代表取締役　江尻高宏氏

まず、略歴についてお教えください。

関西大学工学部の学生時代に登場した「Windows95」に衝撃を受け、また当時黎明期にあったインターネットにのめり込んで、世界中の人とメール交換することに熱中しました。また、以前から幕末のヒーローが好きだったこともあって、「ITで日本を変えられる」と将来の起業を目指すことにしたのです。そこで、卒業後は3社で3年ずつ修業し30代で起業する計画を立てました。2000年に大学院工学研究科修士課程を修了し、まず日本総合研究所にエンジニアとして入社します。主に三井住友グループ企業のシステム開発や金融系のシステム開発を手がけましたが、もっぱらプロジェクトリーダー／マネージャーとしてお客様との折衝やメンバー管理を任されました。一区切りついた2007年に、経営コンサルタントとして多くの企業を見るつもりで、船井総合研究所に転職します。当初の2年は不動産業界、その後5年間はIT業界を担当し、数千社の中小企業の経営者と接しました。 両社とも、お客様の要請があったことと、中途半端な形で辞めることをよしとしなかったので、計画の3年で辞めることができず長引きました。しかし、いよいよ40代が目前という2014年に独立を決意し、シンカを創業したという次第です。

創業時には、どんな会社にしていこうと思いましたか？

船井総研時代にシリコンバレーのGoogle本社に行き、感銘を受けました。そして、「邪悪になるな」というステートメントを掲げ、世界の情報を一手に扱おうという姿勢に凄みを感じたのです。当社を創業した時は、そんなGoogleのライバルになるような会社にしようと思いました。しかし、巨大な同社にはそうそう敵うはずはありません。けれども“一点突破”ならいけるだろうと。電話によるおもてなしを提供する会社として世界一になれば、Googleにも認められるかもしれないと思って取り組むことにしたのです。

社員にどういった人生を過ごしてほしいかといった思いをお聞かせください。

よく、「人生を“ON”にしていこう」と言っています。仕事にもプライベートにも全力で取り組み、年老いた時に一点の後悔もないほど充実し、堂々と「幸せ」と言えるような人生です。社員の中には、NPOの活動やミュージカルなどに熱心に取り組んでいるメンバーがいます。必要な時は会社を休んでほしいと言っていますが、会社としてもできるだけ応援したいと思っています。毎月の社長面談のシートの最上段には、夢の実現に向けての取り組み状況を記入する欄を設けているほどです。

江尻さんの仕事観やオフタイムの過ごし方についてお教えください。

仕事は人生そのものですね。システムをつくり、お客様に提供してよろこんでもらえるというサービスを広げている手応えが、とても楽しいです。生涯をかけて世界中に広げていきたいですね。次にアジア本社をつくり、その次にアメリカ本社をつくり、最後にドイツ本社をつくって家族ともども移住することが自分の夢です。ドイツにも船井総研時代に行きましたが、モノづくりが得意なことや真面目な国民性など似ている部分が多いものの、生産性が大きく違っているところに軽いショックを受けました。ドイツでは17時になるとほぼ全員が仕事を終えてプライベートの時間を過ごし、週末は音楽や美術などのアートを堪能しているのです。「これぞ“人生ON”だ」と思いましたね。シンカも、ドイツ並みの会社にしていきたいと思っています。 プライベートの時間は、もっぱら映画を観ています。家にはDVDやブルーレイが1000タイトルくらいあります。終業後によく新宿の映画館にも行きますよ。それと、スキューバダイビングも好きで、昨年は2回ほど沖縄に行きました。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

当社は、ベンチャー気質とスピード感、そして大企業の紳士的な風土も取り入れるように工夫して運営しています。新しいことを取り込むことにも貪欲ですから、自分の考えで何か新しいことを始めたいという人にとっては最適な環境があると自負しています。前述のように、個人の夢の実現もできるだけ応援していますし、メンバーには会社の夢の実現に力を貸してほしいと思っています。会社もそれぞれのメンバーも夢に向かって走っているので、極めてポジティブな空気が充満していると思います。ぜひアクセスしてみてください。