1. 出会いのきっかけと最初の印象
「一見するとカフェのようなふんわりした雰囲気があるが、その内側では青い炎が燃えたぎっている。」 オシロと、代表の杉山さんと初めてお会いしたときの印象です。押し出しの強いタイプの会社・経営者ではないものの、社会におけるコミュニティの存在意義について確固たる信念をもっており、現代社会に、「居場所」としてのコミュニティを生み出すことにピュアに愚直に向き合っているという印象でした。
2.投資を決めた理由
不可逆的な時代の流れに即したソリューションを展開していること、そして、「コミュニティを科学する」アプローチを取っているという点がポイントです。 2-2 マーケットポテンシャル オシロには、次世代のSNSを生み出すポテンシャルがあります。SNSが高度に発展した副作用として、「自分をさらけ出せる居場所」が減ってきています。インスタグラムにせよ、Twitterにせよ、Facebookにせよ、利用するにあたっては自分の見せ方をチューニングする必要があります。この点、オシロは、ユーザーがなかなかオフィシャルには表明できない嗜好をさらけ出せる「居場所」としてのコミュニティを運営できるプラットフォームづくりに取り組んでいます。 また、オシロはコミュニティ主催者であるクリエイター方々にとっても価値あるサービスです。たとえば、クリエイターが「YouTubeでしっかり稼ぎたい」と思ったら、自分なりの世界観を犠牲にしてでも、アルゴリズムに最適化させたかたちで動画を更新していかなければなりません。クリエイターが自分らしさを犠牲にせず、自分なりの表現に取り組むことで継続的な収益化を生み出せるプラットフォームを構築できれば、日本でも立ち上がりつつあるクリエイターエコノミーという大きなマーケットのど真ん中に位置取りできると考えています。 2-3 投資時点での競合優位性・マーケットフィット 「ユーザーが居心地のよさを感じるクローズドな空間」のプラットフォームを構築するべく、オシロはハイタッチとデータ分析を組み合わせて取り組んでいます。データ分析だけでなく、ハイタッチかつローカルなサポートを組み合わせることで、グローバルなSNSプレイヤーと戦っていくことができると考えています。実際に、多くの著名クリエイターがオシロを利用してコミュニティを開設しています。 また、他社のプラットフォームでは、数百円といった月額料金のコミュニティが中心ですが、オシロでは数千円のコミュニティが中心です。これは、それだけの金額を払ってでも、「居続けたい」と思われる場所をつくり出せていることの表れです。こういったコミュニティを、再現性を持って生み出し続けるポテンシャルがオシロにはあります。
エクイティストーリー
今後も引き続き、フラッグシップとなるような著名コミュニティをしっかり獲得していきます。投資時点においてはインバウンドでの受注がほとんどでしたが、今後はマーケティングやアウトバウンドでの獲得を通じて、社会へのインパクトを与えていくことを企図しています。 機能面においては、EC機能を強化していきます。「ファンに向けたEC」は、それ自体スタートアップ業界における一つのビッグテーマですが、オシロは「クローズドな居場所」を土台とすることで、集客に苦労しなくてもよい濃密な「ECの場」を提供していきます。 また、前述のように、ハイタッチとデータ分析のバランスが重要ですが、今後はより一層データドリブンなプラットフォーム開発に注力していく必要があります。誤解を恐れずに言えば、リアルグラフではつながっていない人間同士が、コミュニティにおいてどのように心を通わし、どのように自分の居場所を見出していくのかという「人間関係のデータサイエンス」にオシロは取り組んでいきます。 オシロが取り組むのは、社会的意義、マーケット、そしてテクノロジー的な面白さがそろった事業です。意欲のある方々のジョインをお待ちしております!