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株式会社ソフテル

  • IT/Web・通信・インターネット系

【2020年6月グループ上場】自社サービス『通販する蔵』を軸にカスタマイズ対応力で独自の強みを確立

自社サービス製品あり
残業少なめ

企業について

ECバックヤードシステムの中でも業界屈指のシェアを誇る『通販する蔵』。楽天ショップオブザイヤーを獲得するレベルの大手ECショップへの導入実績が多く、直近1年間の導入店舗流通合計額は2,500億円を突破している(2020年12月現在)。

開発するのは岐阜県岐阜市に事業拠点を置く株式会社ソフテルである。2001年の創業以来WEBシステム開発に特化した事業を展開し、17年連続で増収増益を続けているシステム開発会社だ。

『通販する蔵』は、クラウド上で提供されるネットショップ向け販売・在庫管理システムだ。楽天、Yahoo!ショッピング、Amazonなどのモールや、独自ショップのシステムと連携可能で、複数の店舗を一元管理することが出来る。受注、出荷、商品、在庫、顧客、入荷、発注といった管理業務をシステム化し、ボタン1つで一括処理ができる。売上を伸ばしたいネットショップ、業務を効率化したいネットショップをターゲットとして提供されている。

同種のサービスやプロダクトを提供している企業は約20社あるが、実質的には同社を含む上位数社が市場を分け合っている状況だ。その中で、ソフテル社が他社を圧倒しているのが、カスタマイズへの対応能力である。顧客の細かいニーズに柔軟に対応することで、導入企業からは「逃げない」「最後までやりきる」という評価を獲得している。その評価が顧客やパートナー企業(ショッピングモールや決済サービスプロバイダー)からの紹介の糸口となり、導入企業が増え続ける要因となっている。また、同社と凌ぎを削る2社のシステムはカスタマイズなしで導入されるケースが多く、自然とすみ分けが出来てきた。

創業者の代表取締役・北川輝信氏は、自社の強みを次のように語っている。

「過去、カスタマイズ対応を謳う同業者は他にもありましたが、それらのほとんどが不採算のため撤退していきました。弊社は長年にわたりECバックヤードのシステムを手掛け、ノウハウを蓄積してきました。現在、お客様から頂くご要望のほとんどは過去に開発した経験があるものばかりです。その点では他社の追従を許しません」(北川氏)

導入時だけではなくサポートも重要だ。ノンカスタマイズのASPサービスの多くは、アカウント開設後、稼働するまでの作業は基本的にユーザー自身の責任で行う。だがEC関連のシステムは、ユーザーにある程度のリテラシーがなければ稼働まで至らないケースも少なくない。そこで同社は、担当者が稼働するまで責任を持ってサポートする体制を取っている。顧客の細かいにニーズに柔軟に応え、最後まで手厚くサポートする姿勢が、機能追加や機能改善などの継続発注へと繋がっているのだ。

これらの対応力により「ソフテルに頼めば何とかしてくれる」という口コミが広がり、今ではネット企業だけではなく上場クラスの小売りチェーンやECに参入するメーカーなどからも引き合いがくるようになった。

さらに、サービス範囲も拡大している。実店舗で成長してきた企業のEC参入、反対にEC専業者の実店舗出店など、小売業界ではオムニチャネル化が急速に進んでいる。その動きを見据え、POSレジシステムとロジスティックシステムをオプションとして提供し始めるなど、ECバックヤードから実店舗を含めた小売業務全体のシステム化支援へと乗り出している。

学生時代から起業を志していた北川氏は、その準備のために大学卒業と同時に出身地である岐阜の大手システム開発会社に就職した。そこで様々な業務システムの開発に携わりながら資金を蓄え、人脈を築く一方、プライベートでは独学でWEBシステムを習得し、知人を手伝う形で実践しスキルを磨いた。当時、業務システムはオンプレミス型が主流だったが、北川氏は「いずれはWEBシステムへと移行していく」と見込んでいたのである。

就職から4年半後、1人で創業した際は受託開発からのスタートだったが、すでに4社のクライアントを確保していた。しばらくは様々な業種業態の業務システムを請け負っていたが、その中で地元スポーツ用品販売チェーンに向けて開発した販売・在庫管理システムが『通販する蔵』のベースとなった。

「そのクライアントは、業務改善に積極的に取り組む会社で、それに合わせてシステムもどんどんバージョンアップしていきました。それを繰り返す間に非常に完成度が高いシステムになっていったため、他社にも転用できるのではないかと考えたことがサービスプロバイダーに転換するきっかけとなりました」。(北川氏)

クライアントのために開発した販売・在庫管理システムを、クライアントの許可を得てパッケージ化し、2005年4月に『利益出る蔵』(『通販する蔵』のプロトタイプ)として販売。だが、当時はまだWEBシステムに対し、使い勝手が悪いイメージやセキュリティへの不安から強い抵抗が持たれていた時代。特にEC業界ではインストール型の受注処理システムがシェアを独占していたこともあり、クラウド型のシステムが受け入れられる下地は整っていなかった。

「2007年にパッケージを『通販する蔵』としてリニューアルした後もしばらく苦戦を強いられました。何とか導入していただいたお客様からも、機能的にご満足いただけず、謝りながらもご要望に対応していくということの繰り返しでした。しかし、そこで何とか対応してきたことの蓄積が弊社のノウハウとなってきたのです」・(北川氏)

状況が変わったのは2010年を過ぎた頃だ。海外のASP型CRMが日本国内でも普及し、SaaS、ASPといった言葉が広がると、その他の業務システムもWEBに移行し、その中で『通販する蔵』の認知度も高まっていった。現在では完全に形成は逆転し、ECの販売・在庫管理システムもクラウドが主流となっている。柔軟なカスタマイズ対応を強みに独自のポジションを確立した同社には、開発業務が追いつかず、営業が受注活動を抑えなければならないほどの引き合いがくるまでになっている。

今後の目標は流通系システムベンダーとして圧倒的なシェアを取っていくことだ。その目標を達成するためにも、開発スタッフの増員を図り、拡大し続けるニーズに確実に応えられる体制の構築に取り組み始めている。

「創業前、エンジニアとして様々な企業のシステム開発に携わる中、“いかに喜んでいただけるか”、“どうすれば役に立てるか”を考えながらがむしゃらに働いていました。そしてお客様から喜びの声をいただくことや、お客様が株式上場するなど成長していく姿を見ることにやりがいを感じていました。それが起業の原点です。“お客様の幸せ”を第一に考えてシステム開発に取り組む方針は今も変わりません」。(北川氏)

そのように話す北川氏の下には、同じ志を持つエンジニアたちが集まる。地元岐阜県で受託開発に従事していたエンジニア、名古屋の派遣会社で組込み系の開発に従事していたエンジニアなど様々な経歴を持つ人材が在籍するが、いずれも自社プロダクトをベースに、ユーザーの声をダイレクトに聞きながら開発業務に取り組めることにやりがいを見出しているという点で共通している。

そのような共通する価値観を軸に、一体感のある組織を形成してきた同社だが、今後、さらに組織としてステップアップするためにも、人的な補強は重要な課題だ。執行役員・早矢仕忠氏が語る。

「人員を確保した後は、個々のメンバーのプロ意識やスキルをさらに高めて行くことが課題となります。弊社が目指す姿は、ただ物作りをしているだけのシステム開発ベンダーではなく、コンサルティングを含めたソリューションプロバイダです。そうなるためにはエンジニアがお客様の現場を知ることが重要です。現場を見てお客様と話すことでノウハウが蓄積されます。今後はエンジニアも業務の現場に立ち会う機会を増やし、それによってお客様が求めている以上の提案や開発ができる人材を育成していきたいと考えています」。(早矢仕氏)

同社の開発業務は、サブリーダーを中心とした数名単位のチームで担当案件に向き合う。縦割りの組織ではないため、メンバー1人ひとりが、顧客と向き合う中で、自然と責任感が芽生えてきた。それと同時に、ポジションに関係なく、自由にアイデアを出し合えるオープンな社風が築かれてきた。個々に現場経験を積むことで、その状態からさらに一歩進んだ強い組織を作っていく考えだ。

同社が求めているのは、顧客の幸せを考えて夢中に仕事に取り組める人材である。顧客が困っていることを聞き出せるコミュニケーション力、最適な解決方法を提案していきたいという向上心や探求心も重視する。

「お客様の課題を解決することは大変な仕事ですが、実現できればお客様が喜んでわざわざ成果を報告してくれます。それを見ると誰しも嬉しいし、やりがいになります。自分が作ったシステムで誰かを幸せにしたい。そんな仲間を増やして行きたい」(北川氏)

国内流通のEC化率は未だ10%未満。物流インフラが整備されることで一気に成長していくことが見込まれる。2016年にロジシステムに着手したのは、その動きに対応するための先行投資の意味もあった。今後は、さらにICタグに対応するなどさらに深くバックヤードの仕組化に取り組んでいきたい考えだ。さらにARの活用やドローン、ロボットとの連携といった先端分野の開発も見据える。

岐阜から全国の顧客に向けて“日本一、お客様を喜ばせることができるIT企業”。そのビジョンを実現するために、自らの成長に貪欲に取り組める仲間をソフテル社は待っている。

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企業情報

会社名

株式会社ソフテル

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > インターネット/Webサービス・ASP

IT/Web・通信・インターネット系 > システムインテグレータ・ソフトハウス

IT/Web・通信・インターネット系 > ソフトウェア/パッケージベンダ

企業の特徴
自社サービス製品あり、残業少なめ
資本金

2,450万円

設立年月

2001年08月

代表者氏名

代表取締役 北川 輝信

事業内容

■Webコンサルティング
■Webシステム開発
■ASP・パッケージ販売
■レンタルサーバ
 ISO27001認証取得(ISMS)

株式公開(証券取引所)

非上場

主要株主

株式会社コマースOneホールディングス ※2020年6月マザーズ上場

従業員数

58人

平均年齢

35歳

本社住所

岐阜県岐阜市鏡島精華1-3-17 岐陽第一ビル

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