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サスメド株式会社

  • IT/Web・通信・インターネット系
  • 製造・メーカー系

医者が睡眠薬ではなく、アプリを処方する。前例がない、アプリの医療機器化に立ち向かうTechベンチャー

上場
自社サービス製品あり
残業少なめ
カジュアル面談歓迎

企業について

布団に入っても寝付けない日々が続き、日中のパフォーマンスが著しく低下。やがて仕事も生活も負のサイクルに陥っていく―。そんな悩ましい経験をした人もいるのではないだろうか?日本人5人中1人が悩まされているといわれる睡眠障害。世界的にみても、先進5ヶ国中でGDPに占める睡眠障害を起因とする経済損失は日本が一番大きく、損失金額の試算は年間3.5兆円に及ぶという。

サスメドは、医療機器としての不眠症治療用アプリの研究開発および実用化を試みようとしているスタートアップ企業だ。同社の代表取締役を務める上野太郎氏は、睡眠医療を専門とする医師であり、長らく病院で患者の診療にあたってきた。同時に、睡眠の基礎研究を行ってきた人物である。

「近年、睡眠障害は働き方改革の文脈で取り上げられることが増えてきました。睡眠障害を適切にケア・治療することは、イコール生産性向上につながるという考え方です。一方、医療現場では睡眠薬を使いすぎているという問題があります。実は睡眠薬は対処療法に過ぎず、依存症、うつ病を発症するリスクがあるとして、厚生労働省も“適正使用にとどめて減らすべきだ”という流れになりつつあるのです。そうした行政サイドの流れに対し、臨床現場ではたくさんの患者を診る中で、睡眠薬の処方は、今もなお簡易的な診療法として浸透しています」(上野氏)。

睡眠障害の理想的な療法の一つとして、認知行動療法がある。簡単に説明すると、思考や行動の癖を把握し、認知・行動パターンを整えることで症状の改善を図る療法であり、欧米ではすでに普及が進んでいる。

「日本でも認知行動療法での診察を求める声は非常に多く、認知行動療法を受けられる病院では待合室にたくさんの患者が順番を待っています。
しかし、医者が数十分かけて対面で1人診る認知行動療法は、非常に労力のかかる療法であり、大きな負担がかかる。有効性を理解しながらも、なかなか実行に移せない現場事情があるのです。そこで日本で認知行動療法を広めていくには、認知行動療法のプロセスをアルゴリズム化しらたよいのではないか?また、誰もがスマートフォンを操作する世の中を迎えている中で、アプリケーションを使った治療が有効ではないかと考えました」(上野氏)。

同社が設立時に掲げたビジョンは、ICTの活用による“Sustainable Medicine=持続可能な医療”だ。上野氏は日本の医療制度について、素晴らしいものでありながらも、その持続性の限界に警笛を鳴らしている。医療を持続可能にするためには、年々増加する医療費の削減と効率化が欠かせない。アプリケーションを使った治療をはじめ、ブロックチェーンを活用したデータの信頼性向上や、医療データの利活用による効率化など、ITの力で持続可能な医療を実現すべく、同社は設立されたのである。

2015年に設立以降、同社は3軸のプロダクト『不眠症治療用アプリ(yawn)』『AI自動分析システム』『臨床開発支援システム』によりデジタル医療にアプローチしている。

『不眠症治療用アプリ(yawn)』は、認知行動療法にもとづいて不眠症を治療するプロダクトだ。患者は空き時間を使って、毎日の寝つきの時間、行動パターン、考え事などをスマートフォンアプリで入力する。これらデータを独自のアルゴリズムで解析し、自動で患者一人ひとりに適した対処法を通知、不眠症の改善を図る仕組みだ。当アプリは医療機器のカテゴリに属していることから、実用化するには厚生労働省の認可が必要になる。現在は臨床試験の段階にあり、同社の医師・エンジニア・デザイナーのチームによる研究開発を進行中。近い将来には医療機器としての認可を取得し、医師が患者に処方できるようにする構想だ。

『AI自動分析システム』は、収集したデータをAIで分析し、健診の受診率、診断や病状の予後といった患者の将来予測やマーケティングの予測などをサポートするシステムだ。一般的に高度なデータ分析はデータサイエンティストが担うケースが多いが、データサイエンティストの採用・人件費は非常に膨らむ。複雑なデータの解析を瞬時に行うことで医療コストを削減することが狙いであり、現在医療機関や金融機関を中心に約10社に導入されている。高精度な予測モデルを簡単に生成し、パワーポイントでダウンロードができるというシンプルさが受け、医療業界以外からの引き合いも多くあるそうだ。

『臨床開発支援システム』は、収集したデータを医薬品開発に活かすシステムだ。新しい医薬品を開発する際には膨大な治験データを必要とする。現在、治験業務の大部分はCRO(医薬品開発受託機関)に委託されており、CROのモニターが全国の病院に出向き臨床データを確認する、被験者はわざわざ遠くの病院に出向くなど、労働集約的になっているという。これをデータの信頼性を担保するブロックチェーンや機械学習などを活用したシステムで効率化し、新薬開発費・医療費の削減につなげるのである。また、システム基盤を使って新しいアプリを生み出せる二次効果もあり、国立がんセンターと連携してがん患者向けのアプリケーションも共同開発中という。

同社が目指すのは、医療×ITを駆使したデジタル医療プラットフォームの構築だ。現状、ITはあくまで補助の役割に留まり、治療・新薬開発といった“医療のど真ん中”にはまだアプローチできていないという。そういった意味で、同社の事業は非常に先進的であり、今後大きな可能性を秘めていると言える。

医療×ITに携わることは、エンジニアにとってどのような醍醐味があるのか。同社のCTO(技術最高責任者)を務める本橋智光氏は、まず社会的な意義を挙げている。
「課題先進国と言われている日本で、社会的課題に真正面から向き合えるのが魅力ではないでしょうか。ITは全体的に、IT先進国のアメリカが発信したものに日本が追従する流れにありますが、こと社会課題に関しては日本の方がむしろ大きくクローズアップされていますので、社会的課題の先端で仕事ができる面白さもあるかと思います」(本橋氏)。

さらに本橋氏は、エンジニアとしてプロダクト開発の腕を磨ける魅力があるとも付け加える。
「人の命に関わる医療のプロダクト開発は、とにかく“基準が厳しい”のひと言です。例えばアジャイル開発のように、とりあえずプログラムを完成させ、何かがあれば改修すればいいみたいな考え方がまったく通用しません。ですから、要件定義をはじめ、将来の拡張性を含めてきちんとクオリティの高いプロダクトをつくりたい方にとっては、学びが多い環境ではないでしょうか」(本橋氏)。

エンジニアにとっては、最新のアーキテクチャを使う開発環境や、しっかりとした要件定義・プログラムができる環境があるという。また、サイエンスを大事にしているのが同社の特徴の一つだ。技術の本質を見定め、インパクトファクターの高い学会や雑誌で論文を発表したり、特許を取得したりするなどの取り組みを積極的に行っているとのこと。研究開発から実装までできることも、サイエンス志向あふれるタイプのエンジニアにとっての魅力だ。

同社の思考はいたって機能的である。エンジニアが開発に注力できるよう、システムの運用基盤はパブリッククラウドサービスを使用、サーバレスの構成で全てコードビルドしている。勿論、運用の自動化や自動生成の仕組みも構築済みだ。コーディングに集中したい時は、週に2・3日のリモート勤務を自身の裁量内で行っている。会議も、議題を絞り込み、かつ参加者すべてが準備万端でのぞむため、長くても10分はかからないという。少数精鋭である同社の基本的なモットーは、自動化&クリーンコードだ。

「当社のビジョンに共感してくれるエンジニアに、成長できる場や機会をどんどん提供していきたい」と本橋氏。同社は一過性のトレンドにそったSaaSをつくるスタートアップ企業とは確実に一線を画している。医療問題という社会課題にアプローチし、行政や医療機関と密に連携しながら、次世代の社会インフラになりえる仕組みを世の中に届けようとしているのである。地に足をつけ、持続的なプロダクト開発がしたいエンジニアに、ぜひお勧めしたい会社だと言える。

募集している求人

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企業情報

会社名

サスメド株式会社

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > インターネット/Webサービス・ASP

製造・メーカー系 > 医薬品・医療機器

企業の特徴
カジュアル面談歓迎、上場、自社サービス製品あり、残業少なめ
設立年月

2015年07月

代表者氏名

代表取締役 上野 太郎

事業内容

「ICTの活用で持続可能な医療」を理念として、医療におけるデジタル技術の活用を通じて、未来の医療を創造します。

睡眠医療を専門とする医師で、専門外来治療を進めながら睡眠医学・睡眠医療分野での研究を続けてきた代表取締役の上野太郎が会社を設立。モバイル端末やIoTといった先端技術を医療に応用し、これによって得られた医療データのブロックチェーンでの管理や機械学習による分析まで、一気通貫でデジタル技術を活用。製品・臨床開発から医療現場まで、幅広く医療の最適化を支援します。

【3軸のプロダクト】
■『不眠症治療用アプリ(yawn)』
空き時間を使って、毎日の寝つきの時間、行動パターン、考え事などをスマートフォンアプリで入力。データを独自のアルゴリズムで解析し、自動で患者一人ひとりに適した対処法を通知、不眠症の改善を図るサービス

■『AI自動分析システム』
アプリで収集したデータをAIで分析し、患者の将来予測やマーケティングの予測などをサポートするシステム

■『臨床開発支援システム』
収集したデータを医薬品開発に活かすシステム

株式公開(証券取引所)

東証グロース

主要株主

Beyond Next Ventures、SBIインベストメント、第一生命保険、エムスリー、Sony Innovation Fund、東京センチュリー

従業員数

38人

平均年齢

38.7歳

本社住所

東京都中央区日本橋本町3-7-2 MFPR日本橋本町ビル 10階

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