「すべてのゲームがオンライン(ネットワーク)化していく」と思われるようになったのは、どのような経緯からですか?
私はゲーム少年でした。子どもの頃は、ファミコンのある友達の家に遊びに行って、ゲームばかりして友達の母親に怒られるほど熱中していました。高校生になって、自分でアルバイトをするようになってからは自分のお金でゲームセンターに通って格闘ゲームをしていました。それ以外にも、プレイステーションやSEGAサターンも発売日に買うなど、ゲームに没頭する日々を過ごす中、「究極のゲームがある」とPCオンラインゲームのことを知りました。英語版の『Ultima Online』や『Diablo』をやり始めて、こんなすごいゲームがあるのかとびっくりしたのを鮮明に覚えています。当然ですが、ログインすると外人しかいないんです。その人たちと話をしながら冒険をして、海外旅行をしている気分すら味わえましたね。 当時まだ19歳でしたが、今後はすべてのゲームはネットワーク化していくと考えていました。
モノビットモリカトロンホールディングスのはじまりとなった、monoAIはどのように設立されたのでしょうか?
もともと「ゲームを作りたい」という想いはありましたが、MMORPGに出会ってからは、オンラインゲームを作りたいと考えるようになりました。ゲームが好きすぎて大学を1年で中退した後、プログラムの勉強は独学でしていたので、会社勤めをすこしだけ経験してからフリーランスのプログラマになりました。その後、京都のゲーム開発会社に就職してプレイステーション2用のゲームを開発していました。 ゲーム開発についてはスキルが身に付いてきたと感じていたのですが、自分が作りたかったオンラインゲームは作ることができませんでした。面白くて、感動できて、世の中の多くの人たちに衝撃を与えることができるゲームを、自分たちで企画して作れるような会社を作ろうと思って立ち上げたのがモノビットの前身となる会社でした。 当時、オンラインゲームはまだ主流ではありませんでしたが、自分としてはオンラインゲームが来るという想いで、サーバーの研究開発をずっと続け、技術力を蓄積していました。
事業の方向性として「技術」を指向することで得られたものとは?
当社は、私がプログラマ出身ということもありますが、創業以来、技術を深めていこうと取り組んでいます。 テクノロジーの変化・成長のスピードは非常に速いのは皆さんもお分かりだと思うのですが、それに追いつくだけではなく、さらに次の技術の研究をいち早く携わるようにしています。 ネットワークゲームは今は当たり前ですが、2013年という日本での草創期からモノビットエンジンを出して、いろいろなゲームで使っていただきました。2016年に『PS VR』が出たときには、モノビットエンジンにボイスチャット機能を付けて強化し、さまざまなVRソリューションの仕事をしました。同じ年に『モノビットVRカフェ』を秋葉原にオープンしましたが、利用者の2割が“プロ”で、新しい技術や可能性を見つけに来場していただけていたのには驚きました。これがのちにKDDIさんとの新たな仕事につながることになり、結果的に非常に大きな当社のプロモーションにもつながりました。
AIを使った品質管理事業に取り組まれているのはなぜでしょうか?
2017年になって、モリカトロンとアボカドをほぼ同時期に作りました。「AI」と「地方創生」をテーマにする会社です。正直、AIはそれまで難しい・敷居が高いというイメージを持っていましたが、ゲームAIのエキスパートを迎えることができ、最先端の研究開発や、ゲームAIのコンサルティングや開発を行っています。 また、クライアントのためのAIを作るだけではつまらないので、自分たちのオリジナルAIを作ることはできないか、しかも、どんなゲームでも使えるAIはないかと考えたときに、品質管理にたどり着いたのです。どんなゲームも絶対にデバッグしなければなりません。もちろん難易度はとても高いのですが、デバッグ用のAIを追求していくことで技術力をどんどん積み上げていくことができ、それが当社の資産になると考えました。そこで、AIのQA(品質管理)事業を立ち上げることにしました。 当社の技術を、いろいろな方に使っていただいて、世の中に面白いコンテンツができたらうれしいですね。
御社で働く魅力を教えてください。
当社は“創る”会社なので、いわば職人の集まりです。 職人はここで腕を磨き、会社側は、職人が腕を振るえる仕事や環境を作っていくことが大事だと考えています。 同時にチームワークを大事にし、自分のスキルを高めながら、チーム全員が高め合い楽しく仕事ができる“ギルド”のような会社を目指しています。 当社では、グループ内でゲームの全体を創っているので、さまざまなパートに関われる可能性があり、キャリアパスが描きやすいのも働くうえでの魅力です。 「ゲーム」を核にしながら、全方位的にいろいろな仕事をしていますので、業界の多くの人々とも交流でき、幅広く活躍できます。 “職人”仲間と切磋琢磨して仕事をしていきたいという方、お待ちしています!