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インタビュー画像代表取締役 CEO 金子 奏絵氏 東京医科歯科大学大学院在学中に起業した学生起業家。歯科医を目指していたが、第二志望の「口腔保健学科」に入学。歯科技工士の免許を取得後、歯科医の夢を追い求めて編入試験を受験したが、不合格。第二志望の大学院へ進学。その後、自身の将来を徹底的に見つめ直した結果、事業創出を決意。歯科技工DXを実現するために、株式会社フィルダクトを創業。大手人材会社の内定を蹴って、同社の事業に人生を懸ける。

株式会社フィルダクトを立ち上げるまでの経歴は?

私は、東京医科歯科大学の東京医科歯科大学歯学部の「口腔保健工学専攻」に入学しました。口腔保健学工学専攻は、歯科技工士としての資格を取ることができます。 歯科技工士は元々専門学校でのみ資格の取得がされるものでしたが、オーラルヘルス時代を見据えた歯科技工士の重要性の高まりから2つの大学で取れるようになりました。 私はそのうちの一つ、東京医科歯科大学(現、東京科学大学)で技工のコースが新設されてから3期生に当たります。同級生は10人しかいない、希少な専攻でした。これが後に、当社を創業する理由の一つになりました。 卒業後は大学院の医療政策学コース(MMA)に進学しました。医療におけるMBAとも言われます。そこでは医療業界のマクロ視点での仕組みや考え方について学び、地域歯科医療やデジタルデンティストリーを踏まえた歯科技工の在り方について考察しました。

8日間の「山ごもり」で何が見えましたか?

大学院に進学した後に1つ心残りがありました。 それは、歯科医師の編入試験に再度挑戦するか否かということ。 実は大学4年の時に歯科医師になるため他大学の編入試験を受けていました。そしてそれは不合格になりました。 歯科技工を学んだ私は歯科医師を目指し、編入試験に受かるまで毎年チャレンジするか、全く新しいチャレンジをするか。決着をつけたいと思ったんです。 自分の内面を考えつつ、今後の進路をじっくり考えたいと、直感で選んだ10冊の本を持って、泊まり込みのリゾートバイトに行きました。食事の用意と掃除が主な業務で、それ以外の時間は自由。持参した本を読んだり、温泉に浸かりながら内省したり。有意義な8日間を過ごしました。 その中で気付いたのが「ただ歯科医師に憧れていただけの自分」でした。「歯科医になる」ことが目的化しており、その先で何がしたいのかを考えていませんでした。そこで、歯科医になった後、自分はどんなキャリアを歩みたいのか考え、その結果、思い至ったのが「事業創造」でした。 学部生時代、アルバイトで塾講師をした時の楽しかった体験が頭をよぎりました。個別指導学習塾だったのですが、10代という可能性しかない年代で自分の可能性に蓋を閉じてしまっている生徒達が多くて。もっと自分の力を信じて取り組んでみたり、頑張って大きな目標にチャレンジできるようなきっかけを作りたいなと考え、同じ教室の講師仲間と生徒達の指導を頑張りました。その結果、全国で800校あった学習塾グループの教室の中で、生徒数増加数ナンバー1になりました。その時の成功体験を思い出し、人のきっかけを最大化できる事業づくりにチャレンジしたいと考えました。

事業立ち上げ時について教えてください!

「事業を立ち上げよう!」と思い至ったものの、どんなふうに事業を成立させるのか手法がわかりませんでした。そのため、大学院での研究や学びを並行しベンチャーや事業立ち上げを通じてプロセスを学びました。またリクルートにも内定していたため内定者インターンとして新規事業立ち上げのアシスタントを経験しました。リクルートで営業1位をとったことのある人に弟子のような形で、泥臭く飛び込み営業をして出禁になるまでやったこともあります。 手法が段々と分かった後にはどの課題をどの順序で解いていくかということにフォーカスしました。まずはアカデミア領域では口腔と全身の関係性が明らかになっていて予防としての歯科の重要性が高まっているのもかかわらず予防的アプローチができていないという課題、そして学部時代にも学んだ技工業界の離職率70%で衰退産業と言われている現実。ここを覆していけるようなサービスを作ろうと思いました。 今後少子高齢化である日本においては必ず日本を支える大きな産業になっていかねばなりません。そこに挑戦したいと思いました。

3Dプリンターを活用した歯科矯正『DPEARL』の始まりは?

もっと身近な歯科矯正を提供したい、しかも安心して高品質なものを。 イメージとしてはユニクロやJINSのようなものを作りたいとはじめに思いました。 高額な医療インフラが敷かれる米国でも歯科矯正領域において潜在需要を広げる動きが見られて日本でもその流れが起きると思いました。 そこで従来の1/2の価格で通院+オンラインサポートの歯科矯正サービスDPEARLを作ることとなります。 私はこの事業を通じて登場する、歯科医師・歯科技工のワークフローにも革命を起こしたいと考えました。先ほどの歯科技工士の高い離職率に繋がっている理由は低賃金・長時間労働と、やりがいのなさです。そこを打破するようなモデルも同時に考えようと提携型でかつ新しい商流のB2B2Cのモデルを構築しました。 歯科の悪しき業態をモダナイズして、歯科技工のイメージを先進的にしていきたいのでロールモデルの仕組みを作ろうとしています。 それがマウスピース矯正事業にとどまらない、フィルダクトの面白いところだと思っています。

ここまでのPHILDUCTと今後のPHILDUCTは?

振り返ると、自分の起業した大学院在学時は起業やスタートアップなんて言葉は周りに口にする人は全くいませんでした。やろうとしていることへの理解者はほぼ0に近しい中で少しずつ積み上げCOOを始めとする仲間や累計5億円を支援してくださった投資家方に恵まれここまできました。そしてフィルダクトは2023年3月に歯学でQSランク国内1位、世界4位の東京医科歯科大学に大学発ベンチャーとして認定されました(現在は東京科学大学発認定ベンチャー)。 まだまだ山の一合目にも登っていないと思っていますが、時代は大きく変わってきているのを感じます。医療のアカデミアでもスタートアップへの注目が高まってきていることもあり、オーラルヘルスの土台の歯科矯正領域=ど真ん中で全国規模の事業に挑戦することができており、当然大変なこともありますがやりがいしかありません。 フィルダクトには医学部卒業してもフルコミットでこの事業にあたるCOO春名、薬学博士を辞めてフルコミットジョインの道を選んでくれた生澤などがいます。彼らの話をすると時に周りからは勿体無いと驚かれます。しかし、大きなビジョンに向けてベットしてくれた彼らの選択に感謝しリスペクトしていますし、だからこそ絶対に成功させたいと思っています。 もちろんこれからジョインしてくれる仲間のためにも。 今はインターン含め10名程度と業務委託メンバーの構成。金子は直感派、春名は数字の鬼、生澤はのほほんなキャラクターです。会えば分かりますがみんないい味を出しています。10名以下のフェーズでジョインしたいといいことを密かに思っているのであれば、それは今のPHILDUCTでどうでしょうか。新たなピースが加わり面白さが加速することを楽しみにしています。

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春名 航佑
取締役COOです。カジュアル面談はポジションに応じて柔軟にアレンジします。ぜひ一度カジュアル面談をしましょう!
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