株式会社オプスイン

スタートアップ企業の新規プロジェクトに加え、大手企業のサービスに関するWebシステム開発を手掛ける株式会社オプスイン（OPS-in）。
2016年に設立した同社の大きな特徴は、全社員リモートワークというエンジニアの働き方にある。
同社の代表取締役・狸塚大樹氏はITコンサルタントとしてキャリアをスタートさせ、その後Web開発企業でエンジニアとしての業務を経験し、その後フリーランスとしてもさまざまな開発現場の業務に携わってきた。

「IT業界はまだ新しい業界ゆえ、必ずしも老舗が優位というわけではありませんので、自分が立ち上げる会社にも大きなチャンスがあると感じました。また、エンジニアの仕事を充実させる上で大きなファクターとなる“働く環境を変えたい“という思いがあったことも、起業の動機になっています。キャリアの中で、私は受託開発や客先常駐でのSESなど、いろいろな形でシステム開発に携わってきましたが、エンジニアとしてモチベーションが上がらないと感じることが多かったんです」（狸塚氏）

受託開発の場合、同じ技術・ツールを使って開発した自社システムの納品がプロジェクトのゴールとなることが多いため、新しい技術へのチャレンジというエンジニアとしての楽しみを感じる機会は少ない。
SESの場合は、クライアントからはエンジニアの業務時間に対して報酬が支払われるため、スピード感と品質を両立させた開発の実現に意欲を持ち続けることは難しい。

そうしたマイナス面を改善し、生み出した成果に応じて適切な評価を受けながら、充実した仕事を常に意識できる環境をエンジニアに提供したい。
その思いから、狸塚氏はリモートワークでの開発業務で価値を生むというコンセプトをもとに、同社を設立したということだ。

「IT業界は、テクノロジーの進化に合わせた新技術によるサービス開発など、新たなビジネスチャンスにあふれています。当社も多くの依頼をいただいていますが、一方で各企業はエンジニアの人材不足という課題にも直面しています。その課題は、エンジニアの働く環境を改善することで解決に導けるのではないかというのが私の考えです。たとえば、首都圏以外に在住する多数のエンジニアに活躍してもらう、また子育てや介護といった理由でキャリアを中断しているエンジニアに戻ってきてもらうために、働きやすい環境を用意する。その策のひとつが、リモートワークの導入なのです」（狸塚氏）

これまでの事業で、同社はスタートアップ企業のシステム開発支援のほか、大手企業による新規サービス立ち上げにともなうシステム開発を請け負ってきた。
代表的な事例としては、大手証券会社のポイントモールの構築や、立ち上げから上場会社へ買収されるまで継続支援した遠隔医療相談サービス開発プロジェクトが挙げられる。

また、人材サービス企業グループの海外法人に向けたグローバル人材獲得のための求人サイト制作、マッチングアプリやライブ動画配信アプリの開発など、ジャンルや業務領域を問わない多様なシステム開発プロジェクトも担当してきた。

狸塚氏は、同社の開発業務の特徴について次のように語ってくれた。

「これから入社される方にも、幅広い業界、多様な領域のプロジェクトに携わっていただきます。その業務の中で、新しい技術も積極的に取り入れていくことも可能です。直近の事例でも、iOS・Androidアプリの開発に『Flutter』を活用したものや、また一部サーバーサイドのシステム構築に『Firebase』を使ったものもあるなど、新たな技術へのチャレンジは常に行っています。エンジニアとしてみなさんが求めているものを認識し、社内のメンバーで話し合いながら柔軟に対応できるのも、当社の大きな特徴です」（狸塚氏）

狸塚氏によれば、同社の社名である「オプスイン」とは、オプション＝選択肢の複数形を意味する「オプス」と、インディペンデンス＝独立を略した「イン」という言葉を掛け合わせた造語であるという。
選択肢がさまざまある中から最適なものを選び、その選択によってエンジニアとして独立するという価値を提供できる。
そんなコンセプトがこの社名には表現されているのである。

「その選択肢の1つとなっているのが、リモートワークという働き方です。他にもリモートワークのエンジニアを抱えている企業は多数ありますが、正社員として成果に応じた報酬を得られる制度を持つ企業は少ないはず。この選択肢が、当社の社員がエンジニアとして、そして1人のビジネスパーソンとしての独立につながればいいと、私は考えています」（狸塚氏）

現在活躍しているメンバーは、愛知県在住で子育てをしている社員、福岡県在住の新婚の社員、山梨県在住の女性社員という具合に、首都圏以外でも生活しながら在宅で業務を遂行。
年に1度、全体ミーティングで顔を合わせる以外は、各週に行われるWeb会議でコミュニケーションをとっている。
この業務スタイルは、成果にコミットさえすれば自由度が高いメリットがあるが、それだけに向き不向きがあると狸塚氏は語る。

「何よりも、自分で自分を律することが求められると思います。当社のメンバーは、全員が結果や成果を重視し、自身で業務スケジュールや品質を管理することができています。とはいえ、リモートワークは選択肢の1つであり、必ずしもすべての仕事においてベストな選択ではないと、私は考えています。職種によって、あるいはキャリアの段階によっては、企業に籍を置いて他の社員とともに業務を行ったほうが効率の良い場合もあるはず。それを踏まえた上で、選択肢の中から多様性を歓迎する当社を選んだ方には、自由な働き方と企業の成長を実感する喜びを感じていただきたいですね」（狸塚氏）

社内の様子