TIPSシステム株式会社

大阪市を本拠地とするシステム開発会社のTIPSシステム株式会社。同社は、組み込み／制御系システムの開発等に携わるエンジニアを募集している。

同社の受注案件はSIer経由が多く、一部で大手総合電機メーカーと直取引も行っている。業務形態としては、主要エンドユーザーであるメーカーの製品開発に関わるセキュリティ上の都合等で、SESが100%。2024年4月現在、40名のエンジニアが常駐して業務に就いている

同社がこれまで強みとしてきたのは、組み込み系のシステム開発。特に、カーナビゲーション、車載システムを得意としている。そのほか、デジタル複合機システムや、最近では大手エアコンメーカーの制御用マイコン開発も手掛けている。組み込み系以外では、POSシステム、学習塾向け国内導入生徒支援システム、医療系健康管理システム等のWeb系・オープン系業務システムにも取り組んでいる。

それだけでなく、システム検証業務も手掛ける。JSTQB（Japan Software Testing Qualifications Board）による資格認定を受けたテストエンジニアが、第三者的な立場で組み込みシステム等の試験の設計から実施までを行うという高度なものだ。

今後は、組み込み系を中心に培ってきた実績や技術力をベースに、Web系・オープン系業務システムに対応するエンジニアを増強し、組み込み系と同等レベルの“2本柱”体制にしていく方針だ。

それと共に、今後はSESだけでなく、持ち帰りの受託開発の獲得も目指す。

「お客様に当社エンジニアの得意領域をプレゼンし、まず組み込み系のマイコン開発案件等の受託開発の獲得を目指します。お客様先で実績を積み、一部機能の持ち帰り開発を切り出してもらうアプローチから始めようと考えています」（田中氏）

その先には、自社独自プロダクト開発も視野に入れている。

同社の設立は2011年7月。田中氏は中堅システム開発会社で開発部門の課長職に就いていたが、その会社は営業担当者を置かず、現場のエンジニアが営業も行うというスタイルで伸びていった。

「しかし、開発現場を預かる身として、次第に営業を優先し始めた会社の方針と折り合いがつかなくなりました。また、エンジニアが働く環境を含めた待遇も納得できなくなりました。そこで、エンジニアがやりがいを感じる働きやすい環境をつくろうと、2名の仲間と共に独立を決意したのです」と田中氏は同社創業の経緯を説明する。

社名の“TIPS”とは“Three Innovation for Partners”の略であり、次の三つのミッションを表現している。

●技術：高度な技術を追求する
●挑戦：新たな改善を生み出す提案
●協働：社員一人一人が協働しあう組織力

「お客様の高度な要求に対応できるためのエンジニアのスキルを磨くと共に、お客様に言われたことに従うだけでなく、こちらから積極的な改善提案も行います。また、そんな業務を支えるため、現場のチーム化を高めて社員が協力し合える環境をつくります」（田中氏）

社員数の関係で、現在は経験豊富なエンジニアが一人で常駐する現場もある。今後は、社員数を増強し、ベテランの下に若手メンバーを配置する形でチーム化を進め、OJTを行いやすい現場を増やしていく方針だ。

「新たなTIPSシステムづくりを一緒に盛り立ててやろうという方の参加をお待ちしています！」と田中氏は呼び掛ける。

田中氏の創業の動機となった“エンジニアがやりがいを感じる働きやすい環境”づくりとして、同社は数々の制度に取り組んでいる。

まず、「アイデア手当」。会社にも社員にも利益となるアイデアを出せば1万円、さらに社員自らが運営する場合は3～5万円を支給する。例えば、同社が社員間の共有ツールとしてもっぱらメールやオンラインストレージサービス、SNSの個人アカウントを活用していたことに対し、グループウェアを提案し実効に繋げた中途入社の社員に5万円が支給されたというような実例がある。

また、人材育成の観点では、ビジネス関連の書籍購入費用（電子書籍含む）を月3,000円を上限として全額補助したり、10xENGの電子書籍が読み放題であったりする制度を導入し、社員のスキルアップを支援している。
当初、書籍購入費は上限変わらず半額補助であったが、社員の要望により上限変わらず全額補助に変更された。「社員が成長していくために必要な出資は惜しまない」と田中氏。

その他にも、社員食堂制度として食事チケットを支給。コンビニや飲食店などでお金の代わりに使える7,000円分のチケットを支給している（うち3,500円は給与天引きによる自己負担）。

働き方としては、深夜残業や休日出勤は原則禁止（やむを得ない場合は上長承認）。リリース直前等、遅くまで残業する場合に備え、一定の休養時間を置くために翌日の出社時間を遅らせる「勤務間インターバル制度」も導入している。月間の平均残業時間は10時間程度であるが、「残業が20時間を超えて月間労働時間が180時間を超える場合、本人と面談の上、クライアントに改善を申し入れている」と田中氏。中には、長時間仕事をしたいという社員もいて、「できるだけ希望を聞き入れている」という。さらに、有給休暇が取得しやすいよう、グループウェアで簡単に申請できるようにすることまでケアしている。

また、健康経営の取り組みとして、スマートフォン向けの健康管理アプリを導入し、歩数ランキング等を競い合い、上位者には健康増進に活用できる報奨金を付与するなど積極的に社員の健康維持に努めている。
加えて、社員の声より「ジム・パーソナルトレーナー代補助」を採用。健康促進のために、月5,000を上限として費用の半額を会社が負担してくれるありがたい制度だ。
こうした施策が評価され、同社は「健康経営優良法人」を取得。名実ともに働きやすい環境が整っていると言えるだろう。

社員が現場に分かれて業務に就いている同社は、毎月全体ミーティングを行って各現場の状況の共有や働きやすい環境整備のアイデア出しを行い、その後食事会を開催している。
「当社のメンバーはお酒を飲めない人が半数ほどを占めているので、幹事はおいしい食事が食べられることを重視して会場を手配しています。そのせいか、とても好評ですね」と田中氏は目を細める。

そんな同社が求める人材像と、その読者に対して田中氏は次のようなメッセージを送る。

「環境のせいにせず、メンバー間のコミュニケーションを大切にしながら、共により良い環境をつくろうという方に是非加わっていただきたいと思います。また、マネジメント志向のある方は、早くに当該ポストに就けて能力を磨いてもらう用意があります。とにかく、社員の声が経営に届きやすい会社だと自負していますので、是非確かめに来てください！」