ご卒業からのご経歴を教えてください。
大学では経営学部で学びました。卒業後は建築系の会社に就職するつもりで内定ももらっていましたが、3月10日ぐらいに「潰れるかも」と内定先から突然の電話が。時代はバブルの後期。国が土地の過激な高騰を抑制するため、建設会社への融資を制限する政策を取り、その会社も打撃を受けてしまったのです。そこで、慌てて別の企業を探し、何とか入社したのがIT系企業でした。当時はパソコンを触ったこともなく、全くのゼロからのスタートでしたね。 その会社に10年ほど勤めた頃、ITバブルが到来しました。同じプロジェクトだった別の会社の社長から「新規事業を立ち上げ、来年上場も目指している」と誘われ、キャリアアップを目指して転職しました。しかし、事業は大失敗。僅か1年で会社自体も倒産の危機に。 そこで、同じ現場の他会社の人に、「入れてくれない?」と頼んで再び転職。それが、当社の前身となる株式会社インテルメッゾでした。
なぜ、起業しようと思われたのですか?
インテルメッゾは、社員が35名程の会社で、18~19年程勤めました。当時、代表も63歳になり、引退の意向を表明。世代交代の時期に入っていました。同社は、お客様毎にエンジニアのチームが分かれており、それぞれ独立採算のように取り組んでいたため、事業分割という方向で話がまとまっていきました。 実は、「社長も高齢になり、いつまでこの会社にいられるかわからないな」と、転職を考えている時期でした。フリーのエンジニアになる道も模索していました。そのタイミングで社長を任せてもらえるということだったので、「よし、やろう!」と思い立ったのです。 一番嬉しかったのは、社員が13人も付いて来てくれたことです。わりと自分勝手にやってきたタイプでしたが、これからは「思いやり」を持って、この13人を絶対何とかしなければならないと誓いました。社名に「思いやり」という意味を込めたのは、そんな自戒の念もありました。
仕事で大切にしていることは何ですか?
ありふれていますが、「お客様が第一」です。ただ、若い頃は「何、お客様第一って?」と斜に構えていましたね。でも、ある時「じゃあ、あなたにお金を出しているのは誰?」と問われる機会がありました。お客様が儲けないと、自分達にもお金が入らない。だからお客様第一なのだと、ぐっと胸を掴まれたように実感したのです。 あとは、目先の仕事で起こる、良いことを想像することです。システムの仕事は、成果が分かりづらいものです。例えば以前、製品開発のお客様から、部品の検索スピードをコンマ秒単位で縮めたいという要望があり、何の意味があるのかと感じたことがあります。しかし、「毎日数秒ずつ遅れ、製品リリースが1時間遅れたら、私達は負ける」と言われ、ぐさっと心に刺さりました。だから、メンバーにも自分の仕事で誰かが喜ぶと信じてほしい。それは、「楽しんで、真剣勝負」という仕事のスタンスにも繋がっています。
御社のお仕事のやりがいや魅力は?
当社が扱っているのは、他のIT企業のプロジェクトをお手伝いする案件ではなく、直接お客様からご依頼をいただいているプライム案件です。そのため、お客様の声が聞こえやすい立場にあります。 システムの仕事は、成果が見えにくいと言いましたが、当社はお客様と直に接する機会が多いので、その考えや思いに触れて、自分が役立っていることを比較的実感しやすい環境にあると思います。 特に私達が関わっているシステムは、現場の技術者やバックオフィスの方が使うものがほとんど。お客様の日々の業務に欠かせないものになっています。だから、お客様と同じ目線で一緒に働いている感覚があります。 「クランタス」と自社の名前で呼んでもらえることも、期待されていると感じる瞬間です。それも、メンバーのモチベーションになっていると思います。
最後に、求職者の方にメッセージを。
当社は、社内イベントが沢山あります。そうやってみんなで一緒に集まることに、楽しさや面白さを感じてくれる方が、社風に合うと思います。 最もポピュラーなイベントは、不定期で金曜日に実施されるピザ会です。元々は社内で打ち合わせしていて、お腹が空いたのでピザでも取ろうか、ということから始まったもの。「これは楽しい!」ということで、メンバーから継続したいという要望が上がり、社内イベントとなりました。もちろん、参加は自由です。 このほか、BBQや、大阪のテーマパークへの社員旅行等もあります。クリスマス会、忘・新年会等、新たな企画もメンバーからどんどん提案が上がってきています。今後もイベントが目白押しになりそうです。 また、3人以上の有志が集まれば、サークルを発足でき、補助金を出しています。現在、イラスト同好会が活動中です。イベントに、サークルにと、新しいメンバーは、「楽しすぎる」ことを覚悟して臨んでください。