リンクに入社するまでの経歴は?
技術者派遣で色々なプロジェクトの現場を経験しました。ですが経験を積むにつれて、プロジェクトの意志決定にも関わりたいという気持ちが強くなりました。ただこれまでの経験から、社内SE、SIerどちらの立場でも、全体最適な決定は難しいのでは、という思いがありました。 そんな中、リンクという会社に転職したのは、この会社が自社サービス運営に特化し、大胆な意思決定がされていることに魅力を感じたためです。 また、当時私が採用された部署が、技術者主導でサービスを立ち上げたことにも魅力を感じました。 私がリンクに入社したのはソーシャルゲームが流行ったころ。当時のリンクはレンタルサーバ事業に軸足を置いており、ソーシャルゲーム向けに、ioDrive という高速な 半導体ストレージを搭載したサーバを提供していました。当時は先進的な製品だった ioDrive を、他社に先駆けてハイパフォーマンスが必要な業者向けにいち早く提供しており、リンクという会社の意思決定のスピードと大胆さがあると思いました。
リンクに入ってからどんな仕事をしてきましたか?
最初に2年間はソーシャルゲーム向けの部署にいました。あるとき技術開発部のマネージャーから、新しいプロジェクトでVMwareの技術者を探しているので、携わってみないかという話をもらいました。前職のプロジェクトで VMware の経験があったことからプロジェクトの詳細を聞いてみました。 話しを聞いて「自分のためにこのプロジェクトに参加してみよう」という気持ちになりました。このプロジェクトが現在の PCI DSS Ready Cloud です。 PCI DSS 要件に準拠したシステムを構築するのはとても大変です。PCI DSS 要件とは、クレジットカードを取り扱うシステムの業界標準のインフラ要件です。要件の項目が 400 程度あります。要件によっては、別の要件と複雑に絡み合っており、要件をきちんと理解することは大変ですし、要件同士の関係性を理解しないまま構築するすることは非効率です。 私は前職で参加したプロジェクトで、「設計標準」というものを経験していました。これはシステムの設計がプロジェクト毎にゼロから個別設計せずに、全社標準のシステム設計を定義し、プロジェクト固有部分の開発に専念できるためのものです。 PCI DSS Ready Cloud プロジェクトは、業界標準の要件を満たすため仕組みをクラウドサービスとして提供することを目標としたプロジェクトでした。インフラ技術者として非常にチャレンジングに感じ、このプロジェクトに参加することになりました。
リンクで働くなかで感じるやりがいは?
PCI DSS は基準の為、具体的なシステムの構成や、パラメータはといった実装方法は様々です。基準をクリアするための技術的なチャレンジは、エンジニアにとってやりがいのある仕事でした。 PCI DSS Ready Cloud の利用者の多くが技術者です。PCI DSS 準拠を目指す技術者の課題を解決するサービスである為、多くの情報が集まり、それをベースに優れた設計を検討することは、技術者として面白さを感じると思います。「設計標準」に興味を持っていた私としては、その業界版を作れたことにとても素晴らしい経験だったと思います。技術者派遣でいろんなプロジェクトに参加していると「またここから組むのか」と思うことがしばしば。PCI DSS Ready Cloudのように、業界で統一の設計標準があれば、インフラエンジニアの仕事は効率化されるのではないでしょうか。
PCI DSS Ready Cloudの開発で苦労した点は?
PCI DSSの要件の「多さ」と「複雑さ」です。要件の数は 400 あり、基本の文章だけでも 300 ページ以上あります。また PCI DSS 要件は複雑な関連性があります。 サービスとして提供する以上、要件を満たすコンポーネントを増やすことは、価格にも影響する為、多くの要件をすべて満たせるようなコンポーネントが要求されました。要件の達成とコストを満たすコンポーネントの開発は、困難を伴いましたが技術者として、とてもやりがいのある仕事でした。 こういった経験を評価されて、今年度から新サービス開発の部署のマネージャーに就任します。PCI DSS Ready Cloud のお客様からの声をもとに、新しいサービスを作るのが今のミッションです。これまで当社はインフラの提供をメイン業務して成長してきましたが、今後は PCI DSS Ready Cloud を基盤に SaaS の分野で何かできないかと模索しています。PCI DSS Ready Cloud もサービス開始から7年が経過し、インフラ技術の進歩に合わせて、後継バージョンの開発も考えなければなりません。2017年に提供を開始したAWSバージョンが現在の売れ筋。次の主力となるサービスを開発したいですね。
求職者にメッセージをお願いします!
自分が参加したプロジェクトの経験から、インフラエンジニアで自社サービスの企画・検討に携われるところは少ないんじゃないかと思います。業務要件はアプリケーションエンジニアの世界の話だと思っているかもしれませんが、当社での仕事はインフラの業務要件があります。一般的なシステム開発では味わえない、特別なやりがいを感じられる仕事だと思います。 加えて、今のIT業界にセキュリティエンジニアが足りないと叫ばれていますが、PCI DSS はインフラのセキュリティに関する基準です。PCI DSS Ready Cloud の開発・運用やセキュリティプラットフォーム事業部の新しいサービスに携わることで、付加価値の高いインフラエンジニアになれます。セキュリティエンジニアと聞くとは、マルウェア解析といった仕事をイメージする人も多いかもしれませんが、ファイヤーウォールやネットワークの構築からセキュリティにアプローチすることもできます。インフラエンジニアにとって楽しい仕事が待っています!