まず、略歴からお教えください。
レコーディングエンジニアやPAオペレーターなどの音響クリエイターを養成する音楽の専門学校で学び、卒業後にレコーディングスタジオに就職しました。そこで1年ほど働いた後、学生時代から手伝っていた友人のバンドがインディーズで有名になり、ライブツアーに出ることになったので行動を共にすることにしました。Zepp東京などのライブ会場でPAオペレーターをやりましたね。有名なバンドと一緒にやったこともあります。今でも、たまにプロのギタリストである友人がレコーディングしたいという時、器材を持って行って手伝ったりしていますよ。 そして、24歳の時にWebデザイナーのアルバイトとして当社に入りました。友人のバンドのホームページづくりもずっと担当していたので、心得はあったのです。その半年後には正社員に登用してもらいました。 当時、当社のサイトを置いていたレンタルサーバーがひどい状態にあることが判明し、サーバーの引っ越しとともに全面的にサイトリニューアルをかけました。その時からエンジニアとしても踏み込んで仕事するようになりました。 そうこうするうちに2008年に執行役員になり、翌2009年に取締役に指名されました。社長から言われた時は、しっかりやれるという自信はありましたね。
この5年間、トップとしてどんな会社にしようと取り組んでこられたのでしょうか。
社員が楽しく仕事ができる会社にするということです。私には、仕事は楽しくないと意味がないという信念がありますので。ですから、直接的に売り上げや利益を上げるということよりも、社員がいかに伸び伸び仕事をして技術やスキルを身につけ、仕事が楽しいと感じてもらえるかということに最大の力点を置いてきています。 なぜならば、技術やスキルが高くなければ、絶対に上には上がっていけないからですし、上に上がれなければ楽しくなどないと思うからです。こうした思いの根底には、自分がアルバイトの立場から現場で働いてきたという実体験があると思います。現場や技術を知っているというのは、自分の強みかもしれませんね。
では、社員に対してどうなってほしいか、思いを聞かせてください。
まずは技術や知識を磨き、自社サイトをよりよいものにしてできるだけ多くの人に見てもらい、さらにサイトを大きくすることに関わってほしいと思いますし、その成果や喜びを分かち合ってほしいと思います。当社は個人力ではなくチーム全体の力で成長しようという空気がありますから。 それと、プライベートの時間を大切にしてほしい。個人的に長時間労働が大嫌いなのですが、真剣に仕事をして遅くなる分にはいいとしても、ダラダラ残業は絶対にダメです。ですから、有給休暇も取りやすくしていますし、年に1度好きな日を休めたり、子供の誕生日月に1日休みを取得できる特別休暇も導入しました。社員は、その休暇を使用して、家族と旅行に行ったりしているみたいですよ。
我妻社長の仕事観をお聞かせください。
仕事で大切にしていることが1つだけあります。知らないことがあったら、知るように心がけることです。人には当然、知らないことが山のようにありますが、知らないと先に進めないこともたくさんあります。プログラミングもそうですし、会社経営もそうです。 仕事がうまくいかないエンジニアは、自分が何がわかっていないかわからない。ということがよくあります。ですから、社員がそういう状況にある場合、何がわかっていないのかをわからせるように努めています。この“無知の知”という姿勢さえあれば、どんな世界でもやっていける、成長できるのではないでしょうか。
最後に、我妻社長の人生で大切にしていることや座右の銘をお教えください。
“日々精進”という言葉が好きですね。もう一つ、堅苦しくないところでいうと、“なんとかなるさ”というマインドですかね(笑)。これは、“楽しくなければ意味がない”という仕事観にも通じると思います。「カネなどないけど、どうにかなるさ」という歌詞がありましたが、音楽をやっている時はお金はありませんでしたが、とても楽しく充実していました。それでなんとかなりましたからね(笑)。 現在、休みの時はゴルフやドライブを楽しんでいますし、好きなお酒を愉しんでいます。ゴルフは純粋な楽しみとしていて、コンスタントに100を切ることが目標です(笑)。