人材ビジネスとの出会いは?
実は大学生のころから、スーツにネクタイという姿で人材派遣会社でアルバイトをしていました。およそ3年間営業の仕事に取り組んだのですが、最後はその会社自体が倒産してしまった。最後の給与は支払われず途方に暮れていたところ、オフィスにコンピューターシステムのマニュアルが転がっていました。ピーンときました。これを人材サービスのビジネスに活用できないかと。当時、その会社では書類を一枚一枚突き合わせて企業と人材のマッチングをやっていて、これをコンピューターでもっと効率的にできないかと考えたのです。 知人の協力を仰ぎながら、企業と人材のマッチングができるシステムを開発し、さっそく人材サービス会社のインテリジェンスに売り込みに行きました。そこで対応していただいたのが、のちにUSENの社長にもなられる宇野康秀さんでした。有名ミュージシャンを思わせるようなかっこいい方でしたね(笑)。宇野さんはすぐに関心をもち、システムの購入を決めていただきました。ただし、それには条件があって、「インテリジェンスで週3日アルバイトをしなさい」と。今思えば私たちが売っていたシステム自体よりも私の営業力や、仲間のエンジニアスキルの方に興味を持っていたんですね。当時から人材に対して、お金と情熱を注ぐ会社でした。 私は気がつけばインテリジェンスの社員となり、エンジニアの派遣事業を任されたり、インターネットサービスを行う子会社の設立に参画したりと、沢山の経験をさせていただきました。
ビースタイル設立のきっかけを教えてください。
まず、前提として社長というポジションに憧れがあったことは事実です(笑)。思い返せば、かなり前から「社長になるための本」みたいなものを読んでいた気がします。 既婚女性を対象とするパートタイム型派遣サービスについては、以前からアイデアを温めていました。そこで会社を設立する上で、結婚をしている知人の女性などにあらためてヒアリングをしたところ、やはり結婚後の仕事探しにはかなり苦労をしている実態が浮かび上がってきました。その一方で、企業としても少子化の影響もあり、優秀な人材の確保には苦労している。そのような状況からこのサービスには将来性があると考えたのです。 ただし、今までにない市場を自分たちの手でつくるため苦労は大きかったですね。商品の開発をしながら、絶えず市場の開拓を行っているイメージです。
これからビースタイルをどのような企業にしていきたいですか?
一言で表せば、魅力的な企業にしていきたいと考えています。 魅力的な企業とは、ビジネスの成長性はもちろん、働いている人が幸せややりがいを感じられる企業、常に新しいことにチャレンジしている企業に他なりません。陳腐化したものをいい意味で壊し、新しいものを生み出し続ける柔軟な姿勢をもった集団であるべきでしょう。 その一方で、守るべきものはきちんと守り抜きます。当社の場合、それは“人”にほかなりません。“人”の力なくして当社の未来はありません。これから当社の扉を叩く方達には、知恵と行動力を発揮し、いきいきと活躍してほしいですね。
仕事を行う上で大切にしていることは何ですか?
目の前のことから逃げずに、やる気をもって取り組むということです。 一つひとつの仕事の成果は、一見すると小さな点にしか見えません。しかし、いくつもの点を記すことができれば、それはやがて一本の太い線に変わっていくことでしょう。いつの日か太い線を描くために、目の前に小さな点を打つことにこだわりたいと考えています。幸い、当社のメンバーは、地に足を着けて目の前の点を打つことに一生懸命取り組んでくれています。 もう一つはプライベートの時間を大切にすること。 映画を観たり、読書をしたり、バンド活動やフットサルを楽しんでいます。 「仕事とプライベートの両立に悩んでいる人」をよく見かけますが、私にとっては仕事もプライベートも一つの大きな時間の塊の中に存在しています。だから、プライベートの時間を確保するために、どうすれば効率的に仕事を進められるか考える。また、仕事が充実していないと、プライベートを楽しむだけの精神的、経済的な余裕も生まれてこないと思っていますので、両者を切り離しては考えられません。 フットサルのポジションですか? もっぱらサブですよ。だって、自分より若い人が出たほうが絶対に勝つ確率が高いですから。みんなが疲れてきたときが私の出番です(笑)