株式会社サイカを起業したきっかけは?
そもそもの想いは13歳、中学1年生までさかのぼります。私の父が務めていた会社が倒産してしまいました。一介の課長だったのですが、会社の倒産をコントロールできるはずもなく、倒産してしまいました。しかも、その倒産を知ったのが12時間前という、まさにどうしようもできない不幸でした。 そして倒産後は本当に悲惨でした。ここでは語り切れない不幸が起きて、そのなかで疲れ果てていく父を見たときに、「この世には”どうしようもない悲しみ”というものがあるんだな」と感じました。そして、その”どうしようもない悲しみ”をどうにかしたいという漠然とした思いが中学の時に芽生えて、それが僕の人生の目標になりました。
サイカの武器である統計分析との出会い
大学では経済学を学ぶゼミに入りました。私の所属していたゼミではストイックに経済政策を作ったりしていました。机上の政策ではなく、自分の考えた政策が経済に及ぼす影響を検証するところまで求められました。つまり、定量的な証明ができないといけなかったのです。それがまさに統計分析との出会いでした。 しっかり数字で明らかにしなくてはいけない世界に触れて思い起こしたのは、父の会社の倒産という原体験でした。 父の倒産した会社は、昭和を代表する名経営者が作った会社でした。 彼の経験や勘にみんなが従って成功していましたが、それに頼りすぎて総崩れしてしまった会社でした。もし彼の手元に”超定量的な世界”があったら、彼の経験や勘は正しく生かされて、会社もつぶれずに済んだのではないか、とゼミで学んだ時に思いました。 そこで点と点がつながり、統計分析をビジネス業界一般に浸透させることを自分の道にしようと「サイカ」を起業しました。
すべてのデバイスに「データ分析」という部品を提供すること
起業当時はコンサルティング会社でした。 プロ向けの統計分析ツールを使い、クライアントから分析ニーズをヒアリングしてデータを頂戴して分析結果をレポートするという、分析コンサルをしていました。 しかし、コンサルティングをしていくうちに外部者からのレポートだと、クライアントの意思決定に繋がらないことに気が付きました。 このまま外部者として分析レポーティングを繰り返すよりも、仮説や問題意識を持っているビジネスパーソン自身が扱える分析ツールを開発して提供した方が本質的に価値のあるサービスなんじゃないか、と思うようになりました。 そのような経緯があり、2013年の10月、「アデリー」という「誰でも簡単に統計分析ができる」というコンセプトのWEBアプリケーションをリリースしました。それが統計分析のコンサルからプロダクトを作る会社になった、いわゆるサイカの第二創業でした。 今のサイカは、営業やマーケティングというような“実業務に寄り添ったサービス”を開発する「業務ニーズ特化型」の分析アプリベンダーとして生まれ変わろうとしています。具体的には、オンライン・オフラインプロモーションの効果をリアルタイムで分析できるプロダクト(MAGELLAN)を開発しています。 ビジネス現場にデータ分析の価値を届けてこそ、“すべてのデータに示唆を届ける”という僕たちのビジョンは達成されると信じています。
サイカの社名の由来
サイカという社名は、「才能開花」からきています。 才能開花は、“もうやることは全部やり切った、あとは自分の才能で勝負するだけだ”と思い切れる状態だと思います。さらに言えば、あとは才能だけだと言い切れるほどに情報を集め切って、自分を磨きぬいていくプロセス自体が、才能開花だと思っています。そして、その先には納得感や誇りに満ちた本当の意味での幸せが待っていると信じています。 今思うと、そもそも私の原体験である「どうしようもない悲しみを無くしたい」という願いが強く反映された「才能開花」の捉え方なのかもしれません。