ティフォン株式会社

ティフォン株式会社（TYFFON Inc.）は、先端技術を駆使したXR（VR/AR/MR ※Mixed Reality）にフォーカスし新しいエンタテインメントの創出を目指す会社。2011年11月、東京・江東区にて事業をスタート（現在、本社は東京・品川区）。技術力とコンテンツ力を活かし、テクノロジーとアートの融合による”体験”を提供。スマートフォン向けARアプリ、VRアトラクション、MRグラスを使ったコンテンツの開発など強みとし、つくり上げていきたい世界観に向かって、活用する技術を変えていけることに特徴がある。

創業者でCEOの深澤研は、5歳の頃に体験した有名テーマパークのアトラクションに大きな影響を受け、その後は「テーマパークをつくりたい」という夢を抱き、海外の映画祭で自作の3DCGアニメーションを上映するなどアート方面で活動。大学では情報科学の1領域としてフェイシャル・アニメーションに携わり、ティフォンの創業前後はモーションポートレート（顔写真から表情が動くアニメーションをつくる技術）についての研究を行っている。

2014年、深澤はウォルト・ディズニー・カンパニーによるスタートアップ支援プログラム「ディズニー・アクセラレーター」の第1期生に選ばれ渡米。その同社からシード投資を受けた。同プログラムには世界の1000以上の企業からの応募があり、選出されたのは11社のみで、その後も名だたる大企業・ファンドからの資金調達を実現している。

深澤の起業のビジョンは、テクノロジーとアートの融合する領域で、「魔法のようなテーマパーク」をつくりだすことだった。企業ビジョンとして「記憶に残る体験を」を掲げ、ファンタジーとホラーが融合した独特な世界観を持つティフォン。かつて開発したスマートフォンアプリ『Zombie Booth』は、全世界で累計4000万ダウンロードを記録した。また2017年にお台場にオープンした『TIFFONIUM（ティフォ二ウム）』では、さまざまなVRアトラクション提供。現在は先端技術を駆使したXR（VR/AR/MR）にフォーカスした新しいエンタテインメントの創出するとともに、VRアトラクションの制作のみならずロケーションベースのMRコンテンツ制作にもチャレンジしている。

『TYFFONIUM』は“没入体験型”のエンターテインメント施設で、VR/ARの先端テクノロジーを用いることで、「圧倒的没入感」を実現している。2023年2月時点でのアトラクションは6種類で、最大4人で廃墟となった洋館を探索する次世代ホラーアトラクション『Corridor』や最大5人で幽霊船に乗り異世界を旅する次世代ファンタジーアトラクション『Fluctus』といったオリジナルアトラクションがある。どちらも『TYFFONIUM』の元となる事業で、長い年月をかけて深澤氏が力を注ぎ込んできたタイトルだ。他にも静岡県の沼津港にある体感型VRアトラクション『VR深海アドベンチャー ディープクルーズ』の企画・制作を行ったり、レッドキング、バルタン星人、ピグモンなど幅広い世代に人気を集める円谷怪獣たちに出会える『かいじゅうのすみかVR』など人気IPとコラボしたりと、幅広いシーンで注目を集めている。

日本国内にXRテーマパークはまだ数が少ない。それがティフォンの強みの一つとなっている。2017年10月に東京・お台場に『TYFFONIUM』の第1号施設がオープン。ウォークスルーホラー型アトラクションの『Corridor』は、現実では体感し得ないお化け屋敷のような非日常空間を自分の足で歩き回って楽しめると大きな話題を呼んだ。その後も円谷怪獣のファンでなくとも360度リアル怪獣体験に驚く『かいじゅうのすみかVR』や、スティーブンキング原作の映画・ITの世界に迷い込む絶望アトラクション『IT／イット カーニバル』といった話題作を次々とリリース。今後も出店ペースを上げていくほか、既存コンテンツのアップデートにも取り組んでいく計画がある。

次世代テクノロジーXRは国内外から注目を集めるが、ティフォンの場合、事業の将来性が見込まれ、株式会社TBSホールディングス、サントリーホールディングス株式会社、株式会社MIXI、セガサミーホールディングス株式会社など名だたるファンドや企業から総額約18億円以上の出資を受けている（2023年3月現在）。
メディアの注目度も高く、ABCニュースやLA Times、Mashable、NHKなどに取り上げられるほか、日経クロストレンドでは国内スタートアップを対象にした「未来の市場をつくる100社」に選出された。

2023年3月時点の従業員数は約30名（契約社員、アルバイトを含む）で、スタートアップベンチャー企業ではあるものの、少し落ち着いた雰囲気がある当社。ほとんどの社員が中途入社で、前職での業界はさまざま。そのため独特の文化というものはなく、各自が独立してプロフェッショナル意識を強く持ちながら、のびのびとメリハリをつけて働いている。

深澤によると、「クリエイティブをこよなく愛する人が多く、かなり自由な風土の会社」だという。ティフォンでは、スタッフ全員がとにかく良い「体験」を届けるための「世界観」をつくることに集中している。好きなものを自由につくっていくことに喜びを感じ、新しい技術やプロダクトをどん欲に取り込んでいく。一方で、XR（VR/AR/MR）は技術進化の速度がすさまじいため、それらをいち早くキャッチアップしながら、ある1つの分野を深く掘り下げていくことが可能だ。組織はまだまだ少人数ということもあり、個人には大きな権限が与えられている。さまざまな技術やスキルを蓄積し、成長できる環境だ。

ティフォンでは、飲み会ではなく、月1回「スイーツデー」という社内イベントが行われる。社名には『Chiffon（シフォン）』ケーキの意味が込められているほど代表がスイーツ好き。また、もう一つの由来はギリシャ神話最大最強の怪物、怪物たちの父と言われる『Typhon（ティフォン）』でTyffon = Typhon ＋ Chiffon (cake)だ。深澤は「怪物とスイーツといった巨大で恐ろしいものと小さくてかわいいものという対象的な概念を止揚するような存在を意識しています」と説明する。

今回の採用で求められている人物像は、会社の成長と自身の成長をリンクして考えられる人や、人々に何らかの気づきや感動を与えられる世界観をつくり上げたい人だ。それぞれの意見やアイディアを重んじる風土のため、ありとあらゆる方向から言葉が飛んでくる。だからこそ、今までない何かをつくり上げたいという、強い意志を持つ人材がフィットする。

働く環境としては、完全裁量労働制・在宅勤務制度を採用。各々を一人前のクリエイターとしてみなし、自身の働きやすいタイミング、環境で自由に仕事をすることが可能だ。コミュニケーションは主にSlackやGoogle Meetなどのオンラインツールを使用。必要に応じてオフィスのミーティングスペースで打ち合わせを行うなど、フレキシブルにクリエイティブ活動を推進している。“自由”ではあるがその意味を履き違えることなく、それぞれが独立してクリエイティブに打ち込んでいくことができる。