代表取締役社長・樋口 益次郎氏 1955年長崎市生まれ。大学卒業後、単身アメリカに渡り経営学を学ぶ。帰国後、1985年にひぐちグループに入社。経理に始まり、システム設計、財務、総務、遊ING、パチンコ部を経験し、2011年に代表取締役社長に就任。一番の趣味は、仕事。

理念である『憩いと安らぎ』について教えてください

現代人は、日々ストレスにさらされています。その過度な緊張から抜け出し、何気ない日常の中で、何かに夢中になることのできる『瞬間』や、ほっとひと息つくことのできる『空間』は、とても大切なものだと考えます。だからこそ、自宅と職場、自宅と学校、その間にあって、より多くの人々が求めている“癒しの空間”ともいえる第三の空間を提供したい。その空間で過ごす時間をより幸せなものにしたい。ひぐちグループは、創業以来、そのことを追求しています。 この理念を追い求めてきたからこそ、飲食事業やパチンコ事業、オーディオビジュアル事業、ホテル事業、不動産事業等、幅広い事業を手掛ける現在の姿になったのだといえます。この理念は、今後も変わることはありません。だからこそ、憩いと安らぎの提供を実現できるのであれば、新規事業にも積極的に挑戦していきます。

2021年に本社を移転し、分散していた部門を集約した意図は何なのでしょうか？

移転前は、部門ごとにノウハウが蓄積されていました。ITインフラも業務プロセスや業務アプリケーション等の各種システムが孤立していて、正直なところ、情報連携が十分とはいえませんでした。今回、全部門が本社に集まったことで、この状況が大きく改善されつつあります。 部門同士でスクラムを組みやすくなり、部門という壁を越えて、それぞれのノウハウを融合しやすい環境に変化してきています。自部門だけしか見ていなかった頃には気付くことのできなかった発見や気付きも生まれ始めています。以前は、拠点が分かれていたため、拠点間のコミュニケーションは電話やメールが中心でしたが、みんなが同じフロアにいることで、ちょっとした雑談から新しいアイデアが生まれたりも。意図した通り、グループ全体の“新しいものを生み出す力”が強化されつつあると感じているところです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響はありましたか？

飲食事業やパチンコ事業、ホテル事業等は影響を受けています。ただ、それ以上に仲間の大切さを痛感させられた2年間だったと感じています。コロナ禍によって人との交わりが大きく制限されたことで、「個」というものに閉じ込まざるを得ませんでした。それは、「個」の力が大いに問われる一方で、家庭や会社、地域、社会……様々な場面で「個」としての限界を感じ続ける日々でもありました。それまで当たり前だった“人との交わり”が、どれほど重要なものであるのかを思い知らされたのです。 そのため、2022年のグループテーマには「OUR（私たち）」を掲げています。改めて実感した仲間の存在や仲間との交わりの大切さを問い直そうという思いを込めました。

コロナ禍によって変化したことは他にありますか？

ビジネスを見つめ直す機会にもなりました。例えば、コロナ禍前、パチンコ部門では、いわゆる出玉をお客様サービスの起点だと捉えてきました。ところが、コロナ禍になり、改めてお客様が欲していることを把握するためアンケートを実施したところ、最も重視していたのが「接客」だと分かったのです。お客様がお金を払う価値があると感じる空間やサービスを、コロナ時代に合わせて、いかに磨いていくのか――これからのひぐちグループには、そこが問われていると感じています。 まだまだ模索中ではありますが、その取り組みの一つとして、ホテル『H2』の朝食ビュッフェを、パンと具材を選んでサンドイッチを作れるスタイルに変更しました。 今後も失敗を恐れずにチャレンジし続け、お客様に価値を提供していきたいと思います。

最後に、応募者へのメッセージをお願いします。

当社は社員の自己成長をとても大切にしています。コロナ禍によって売上が減少した中であっても、外部講師を招いた研修等、自己成長に繋がることへの投資は継続して行っています。 また、コロナ禍によって、ひぐちグループも様々な変化を求められていますが、この状況は自己成長を望む人にとって、大きなチャンスでもあります。変化するには、既成概念にとらわれずイノベーションを起こしていかなければなりません。その過程では、多くの気付きや発見がもたらされるはずです。お話ししたように、会社として社員の成長に繋がる仕組みの整備にも力を入れています。成長意欲の高い人は、是非一緒に働きましょう。