株式会社YAZ

Webアプリケーション開発やスマートフォンアプリ開発、クラウド基盤構築を手がける株式会社YAZ(ヤジュ)。同社は2002年8月に創業し、以来15年以上にわたってシステム開発分野で着実に実績を重ねてきた。代表取締役 CEOの田中康之氏は1977年・新潟県長岡市生まれ。大学卒業後、大手シンクタンクでエンジニアとして活躍後、25歳の時に同社の前身となるYAZ Style Project.を立ち上げた。

「私は中学の頃からゆくゆくはリーダーシップを発揮できる仕事に就きたいと思っていました。大学では情報系を専攻したため、卒業後はエンジニアになりましたが、一方で起業を目指していました。しかし、大きい組織の中では、創業という自分のやりたいことを実現するのは考えていた以上にハードルが高いことを実感したのです。そこでエンジニアが自己実現を目指せる会社を自らの手で創ろうと考えて独立し、起業しました。企業理念の『輝く人材を輩出し、輝く社会を創造する』には、当社のエンジニア一人ひとりがやりたいことに挑戦して輝く人材となり、輝く社会を創り上げて欲しいという想いを込めています」。（田中氏）

同社の強みは、新型デバイスに対応するアプリから、クラウド上のサーバ構築までWebサービスを創る上での企画から開発・運用までワンストップで提供できることだ。特にスマートフォンアプリ開発の実績は豊富で、自社アプリをはじめ、東急、ベネッセコーポレーション、カルチャーコンビニエンスクラブなど大手企業を中心とする企業のコンシューマー系スマートフォンアプリを数多く手がけている。

「エンドユーザーから直に依頼いただく仕事が増えています。分野としては、ここ4～5年はスマートフォンとデバイスをつなげるIoTの分野の実績が伸びていますね。例えばウェアラブルデバイスをスマートフォンと連動させるアプリや、家電製品をスマートフォンでコントロールするアプリです。また、ここ2～3年で増えたのがQRコード決済関連アプリ。最近ではリアルタイムストリーミングのアプリ開発依頼が多くなっています。このように世の中のトレンドに応じ、最新技術を提供できるのも当社の強みです」。（田中氏）

ここ数年の売上高の推移を見ると、2018年3月期の4億5000万円から2019年3月期は5億2000万円、2020年3月期は6億3000万円と、前年比約120％のペースで成長中。2016年度から4年連続増収増益を続けており、経営基盤も安定している。

現在YAZでは約76名がエンジニアとして活躍している。その6割は自社オフィスでスマートフォンアプリなどの受託開発に携わっており、4割はクライアント先に常駐してシステム開発を行っている（ただし現在はコロナの影響で全体の7～8割がリモートワーク中）。プロジェクトは5～6名規模のものが多い。

同社でエンジニアとして活躍する魅力は、エンドユーザーに向き合って、上流工程から開発に取り組むチャンスが豊富なことだ。

「最近増えているのが、コストダウンのためにオフショアでアプリを開発しようとしたけれどうまく行かず、困って当社に依頼いただくケースです。多くの場合、エンドユーザーは、こんなアプリを創りたいのだけど、どんな技術を使って、どんな風に創っていけばいいのかがわからず困っておられます。そんなエンドユーザーに寄り添って、要件を伺うところから完成まで取り組むことができる面白さがあります」。（田中氏）

また、最先端技術に触れる機会が多く、エンジニアとして成長できるのも同社の大きな魅力の一つだ。社員が外部研修などで学んだ先端技術や時事トレンドについて、全メンバーにプレゼンテーションする「ライトニングトーク」をはじめ、最先端技術を学んだり、スキルを磨いたりする取り組みを数多く行っている。執行役員 CTOの佐々木努氏は次のように語る。

「特定のエンジニアだけがスキルを磨いても組織の成長にはつながりません。社員一人ひとりがメンバー全員に教えたり、紹介したりすることにより組織全体でスキルアップしたいと考えて始めたのが『ライトニングトーク』です。年間30本以上発表されており、年に1回行う全社技術イベント『YAZ I/O』ではライトニングトーク大会を行い、優秀者を表彰しています。また最近始めたのが、定期的に社員が集まってみんなで一緒に黙々と勉強する『もくもく会』です。VRや機械学習、ブロックチェーンなど、各自の業務では使わない技術を学び、スキルアップを図っています。さらに、社内だけに閉じていてもなかなか成長が難しいため、外部イベント参加支援制度を設け、ハッカソンなどへの参加を推奨しています」。

今後は引き続きコンシューマー系のスマートフォンアプリ開発に力を入れていくと共に、VRやIoTといった最先端分野にも積極的に取り組んでいく。そしてゆくゆくはグローバルサービスを生み出して展開していきたい考えだ。

現在、YAZは東京・渋谷に本社オフィスを構え、札幌オフィスと名古屋オフィスを展開している。本社オフィスは「渋谷駅」から徒歩9分（ヒカリエ出口からは徒歩4分）と、アクセスのいいロケーション。社員の平均年齢は約32歳で、20～30代の若手社員が中心となって活躍している。同社の企業カルチャーについて田中氏は次のように語る。

「新しいモノや技術が好きで、アクティブな人が多いですね。月に1回のペースで全社員が集まる全社ミーティングを開催しています。また、当社は健康経営優良法人に認定されていて、年に1回『全社運動会』を行っているほか、野球・フットサル・スノボ・トレッキング・カートなどのクラブ活動も活発です。私たち経営層と社員との距離も近く、私は先日も野球部の試合に応援に行きましたし、佐々木も『もくもく会』には毎回顔を出しています」。

社員のスキルアップを支援する制度としては、これまで紹介したもののほかに、資格取得支援制度や図書購入支援制度がある。完全週休2日制（土日）、祝日休みで年間休日は120日以上。残業は月20時間以下で、有休休暇取得率は75％と高く、プライベートも大切にしながら働ける環境だ。

そんな同社が求めるのは、目的意識を持って成長のための努力を惜しまないマインドがあり、ITのアンテナが高く、まわりのニーズを把握して貢献できる志向を持った人材だ。

「ものづくりが好きな方に来ていただきたいですね。IT業界にはプログラミング好きな方が多いようですが、当社が求めるのはそれよりも要件定義や設計が好きな方です。お客様との会話を通じて、お客様の望むものを作り上げていくことを楽しめる方に来て欲しいと思います」。（佐々木氏）

時代と共にIoTやVRなど新技術を積極的に取り入れて実績を重ねてきた同社。設立17年を超える歴史を持ち、安定性も兼ね備えている。

「当社にはリーマンショックや東日本大震災を乗り越えてきた実績があり、需要が変わるタイミングにはどう対処すべきかわかっています。一次請けが多いこともあって、今回のコロナ禍の影響も軽微です。そして新しい技術に積極的にチャレンジできる環境があります。例えば今はSIerでエンジニアとして開発に携わっているが、新しい技術に挑戦できずにもどかしい想いをしている方、自分の技術や経験をどんどん発信していきたい方、安定した環境でスキルアップしたい方にはぴったりの会社です」。（田中氏）