取締役事業推進担当 花谷 慎太郎氏 京都大学で修士号を取得後、2001年、開発コンサルタントの日本工営に入社。海外のODA案件の計画立案や施工管理などに携わる。その後、戦略コンサルティングのIBM Business Consulting Services（現在は日本IBM株式会社と経営統合）に転じ、日本IBM内のビッグデータやアナリティクスのサービスを手がける部門の立ち上げに参画。ここで網野知博氏と出会い、2012年12月に株式会社ギックスを創業。

ご経歴とギックスに参画した経緯を教えてください。

大学院ではニュートラルネットワークなどを学んでいたのですが、就職は土木業界へ。最初はフィリピンに5年ほどいて、堤防やダムの建築を支援していました。ただ、土木の仕事は、政府が作ると決めて、実際に建設するまでのプロセスのうち、いちばん最後の「作る」ことに関わることしかできないんですね。それでもう少し上流のビジネスをしたいと考えて、IBM系の戦略コンサルティングファームに転職しました。ここで網野（ギックスCEO）に出会いました。 社内にアナリティクスの部署ができ、そこに網野がやって来て、私が助っ人で入った形です。網野とは気が合って、結局今に至るまで、もう10年弱一緒にやっています。最初は二人ともIBMで頑張っていたのですが、IBMではどうしてもインフラ系というか、IBMのプロダクトにつなげていかなければいけない部分があり、次第に、クラウドの技術を使えば、もっと別な形で価値提供できるのではと思うようになりました。それを実現するために立ち上げたのが、ギックスです。 網野は発想がおもしろく、僕は形にするのが得意。僕だけでは発想しきれないことを、彼が発想し、逆に彼が実装しきれないところを、僕が形にするという役割で来ました。起業後はテクノロジーの進化にも助けられ、今までずっとおもろいことをしては、お客様に「おっ！」と驚いてもらいながら、価値を提供して来ました。

お客様への価値提供の仕方は、創業時と今とでは変わってきていますか。

そうですね。お客様が使いきれていないデータを、僕らの力でビジネスに役立てるようにするという基本方針は変わりませんが、創業当時はデータを見える化し、その先は人間が考え、活用してきました。今は機械学習の技術が進み、それによって完全に業務のあり方を変えていけるのではないかと考えています。 具体的には、従来は人間が考え、導き出していた最適解を、ある程度、機械でできるようになってきた。機械でできるメリットは、人間では対応しきれない量をこなせるということです。労働集約型の作業などは、本当に機械で置き換えられるようになっています。この1年～2年で特に、「機械でここまでできるのか」という感触を感じるようになっているので、機械に任せたほうがいい領域は、確実に増えている実感があります。 実際にそのようなことを提案すると、お客様の反応はいいですね。僕らの仕事は、お客様にサプライズを提示できないと続きません。「こんなことができるの？」という問いに対する答えの積み重ねで、そこで価値を出せているから、仕事が継続的にあるのだと思います。 お客様との関係は、一緒におもしろいことをするパートナー。「おもろいやん！」、「じゃあ、やりましょう！」と広がっていくクライアントさんが多いですね。まず『データ活用診断サービス』でおもしろいことが見え、それを『データ基盤構築サービス』で実際の業務に落とし、「ほんまに使えるね」、「じゃあ他のこともやろうか」、「もっとビジネスとして広げていこうか」と発展していきます。出発点は、やはりいかに「おもしろい」と思ってもらえるか。それが僕らの価値提供じゃないかな。 もちろん、創業以来、お客様への価値提供を目指してきたというベースは変わりません。ただ、テクノロジーの進化に合わせて、サービスの形はどんどん変わっていきます。最新のテクノロジーが必要なので、その辺りに精通している人にジョインしてほしいですね。

今、新たにメンバーを募集する背景などを教えてください

今まで僕らの採用は、第2新卒クラスのポテンシャルある人が中心でした。理系で「俺、今の職場でヒットしてないわ」という人（笑）。このような人にジョインしてもらい、育てるノウハウがありました。 現在、ギックスは、データ分析・診断の先にある、お客様に仕組みを導入していくデータ基盤構築サービスを強化していこうとしています。今まで、構築はパートナー企業さんの力も借りていたのですが、今後は、その部分をやりたいという即戦力の人と一緒に、ビジネスを強くしていきたいと思っています。そのためには技術を追いかけるテックリードの役割の人や、その下のポジションになる、これから最新技術の習得にチャレンジしたい層も厚くしたいです。それにより当社の総合力が増し、今まで培ってきた分析、診断のノウハウを、着実に基盤構築へとつなげていくことができれば、お客様にはさらなる価値提供ができ、事業を大きく広げていけると考えています。 そのような背景があり、エンジニアの力をもっと借りたいのです。新しいことにチャレンジする仕事が多いので、新しい技術が好きで、勉強するのが好きで、でも実装の機会がない…という人に、当社はベストだと思います。構築したいものが次々と出てきて、やれることはとても多いです。

実際、どのような人に来てほしいですか。

言葉は悪いですが、今の職場で腐っている人なら、来たらおもしろいと思いますよ（笑）。「俺、このままでいいのかな」と思っている人、多いと思うんですよね。僕もそうだった。大企業はおもしろいですけど、枠や型があるじゃないですか。ウチならより自由に、やりたいことを真っ直ぐに目指せるし、とにかく機動力がある。明確にやりたいことがあり、スキルを付けたい人には、早道だと思います。踏み出すなら早いほうがいいです。 そもそも創業時、僕らは、とにかくおもろくて、お客様が喜ぶことをやりたいという真っ直ぐな思いで立ち上げました。もっといい技術があり、もっとお客様にクイックに安く役に立てるはず…という思いが出発点なので、今もそういう価値基準・規範に基づいて動いています。思いに真っ直ぐに、おもしろいことをガンガンやれる。それが、小さな組織ならではの価値だと思います。 「俺、もっと実力あるんちゃうか」とか、「機会がもらえてない」とか、「せっかく勉強していることを使う機会がほしい」とか、そう思っている人に、機会はいくらでもある会社です。そのようなチャンスがないと、仕事に向かえませんよね。逆に言うとチャレンジングなことばかりなので、それが好きではない人にはキツいかもしれません。 ウチの会社でキツいことと言えば、まずスピードが速いこと。何しろデータ診断のサービスは、他の会社が2年かかるところを3カ月でやる。感覚としては、スピード感は、大企業と比べると3倍くらいは違うのではないでしょうか。案件は少人数で取り組むので、一人一人に求められる責任も大きいです。その分、力を発揮できる領域が大きく、歯車感は皆無でしょう。 これから仲間になってもらうなら、「俺が、おもろい化学反応を起こしたる！」くらいに思っている人が最高ですね。「俺の技術でギックスがもっと良くなるぜ」と自負する人に転職してきてもらえると嬉しいです。

最後に改めてお聞きしますが、お仕事は楽しいですか。

楽しいですね。この間、娘にも「お父さん、仕事って楽しいの？」と聞かれたので、「楽しいよ」と言いました。何ででしょうね。自分らで起業したので、大変だけど、やればやるほどいろいろなことが起こり、それらがすべて血となり肉となり、広がっていくからでしょうか。リスクを背負っている分、失敗したら一文無しで、またゼロからのスタートになりますが、今までは周りに恵まれて、僕らは本当にラッキーでした。あれこれ経験してきた中で、大変さや困難さを乗り越えることも含めた「プロセス」そのものを楽しめるようになったからでしょうね。 部分部分では、お客様に「おっ！」と思われる、ヒットした瞬間が楽しいですし、若い子たちが成長した姿を見るのも本当に嬉しいです。「ああ、クライアントの前でこんなことが言えるようになったのか」とか、「このスピードでこれほどの分析ができるんだ」とか、「こんな技術を使うのか！」などと感じる瞬間は、ほんまに嬉しいですよね。すごいやん！って思います。クライアントもいる場で「すごいなっ！」と口走ってしまうこともあります。（笑） 仕事は人生の大部分を占めますから、楽しい方がいいですよね。んー。昔より、今の方が、仕事を好きになっているかな。それは、自分の意思でやっているってのもあるのかな。そうかもしれないですね。ただ、ギックスはまだまだ、できあがっていません。これからも新しくておもしろくて、お客様のために役立つことをどんどんやっていきます。そういう意味では、今後ジョインしていただく皆さんにも、ギックスの仕事に”自分の意思”を反映させる余地がたくさんあると思います。 新しいことに取り組んでいくこと、新しい価値を生み出していくこと。そういうことに興味がある人が仲間に加わってくれると、僕自身も会社全体も、ますます楽しくなるのではないかと思います。