株式会社モバイル・プランニング | インタビュー

代表取締役古賀広幸 1964年福岡県生。九州大学教育学部を1987年に卒業後、第二電電（現KDDI）に入社。 2004年ＫＤＤＩネットワークソリューション営業1部長 2007年にKDDI WIMAX準備室、UQコミュニケーションズに出向、新時代のビジネスを着想した。 2009年にモバイル・プランニング設立。2013年、バディネット取締役就任。 2015年、AKIBAホールディングス取締役就任し、WIFIルータのレンタル「NETAGE」を開始した。2017年、AKIBAホールディングス取締役を退任して現職に至る。

どのように事業を着想して、モバイル・プランニングを起業したのでしょうか。

私はKDDIからUQコミュニケーションズ株式会社に出向していました。UQコミュニケーションズは、MVNOを展開する前提で立ち上げた会社です。このときに、MVNO、現在の格安SIMにつながる事業の立ち上げに取り組みました。コンサルティングとしてではなく、実際にMVNO事業の立ち上げを経験したのは大きかったと思います。これからは大手通信キャリア3社で通信を分け合っている時代ではないと感じました。いろいろな企業が参入できるし、MVNO新規立上げ、運営のお手伝いをしたいという気持ちが芽生え、ビジネスのチャンスを見い出しました。心情的には、私はKDDIが第二電電だった時代に入社していて、通信の自由化に伴う革新的ベンチャーに入社した気持ちが強く、KDDIが巨大企業に成長し、自分のポジションが上がるにつれて、ある意味モチベーションが下がっていたんですね。そこで2009年に、新たな可能性を感じていたこともあって、茅場町で知り合いの会社の一区画を借りて、1人でモバイル・プランニングを立ち上げました。

MVNOサービスのコンサルティングからスタートして、事業を拡大した経緯を教えてください。

当社はスタート直後から運にも恵まれていました。KDDIという看板が無くなっても協力して頂けるいくつかのパートナー様に恵まれ、多く仲間達に助けられ、アドバイスや支援のもと、通信キャリアから好条件で回線を卸して頂き、パートナー協力会社が販売しやすい環境を整えられたので、コンサルティング事業で利益を上げることができました。とはいえ、起業当時は今のように「格安SIM」は浸透しておらず、「異業種が参入できるよ」といっても信用してくれない人の方が多かった時代でした。手応えが変わったのは、日本通信が格安SIMで話題になってからです。総務省の後押しも大きかったと思います。通信キャリアと交渉し条件を引き出し、回線を卸し、サービスを構築し、独自の付加価値を加えて販売、サービス提供、サポートまで纏めることができる人が少ないこともあって、引き合いは増えましたね。その後、いろいろやっている間に工事に関係する依頼も増えたので、通信に関わるあらゆる設定・設置を手がける株式会社バディネットも設立しました。2015年にAKIBAホールディングスにジョインした後、WiFiレンタルをやった方が良いと考えていたタイミングで「NETAGE」買収の話が来て、すぐに決断して、現在の体制ができあがりました。

モバイル・プランニングが目指している姿を教えてください。

通信の世界は大手キャリアが牛耳っている、もうけ過ぎとまで言われていますが、大手キャリアでもサービスの手が届かない領域は実は広いです。こういう構造は私がキャリアにいた頃から悩みでもありました。通信サービスはどんどん大きくなっていくので、必ず、手が行き届かない領域ができます。これから5Gになって、IoTだ、AIだと通信の世界が大きくなると、裾野がますます広がり、使えなくて困る人も増えていきます。それを助けてあげたいという気持ちが大きく、通信社会を下支えしていきたいと考えています。通信業界で育ってきたので、恩返しという意味を込めて貢献していくのが私の役目かなと感じています。個人的にはレンタルも同じです。買ってしまうと、使っても使わなくてもお金がかかります。しかも契約によっては数年間縛られます。使いたいときに借りられるようにしておくのがあるべき姿かなと感じています。いろいろなビジネスで“シェアリングエコノミー”と言われていますが、WiFiレンタルもその一種と考えられるのではないでしょうか。必要なときに欲しいものを提供するのがよいと思っています。そう考えると提供したい商品、サービスは多く、ビジネスチャンスも広がっていくと考えてます。

どのような想いで仕事に取り組まれていますか？　社員に伝えたいことはありますか？

今は、自分が何かをやりたいというよりも、何とかして欲しい、こんなの無いの？という話がお蔭さまで多く、困っているなら何とか出来たら良いなという想いの方が強いです。当社の仕事は完全なソリューションビジネスだと考えています。問題を解決すれば、お客様も喜び、サービスの提供元も喜びます。「みんながハッピーなら、自分もハッピー」といった感じでしょうか。社員には、できるできないではなくて、真面目であることが一番重要だと話しています。頭の良い悪いではなく、真面目に真剣にやっていればいずれ課題は解決できると思っています。外に出て行って別のことをやるとしても、その人が幸せであるなら、それでいいと思います。その解決していく場所が当社ならなお嬉しいですね。自由な社風を考えるようになったのは、今までの経験からです。ベンチャーから大手になれば自由度は下がります。「思ったことをやれたらいいよね」という想いを込めて、当社を作りました。

好きな言葉、趣味を教えてください。最後に、求職者へのメッセージをお願いします。

私は第二電電で、稲盛和夫さんから直接薫陶を受けた最後の世代です。稲盛さんの「動機善なりや、私心なかりしか」ですね。どんなビジネスでも動機が悪く、私心があれば上手くいかないです。それだけは考えています。「やばい、私心だらけだ」と反省の毎日ですが…(苦笑) 最近の趣味はジョギング、散歩など外をふらふらすることと、一人旅です。なかなか時間が取れないんですが、どこかの街で飲むか、宿泊して足跡を残すとクリアというルールで47都道府県を3年ほどで制覇しました。各都道府県一都市というルールなので、まだまだ何周もできそうです。当社で働く魅力は、可能性が無限にあることです。自分の可能性をいくらでも試せると思います。当社にキャッチフレーズをつけるとしたら「会社という旅をしよう」です。共に歩む仲間を募集しているので、興味がある人はぜひ遊びに来て下さい。お待ちしております。