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株式会社クレディセゾン

  • 金融・保険系
  • IT/Web・通信・インターネット系

開発の内部化でDX加速。業界を変え続ける国内最大級クレジットカード会社

上場
自社サービス製品あり
シェアトップクラス
グローバルに活動
残業少なめ

企業について

株式会社クレディセゾンは、日本を代表するクレジットカード会社だ。同社が発行する「セゾンカード」は、取扱額、会員数、いずれをとっても国内トップクラスだ。同社名義で発行するプロパーカードの他、MUJIカードやPARCOカードなど様々な提携カードで認知している人も少なくはないだろう。

創業は1951年。月賦百貨店・緑屋から始まった会社だが、西武百貨店と資本提携後の1980年、顧客名簿を持つ月賦販売というビジネスモデルをベースに業態転換し、西武百貨店を中心とするセゾングループ全体のハウスカードとして再スタートを切った。1984年以降は加盟店開拓に注力し、ナショナルカードへの拡大を図り、1988年には、Visa、マスターといった国際ブランドとの提携を開始している。さらに1997年には、日本で初めてアメリカン・エキスプレスとライセンス提携し『セゾンアメックス』を発行するなど、後発ながら国内最大規模のクレジットカード会社へ成長を遂げる下地を作ったのである。その一方では、付帯業務であるリースや融資、信用保証などのファイナンス事業、保険事業などへ業容を拡大し、お金に関して総合的にサポート出来るサービス体系を確立するに至っている。近年は、BtoCのみならず、長らく未開拓だったBtoB領域にも注力。同社が発行するビジネスカードは、国内でも随一の人気を誇っている。

同社の特徴は、業界慣習にとらわれない革新性である。例えば無条件で年会費が無料になるクレジットカードや、ポイントの有効期限がない『永久不滅ポイント』、サインレス決済、オンラインで本人確認を完結する『LIQUID eKYC』、完全番号レスカード『セゾンカードデジタル』など、国内初、業界初のサービスを積極的に実現してきた。ビジネスカードの領域でも、個人事業主を初めとする小規模事業者に向け、機能とサービスをビジネス利用に特化し年会費を1000円に抑えた『セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード』を発行。通常であれば数万円の年会費が発生するビジネスカードの常識を覆すカードとして注目されている。

同社が起こした様々なイノベーションを牽引し続けてきたのが代表取締役会長CEO・林野宏氏である。林野氏は、1982年、西武百貨店から異動し、クレジット本部営業企画部長として本格的な流通系クレジットカードへの業態転換を推進。2000年にクレディセゾン代表取締役社長に就任してからは、20年以上にわたり最高経営責任者を務めている。クレジットカード会社としては後発だった同社(当時は西武クレジット)が生き残るため、林野氏が取った方針は“新しいものを作り続けること”である。そして“サービス先端企業”という経営理念のもと、“顧客満足主義の実践”、“取引先との相互利益の尊重”、“創造的革新の社風作り”という3つの価値観を掲げ、顧客の利便性を高め、顧客の支持を獲得することに全力投球してきたのである。

以上のような経緯を経て、現在はペイメント事業、デジタル事業、ファイナンス事業、グローバル事業の4つの領域で事業を展開している同社だが、2010年の貸金業法改正に引き続き、2019年の消費税法改正に伴い一気に進行したキャッシュレス化など、外部環境が劇的な変化を遂げる中、競合他社同様、ビジネスモデルの転換点を迎えている。2019年には“Neo Finance Company in Asia”をビジョンに掲げた中期経営計画を策定。その経営計画に基づき、次世代に向けた成長戦略を加速させているところだ。

次世代に向けた取り組みを推進する上でクレディセゾン社が特に重視しているのがDXだ。これまでに培った営業ノウハウを活かしつつ、デジタル化を進め、より付加価値の高いサービスを実現していく考えである。戦略人事部長・長谷川博一氏が語る。

「DXは全ての部門に関わります。サービス向上はもちろん、生産性向上にもデジタルの力が求められます。デジタル人材の採用を含め、DXの推進に注力しています」(長谷川氏)

従来、同社内にはプログラミングが出来る人材が在籍する部署が存在せず、社内システムや顧客向けのサービスも全てパートナーである開発会社に外部委託してきた。2019年3月、それまでのデジタル事業部をデジタルイノベーション事業部に再編、プログラマやデザイナー、データサイエンティストなどで構成するテクノロジーセンターを新設。先進技術を活用したデジタルシフトの全社横断的な推進役、デジタル技術に関するR&D 、顧客体験・サービスレベルの向上を担う部署として始動している。

その中心にいるのが専務執行役員・小野和俊氏だ。CTOやデジタルイノベーション事業部長なども兼任し、全社のDX戦略を推進する役目を担う。小野氏はクレディセゾン社と関わる以前からIT業界では著名な人物である。大学卒業後、サン・マイクロシステムズに入社、米国本社にてJavaやXMLによる開発を経験した後、2000年に株式会社アプレッソを起業。そこで開発したデータ連携ミドルウェア『DataSpider』で、SOFTICより年間優秀ソフトウェア賞を受賞。その後、『DataSpider』の代理店だった株式会社セゾン情報システムズ(以下、SISCO社)と資本業務提携し、同社CTOを兼務した後、クレディセゾン社の要請を受け、2019年3月に転籍し現職に至る。

「日本の歴史ある会社の存続に対し、自分にもできることがあるなら挑戦してみたい、大企業に本気のエンジニアリングチームができて事業が大きく変われば面白い」と考えたことが、小野氏がクレディセゾン社に転籍した理由だ。

新設した当初は、何を開発するか決まっていたわけではない。まずは社内の総合職から2名をアサイン、社内の事情を把握し、課題を掘り起こすところから始動。同時に小野氏の個人ブログを通してエンジニアを募集してチームを組成した。同社の採用ページや外部採用媒体を使わなかったのは、立ち上げ段階ゆえ、方向性を揃えたい想いがあったからだ。

「人事に相談するとワンオブゼムとしての応募が多くなります。ブログから来る人は、転職するつもりはなかったがエントリーを読んでメッセージに共感、だから他は受けていないという人が圧倒的多数です。繋がりが強い状態でスタートした方が良いと考えました」(小野氏)

その応募者から6名を選び、8名のチームを組成。経営陣や関連部署とコミュニケーションを取りつつ共に戦略を考え、最初にリリースしたのが『お月玉』というサービスである。スマートフォンアプリから参加するデジタル抽選で、セゾンカードを利用すると抽選券が貯まり、抽選に参加すると現金1万円が当たる。『お月玉』リリース前1万2000人ほどだったセゾンカードのSNS公式フォロワーは半年で20万人を超えるという成功を収めた。

その後、テクノロジーセンターのメンバーは着実に増え、現在(2021年4月)は35名のエンジニアリング集団となった。開発もコールセンター向けのマニュアル検索システムや人事向けチャットボットといった社内システムを含め、大小様々なプロジェクトが進行中だ。今後はさらに契約手続きを初め紙文化が根強いファイナンス事業におけるデジタルシフトなども課題となってくる。これらの課題に対応するため、同社はテクノロジーセンターのメンバーをさらに増員していく考えである。

「外部からエンジニアを募り8名のエンジニアリングチームを組成した後、社内で公募をかけて各部門で活躍している人材を選んでテクノロジーセンターにアサインしました。2ヶ月の技術研修を経て、現在はプログラマとしてプロジェクトに参加しています。並行して先に中途入社したエンジニアが、前職時代の同僚などを誘い現在に至っています。今後もさらにエンジニアを増員していく計画です。プログラマやデータサイエンティスト、データアナリスト、デザイナーなど、経験者の採用に注力しています」(長谷川氏)

社内の各部署からメンバーを募ったのは、事業戦略とITの一体化、事業部門の技術支援といったテクノロジーセンターのミッションを促進するためである。現在は、経験豊富なエンジニアと社内の事情に熟知したメンバーが一体となり各プロジェクトを動かしている状況だ。

テクノロジーセンターは多様性に富んだ部署である。外部から採用したエンジニアも、エンタープライズ系のSIer出身者とベンチャー出身者が混在している。多様性を謳うITベンチャーは数多く存在するが、スピードや自由を重視する文化と、安定性や安全性を重視する文化が混在する組織は希有な存在である。小野氏のブログをきっかけに入社したエンジニアにとっては、どちらか一方を選ぶのではなく、両方の価値観が同居する環境そのものが魅力となり、同僚や知人のエンジニアを誘う要因となっている。

また、一見矛盾して見える多様性を維持するため、テクノロジーセンターでは“HRTの原則”を設けている。Humility=謙虚さ、Respect=敬意を払うこと、Trust=信用すること。こういった“HRTの原則”を遵守する文化もエンジニアにとっては居心地の良さに繋がっている。

事業会社の中のエンジニアリング部門といえば、何か浮いた存在のようなイメージを持たれるかも知れない。そういった状況を回避することも社内でメンバーを公募した理由の1つだが、もともと同社は創業当時から新しい物を積極的に取り入れる文化が根付いた会社だ。特に近年はDX以外にもグローバル化やファイナンス事業の拡大といった課題に対応するため、外部から専門的なスキルを持った人材を採用する流れが加速している。設立2年で確実に実績を残していることもあり、テクノロジーセンターは他部署からも認知された存在となっている。

「チャレンジする、常識を疑う、やりきる、チーム力を高める、自分を高める。これが当社の行動指針です。とりあえずやってみて駄目なら軌道修正していく。クレディセゾンにはそういった風土が定着しています。これから採用する方々には、自分が持つ能力やスキルを我々に合わせるのではなく、自然体で発揮していただきたい。まだまだ完成されていないところも沢山ありますので、提案も大歓迎です。アイデアを自分で形に出来るエンジニアにとっても面白い会社だと思います」(長谷川氏)

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常務執行役員 CTO・小野和俊氏 1999年、慶應義塾大学環境情報学部卒、サン・マイクロシステムズ株式会社入社。米国Sun Microsystemsでの開発を経て、2000年株式会社アプレッソ代表取締役就任。データ連携ミドルウェア『DataSpider』を開発。2002年同ソフトでSOFTICソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー受賞。2013年よりセゾン情報システムズでHULFT事業CTO、常務取締役CTOなどを歴任。2019年より株式会社クレディセゾン取締役CTOに就任し2020年より現職。

── テクノロジーセンターの立ち上げで目指したのはどのようなチーム作りですか。ブログでエンジニアを採用した際の選定基準も教えて下さい。

テクノロジーセンターの立ち上げ時に意図したのは、バイモーダルチームです。エンタープライズ系のSIer出身者とベンチャー出身者がおよそ半々の構成になることを意識しました。エンタープライズ系のエンジニアは、とにかく事故が起きないことや品質を非常に大事にします。一方、ベンチャー出身者は、スピードと技術力を重視し、他部署の事業に関することでもどんどん意見を言ってくるような文化を持っています。これらの違いを、「SoR」「SoE」、あるいは「モード1」「モード2」などと表現することもありますが、全く違う2種類の人たちをあえてハイブリッドで混ぜました。

採用で重... 続きを読む

求職者の声

企業情報

会社名

株式会社クレディセゾン

業界

金融・保険系 > 銀行・信用金庫・組合

IT/Web・通信・インターネット系 > モバイル/アプリサービス

金融・保険系 > その他金融・保険系

企業の特徴
上場、自社サービス製品あり、シェアトップクラス、グローバルに活動、残業少なめ
資本金

759億29百万円

設立年月

1951年05月

代表者氏名

代表取締役会長CEO 林野宏/代表取締役 水野克己

事業内容

ペイメント・リース・ファイナンス・不動産関連・エンタテインメント

株式公開(証券取引所)

従業員数

4415人

本社住所

東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60・52F

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