、入学直後に知人が創設したプログラミングのサークルに入り、2年目には部長に就任します。個人では、人気ゲームのプレイヤーの戦績等を集約するソフトウェアをつくり、月に数十万ヒットする代表作になりました。 卒業後は、フリマアプリの運営企業に就職しました。サークル時代から手掛けていたインフラ系の技術を極めたかったからです。非常に多くのユーザーを持つサービスに触れ、一瞬でもストップさせられないサービスづくりの在り方を学べました。 1年半後に、損害保険会社に転じます。当時、デジタル化による革新的なプロジェクトを手掛けていて、面白そうだと感じたからです。同社では、組織の立ち上げやプロジェクトマネジメントを主に学びました。 そこも1年で退職し、証券会社に株取引システム等を提供している投資運用会社のグループ会社に移ります。その投資運用会社に、当社代表の梅本が在籍していました。新たにネット証券会社を立ち上げるという話になり、私がプロジェクトにアサインされたのです。そこで、口座開設の手間を軽減させる方法を検討した際に、私が興味を持っていた公的個人認証サービス(JPKI)の活用を提案しました。梅本と検討を進めると、その認証技術にとんでもない可能性があることを見出し、サービス化すべく当社を設立したという経緯です。

エンジニアとしての澤田さんの強みは、どういったところにあると考えていますか?

プログラミングの技術力においては、セキュリティ競技国際大会の『SECCON CTF 2018 International』にて80カ国・1,400チームが参加する中で準優勝、パフォーマンスチューニングコンテスト『ISUCON12』『ISUCON13』で優勝という実績でご理解いただけると思います。 私自身、技術にはハングリーであると感じていて、社内でも常に「こういうことができるのではないか?」とアイデアを出しています。みんなそれにワクワクしてくれているのではないでしょうか。 私は、欲しいものが世の中になければ自分でつくってしまおうと考え、実践するタイプです。新しいことに挑戦するのはワクワクします。転職も、吸収すべきことが吸収できたら、また次も新しいことをやりたいという動機で重ねてきました。

ポケットサインの提供しているプロダクトには、エンジニアとしてどういった面白さがあると感じていますか?

例えば、事業者向けeKYCサービス『POCKETSIGN Verify』は、ヘッドレスのAPIやSDKなので一見地味ですが、あり得ないほど攻めてつくったプロダクトです。ユーザーに寄り添ったプロダクトの在り方を目指したわけですが、その解決方法が少し違うと思います。 サンドボックスをつくるに当たり、JPKIに繋げる他社のサービスは使うのにいちいち細かな申請が必要で、非常に面倒だったのです。ならば、そんな手間が不要なサービスを自分でつくってしまおうと考えて、JPKI自体のクローンを自分達でつくりました。そのためにPKI(公開鍵基盤)の暗号規格である「X.509」といった、HTTPSやTLSの裏側で動いている基幹の技術を使っているのですが、認証に関わる以外のエンジニアはまず触れることのないレアな技術です。こうした技術を自ら用いて実装している会社は、世界でも数社あるレベルだと思います。

御社をどういった会社にしていきたいと考えていますか?

私達が電話を使う時、どこのキャリアかといったことはいちいち気にせず、遠くにいる相手と便利に話せることを当たり前のように享受していると思います。それと同様に、デジタル空間におけるeKYCを多くの人達に当たり前のように使ってもらえる世界をつくりたいと思っています。 このことは、日本国内に限ったことではありません。現在はたまたまマイナンバーカードという手段を用いてサービスを提供していますが、自分のIDは自分の権限で管理するSSI(Self-Sovereign Identity:自己主権型アイデンティティ)という概念が世界的に広まりつつあります。これを実現する技術としてDIDs(Decentralized Identifiers:分散型識別子)やVC(Verifiable Credentials:検証可能資格情報)があります。これらにアプローチして、全世界の人に利用されるeKYCを送り出していきたいと考えています。

最後に、求職者にメッセージをお願いいたします。

当社は、個人情報という極めて秘匿性の高い領域でサービスを扱っています。セキュアさを求める上で、バグのない枯れた技術が採用されがちですが、我々はそんな姿勢は“逃げ”であると捉えています。前述のとおり“攻める”ことを是としているからです。新しい技術を採用するのは難しさを伴うものですが、あらゆる事象の正確な理解に努め、ブラックボックスをなくすことで両立を図っています。 そんな環境ですから、向上心のあるエンジニアであればワクワクできると思います。ぜひ、確かめに来てください!

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