Z-SOFT株式会社を立ち上げるまでの経歴は?
私はモンゴル生まれの中国育ちで、19歳の時に日本に来ました。日本語学校と大学で学び、卒業のタイミングで実兄が日本で貿易商社を立ち上げるという話があり、それに参加しました。他方で不動産会社を設立し、二つの会社を並行して経営してきました。貿易商社では、兄が日本、私が中国とそれぞれ取引先を分担し、中国製品を日本に輸入したり、反対に日本の商品を中国で販売したりしていました。 貿易商社の仕事では、国際取引やビジネス戦略の策定を主に担当し、多国籍のクライアントと協力し、実績を上げました。この経験を通じて、ビジネスのグローバルな側面を理解し、国際的なネットワークを構築しました。 ビジネスは順調に成長し、日本での暮らしにも馴染んで、2016年に帰化して日本国籍を取得しました。日本は安全な国で、人もみんな優しい。子供が日本生まれだということもあって、帰化に踏み切りました。日本の一員として、社会のさらなる発展に貢献する決意を新たにしたのを今でも覚えています。
Z-SOFTを立ち上げた経緯は?
当社を立ち上げた理由はいくつかあります。一つは、兄と一緒に続けている貿易商社の仕事とは別に、自分だけでビジネスを立ち上げてみたいと考えたからです。腕試しといえば聞こえは良くないですが、10年以上ビジネスに携わってきた経験を生かし、他の業界で世の中の役に立つ仕事をしたい。そして、中国生まれの日本人として、大好きな日本社会を発展させるために、自分の経験を生かしたいと思いました。 もう一つは、ITビジネスに憧れがあったからです。貿易商社の仕事をする中で、中国や日本でITビジネスを展開するビジネスパーソンと知り合いました。彼らの話を聞いていると、ITを通じて世界が変わっていく。そしてその最前線に関われる仕事は、とてもやりがいがあると感じました。私はエンジニアではないため、システム開発はできません。ですが、エンジニアが仕事にフォーカスできる環境を提供することで、間接的ではありますが、ITを通じた社会貢献ができると判断しました。
社名「Z-SOFT」に込めた思いは?
会社を設立する時、社名には随分悩みました。「Z」には二つの意味を込めています。一つは、アルファベットの最後の文字で「これ以上ない」という意味です。これ以上ない最高のサービスを提供したいという思いを込めました。もう一つは、数学の変数です。「Z」には、いろいろな物事を当てはめて考えることができます。 「SOFT」も二つの意味があります。一つは単純に「ソフトウェア」の意味合いです。IT企業らしい名前ですよね。もう一つは「柔らかい」という意味でのソフトです。会社を設立する時、エンジニアが安心して働ける組織にしたいと考えました。そのためには、人間関係も大事で、人当たりがソフトな人達と働きたいと思いました。ソフトという言葉には「柔軟」という意味もあります。働き方や会社の制度を柔軟に変化させながら、エンジニアが満足する会社にしたいという思いも込められています。
会社を経営する上で、大切にしていることは?
メンバーがお互いの価値観を尊重して、進むべき方向を共有することは、非常に重要です。会社に限らず、組織やコミュニティというものは、基本的に「多様」なものです。一人として同じ人間はいません。しかし、互いに相手のことを知り、リスペクトして価値観をすり合わせることはできます。そうすることで、組織に属するメンバー全員が安心できる環境をつくりたいと考えています。 エンジニアの採用において、その人の価値観や人柄をとても大切にしています。当社の事業拡大には、エンジニアの増員が欠かせませんが、長く一緒に働ける人を選んでメンバーにしたいと考えています。特に会社設立して間もない今のフェーズでは、会社のカルチャーを形作るためにも、入社するエンジニアの価値観や人柄が、現在のメンバーとマッチすることが重要です。社名に込めた「ソフト」なキャラクターの人が、今の当社には合致すると思います。
Z-SOFTで働くエンジニアに求めるものは?
現状に満足しないことです。当社のエンジニアも、そして私も、会社と個人の成長を意識して働いています。自分の将来を見据えてレベルアップするには、今、何をすべきか考えて動いてほしいですね。 これまでのビジネス人生で、向上心がない人と働いた経験は何度もあります。仕事に対し積極的な姿勢を示さないメンバーがいると、他の人の仕事も生産性が落ちます。だから、当社を設立した時に、一緒に成長したいと思ってくれるメンバーを集めた会社にしたいと思いました。 社員のスキルアップは、会社で全面的にバックアップしています。SESという働き方は、プロジェクト単位で仕事内容が変わることから、上手く案件を選んで働けば、経験値を上げることが可能です。ただ、知識やスキルがないと現場に入れません。次に入りたい案件を見据えて、今の現場で働きながらスキルを身に付ける際は、研修や資格取得に必要な費用は会社が負担します。