もともとなにをしていたのか?
Beer and Techを創業する前は、設立数年のインターネットの広告代理店に新卒1号社員として入社し、主に営業統括として会社の成長を牽引してきました。 誰も知らない小さな会社に飛び込み、モバイルインターネットの時流に乗り、急成長。前職は素晴らしい仲間と活躍の場に恵まれていました。 勤務した10年でベンチャー企業が成長する過程で直面する、様々な問題は一通り経験したと思います。もう一度やると思うと、ちょっと気が重いですけどね(笑)
起業のきっかけ
そんな愛着のある会社から離れ、起業するきっかけになったのは、30歳の時に告知された脳動脈瘤という病気でした。 この病気は年間1%の確率で、くも膜下出血を引き起こします。出血すると6-7割の確率で死ぬか、障害が残ります。無事で済むのは30%です。毎年、1%づつ確率ですので、10年すれば1割はアウトです。 告知されて数日後、当時の気持ちがよくわかる日記が残っています。 "自分がいなくなっても、世界にはなにも残らない。子供も嫁さんもいない、友人に少しの悲しみを与え、僕はバトンを渡せないまま終わるのかと思った。" なんとも言えない虚しさに襲われ、次の世代に、なにかを残したいと真剣に考えを巡らせました。 僕が一番感謝していることを、次の世代に残そう。 そう思うと、僕が子供の頃から、新しいことを考えては楽しくそうに話す起業家の父親の姿が浮かんできました。父親は、仕事を通じて社会に自己表現することを心から楽しんでるんですよね、いつでも。 僕はそんな背中をみて育ったおかげで、社会に不満を持つより、社会で自分の想いを体現すればいいと考えるようになり、自分の人生に勝手に可能性を感じて、前向きに生きてこれた気がします(笑)。 父親が僕に見せてくれたように、僕も社会に、もっと自己表現する姿を次の世代へ残そうと、会社を退職し、起業をすることになります。 ※ちなみに、今は病気ではないのでご心配なく。
Beer and Techに込めた想い
Beer and Techという社名は、どういう意味なんですか??とよく聞かれます。 TechはTechnologyを活用することなんだろうと、割りとすんなり理解して貰えるんですが、Beer は森田さんがビール好きだからですかって言われることもしばしば。 半分正解ですが、ちゃんと説明しようと思います。 Beer and Techの「Beer」 はビールそのものではなく酒を酌み交わすような「誰かと一緒に過ごす時間」を意味しています。 僕は、病気を告知されて、初めて今まで、ただ楽しいだけだった、みんなで乾杯している時間が、いかに幸せな時間なのか、気が付きました。 告知から少したってからの日記にこんなことが書いてありました。 ”僕に関わらず命の長さは、誰にもわからない。みんなが限られた人生の時間を僕とシェアしてくれている。そう思うと、急にみんなとの関わりが本当に愛おしく思えるようになった。自分を心配してくれる友達の優しさはもちろん、会社のメンバーとのやりとりや意見の合わない議論も、なんか心を満たすものがあるもんです。” 不思議ですよね、人と過ごす時間が本当に貴重な時間だということに気がついたとき、僕は失意の中で、前より幸せを感じていました。 Beer and techという社名は、テクノロジーの力で、社会の非効率を解消し、人と向き合う時間がもっと増えれば、きっと人生は豊かになる。そんな想いから生まれました。