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スカイマーク株式会社

  • サービス系

定時運航率4年連続国内第1位、2020年度日本版顧客満足度指数第1位のスカイマーク! あらゆる経営課題を実現させるためDX分野を強化

企業について

大手2社と一定の距離を置く第三極の航空会社、スカイマーク株式会社。運航や予約など独自の諸システムの強化にも着手しており、会社の基盤を支えるIT人材を求めている(インタビュータブを参照)。

同社は、29機のボーイング737-800を運航し、国内では羽田、札幌(新千歳)、仙台、茨城、名古屋(中部)、神戸、福岡、長崎、鹿児島、奄美大島、那覇、宮古(下地島)の12空港間で25路線を運航している。中でも、神戸空港は発着便数のシェアが約6割を占め、茨城空港は国内線で唯一のエアラインという存在感を発揮している。

1986年から始まった日本の航空業界の規制緩和政策による新規参入第1号として、1996年に設立されたスカイマーク(設立時の社名はスカイマークエアラインズ株式会社)。低価格帯の運賃などで存在感を発揮するも、競争激化などの要因で経営状況が悪化。2015年1月、東京地裁に民事再生を申し立てる。2月には再生手続開始が決定し、投資ファンドのインテグラルを筆頭に、ANAホールディングス、UDSエアライン投資事業有限責任組合(日本政策投資銀行・三井住友銀行)などが株主となって再生を行うことが決まる。そして9月にインテグラル代表の佐山展生氏(前スカイマーク株式会社取締役会長)以下6名の取締役による経営新体制が発足し、“新生スカイマーク”のスタートとなった。

出資者により約180億円の資金を得た同社は、2016年3月、一切の債務を弁済し民事再生手続が終結。
その後は、国際線定期便の運航開始(現在は新型コロナウイルスの状況により運休中)、国内ネットワークのさらなる拡充、2017年度以降定時運航率3年連続国内第1位、2020年度日本版顧客満足度指数(国内長距離交通部門)第1位を獲得するなど順調に歩みを続けている。

定時運航率3年連続国内第1位、2020年度日本版顧客満足度指数第1位を短期間で実現できた要因のひとつには、一般的な航空会社とは異なり、グループ会社を持たず全ての職種を自社にて正社員採用している背景がある。横のつながりが強く「ONE TEAM」としての総合力が生かされた結果と言えよう。

その「ONE TEAM」の一員として、80以上のシステムを自社開発・運用するITスタッフの貢献は非常に大きく、今後もさらなる活躍が望まれている。

“新生スカイマーク”は、10年後に向け、新たに次の“Vision 2025”を掲げている。
1.愛される“スカイマークブランド”の定着
2.お客様満足と社員満足の好循環
3.存在感のあるネットワークの拡充
例えば“愛される”とは「安いから」という理由ではなく、「スカイマークでなければならない」と思ってご利用いただけるような、お客様にとってのオンリーワンの航空会社を目指す。このビジョンに向けて、一丸となって取り組んでいる。

その具体策として、次の4つの方針を打ち出している。
① 安全の確保
航空会社として大前提にあるのが“安全”。確実な安全確保に向けた取り組みとして、整備体制を強化。

② 定時性の向上
お客様の時間を大切にするために、定時制日本一を目指す。このために、安全運航を大前提とした上で、業務の見直しやシステム化による業務効率化への取り組みを強化。

③ 価格競争力の強化
身近な価格と高い運航品質による圧倒的な競争力を維持・強化するために、システム化による業務効率の向上を図る。

④ 快適さ、楽しさの提供
上記①~③を実現させた上で、機内空間を快適に、楽しくするサービスの向上に取り組む。
例えば、2019年5月14日から2021年1月初旬までJリーグ・ヴィッセル神戸の空飛ぶサポーターとして「ヴィッセルジェット」を運航。ヴィッセル神戸のエンブレムを機体側面にデザインし、客室乗務員は港街をイメージしたボーダー柄の2019シーズンのヴィッセルユニフォームを着用。座席のヘッドレストカバーは白・黒・クリムゾンレッドのヴィッセルカラーであしらい、搭乗および降機時にはヴィッセル神戸オフィシャルテーマソング「WE ARE ONE」を流す。そして、オリジナルコラボグッズを機内販売するといった内容だ。神戸空港ではヴィッセル神戸のラッピングをした様々な空港車両が走り回る。2020年2月には、ヴィッセル神戸の 『FUJI XEROX SUPER CUP 2020』出場に伴い、ヴィッセルジェットでの臨時便の運航も行った。ホームページの「ヴィッセルジェットコラボサイト」では、神戸市のクリエイター育成講座「Rethink Creator PROJECT 神戸特別版」への協力として、講座受講者が制作したデザインを採用している。スカイマークは神戸空港を関西の拠点として位置づけており、ヴィッセル神戸の地域社会へ貢献する姿勢に共感したことからオフィシャルゴールドスポンサー契約を締結することが決まった。こうしたタイアップに、拠点空港のある地域の企業などと積極的に取り組み、地域振興にも貢献していく。

スカイマークの企業風土改革には、社内一丸となって取り組んだ。

“Vision 2025”の2番目に“お客様満足と社員満足の好循環”を掲げている。航空会社としてお客様満足はいわば当たり前のことだが、以前はお客様を安全に目的地にお運びするため、保安に対する業務を最大限に行うことを重視していたため、お客様満足に対する対応に行き届かない点があった。そこで安全運航を第一とした上で180度変えた。お客様に満足いただくためには、お客様に接する社員自身が仕事に満足していなければならない。社員が不満を抱えていては、上質なサービスなど提供できるはずはないからだ。社員の不満の原因は、「なぜこんな作業をする必要があるのか」といったように、日々の業務に潜んでいる。このためスカイマークでは、まずは徹底して社員の“声”を聴いている。

「社内アイディアシート制度」という仕組みでは、社員が会社や職場に対する提案や意見を自由に提出ができる。社員が提出したアイディアについては速やかに経営陣や担当部門で対応を行う。社内イントラネットには提出されたアイディアと採用の可否、進捗状況などが一覧化されている。

また、評価制度についても上司からの評価だけではなく、あらゆる社員からの評価を反映させた「360度評価」を採用している。一般の社員も管理職や役員の評価を行う制度だ。このように社員の声がを徹底的に聞く仕組みづくりの背景としては、社員が安心して働けなければ、真の再生・成長はあり得ないという考えからだ。

社員数約2,400人と、航空会社としては中規模であるが、独立した航空会社として、独自の経営戦略に主体的に取り組むことができるスカイマーク。そんな同社の基盤となる情報システムの再構築にかかわる仕事。これほどのスケール感やチャレンジングなステージで活躍できるチャンスは、滅多にないといえるだろう。

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インタビュー

スカイマーク株式会社のインタビュー写真
取締役専務執行役員 経営企画・営業担当 本橋 学氏

── まず、スカイマークの企業風土の特色についてお教えください。

社員数は約2,500名で、一万数千人いる大手と比べるとコンパクトな規模です。設立25年というまだ若い会社でもあり、平均年齢も35.1歳と若いと思います。
ご存知のように、当社は民事再生を経て経営体制が一変し、“新生スカイマーク”に生まれ変わりました。現場の社員一人ひとりの声に積極的に耳を傾けて会社運営に反映させていく、非常にフラットな風土に変わったと思います。そのいい例が、本社には役員室を設けず、会長以下役員全員が社員と同じフロアで机を並べているところです。ですから、経営陣が何を考えているのかがわかりやすくなっていると思います。
また、航空会社は一般... 続きを読む

企業情報

会社名

スカイマーク株式会社

業界

サービス系 > その他サービス系

代表者氏名

代表取締役社長執行役員 洞 駿

事業内容

定期航空運送事業他

株式公開(証券取引所)

従業員数

2417人

本社住所

東京都大田区羽田空港3丁目5番10号 ユーティリティセンタービル8階

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