株式会社ベスト・プラクティス

株式会社ベスト・プラクティスは、クラウド型顧客関係管理（CRM）・営業支援（SFA）ソリューション『Salesforce』の導入支援を主力事業として展開。セールスフォース・ドットコム社の認定コンサルティングパートナーであり、導入に向けたコンサルティングから実装、運用支援だけでなく、定着支援や改修まで一気通貫で対応する『Salesforce』のプロフェッショナル企業である。

2023年3月時点で約320社、680案件以上の実績を上げている同社が『Salesforce』の取り扱いを始めたのは、起業した2007年5月にまで遡る。現在、世界シェアNo.1を獲得し、日本でも高い認知度を誇っている同ソリューションが、日本ではほとんど知られていなかった頃の話だ。
「大手中古車販売会社のシステム部でSEをしている時、顧客側として『Salesforce』を知り、その手軽さに魅力を感じました。ベスト・プラクティスを起業する際、これからはシステムをスクラッチ開発する時代ではなくなっていく、特に資金的な余裕があまりない中小・中堅企業のビジネスを支援するには、『Salesforce』のようなITソリューションが必要になると考えたのです」

代表取締役・山本稚輝氏がこう語るように、同社の目線は常に「顧客企業のビジネス成功にいかに貢献するか」に向けられている。そのためのツールとして「『Salesforce』をどのように活用するべきか」を念頭にクライアントの支援を行っており、この点が同社の大きな強みになっているのだ。
「ビジネスモデルや業務内容、人材のスキルレベル等は企業毎に異なり、同じ状況は二つとしてありません。そのため、当然ながらCRMやSFAといったシステムも顧客企業のビジネスのあり方に適したオンリーワンのものが求められます。ある企業で成功したシステムが別の企業でも同様の効果を発揮するとは限らないのです。そこで当社では、顧客目線からビジネスのあり方を理解し、個社毎に最適化したシステムを提案、実現することにこだわっています」（山本氏）。

セールスフォース・ドットコム社が日本で販売している数多くのツールや機能、ライセンスのうち7割程をカバーし、『Salesforce』一体型のマーケティングオートメーションツール『AccountEngagement』については、専門チームを発足している。セールスフォース・ドットコム社によると、「『Salesforce』と『Pardot』の両方を扱えるパートナーは少ない」そうだ。こういったラインナップの幅を広げ、技術を深めていく積極的な姿勢や顧客ニーズに即したソリューションを提供できる柔軟性の高さが顧客企業だけでなく、セールスフォース・ドットコム社からの信頼も高めているのだろう。

株式会社ベスト・プラクティスは、セールスフォース・ジャパン社から直接案件を受託している。そのため、導入に際してエンドユーザーのフロントに立ち、ニーズの掘り起こしや要件定義といった上流工程からプロジェクトを動かしていくことになる。しかも、近年は案件を打診される機会がかなり増えており、人的リソースの拡充が課題になってきているほどだ。

その解決策の一つとして、自社でSalesforce技術者を育成する『BPアカデミー』という事業を2020年3月からスタートしている。これは、「未来のSalesforceエンジニア・コンサルタントを正社員として雇用し、大学のような丁寧なカリキュラムで育成する」学校だと山本氏は説明する。
「セールスフォース・ドットコム社が無償で提供しているeラーニングのコンテンツはありますが、それだけでプロのSalesforceエンジニアやコンサルタントになれるかというと、厳しいと言わざるを得ません。そこで、セールスフォース・ドットコム社が提供するTrailheadと当社独自のメニューを中心とした研修カリキュラムに加えて、経験を積んだエンジニアの下、『Salesforce』運用サポート業務等の実務経験を積む機会を設けることで、即戦力に近しい人材を育てていきます。卒業後は当社の社員として活躍することもできますし、自分の道へ進むことも可能です。将来的には、アカデミー卒業生を中心としたチームを組織して、リモートによって顧客企業の定着を支援する新事業を立ち上げる構想もあります」

また、App Exchange（セールスフォース・ドットコム社が提供するビジネスアプリケーションのマーケットプレイス）で提供するアプリの自社開発も拡充していく予定で、既に一つのアプリが承認待ちの状況にあるという。
「ありがたいことに、SI事業は全てに対応しきれないほどの依頼をいただいています。このコア事業を一層強化すると共に、『BPアカデミー』やアプリの自社開発といった新規事業も拡充していき、10年後には300名体制にまで企業規模を拡大していくことが目標の一つです」（山本氏）。

株式会社ベスト・プラクティスにも役職はあるが、肩書きに基づいた上下関係等はない。とてもフラットな関係性ができており、社員の自主性を尊重する風土も根付いている。こういった社風は代表を務める山本氏の考え方の影響が大きい。
「企業によっては、トップが決めた方向へ社員が向かうことを強制するようなところもあります。しかし、ベスト・プラクティスは違います。私は、自分がいつも正しい等とは思っていませんし、代表という役割を果たしているだけで自分が偉いとも思ってはいません。だから、『自分の考えに従え』という発想がないのです。会社という“場”は、そこに集まっている社員が持てる能力を100%発揮できれば儲かります。だから、社員の“やりたい”気持ちは尊重しますし、“場”のルールを壊さない限り、会社として制約を設けようとも思っていません。そのため、『言われたことをやるのが仕事』とか、『勉強するのはイヤ』等と考える人は、当社には向いていないかもしれません。“場”のルールを壊さないという前提はつきますが、『フリーハンドで働きたい人』、『能力を100%発揮できる環境で仕事をしたい人』に、是非来てもらいたいと思っています」

社員が持てる力を十分に発揮できるよう、社員一人ひとりを気にかけてくれるのも同社の社風だ。代表との面談は基本的に年2回だが、気になることがあれば代表から声をかけて面談の場を設けてくれるし、社員から相談を持ち掛けることもできる。新型コロナ対策でいち早くリモートワークを導入したり、子育て中の女性社員が働きやすいよう、時短勤務制度を導入したりする等、必要に応じて柔軟に対応してくれたりもする。
「人生は一度きりで時間は帰ってきません。そのため、自分に後悔のない仕事がしたいと思っている方は、一度当社に話を聞きに来ませんか。100%とはいいませんが、あなたの想いに応えられる環境があると自負しています。当社であれば、多様なプロジェクトを経験できますし、エンドユーザーのフロントに立つ経験を積むこともできます。エンジニアとしての成長という意味でも、魅力的な環境がありますよ」