社長就任時の思いを教えてください。
営業力がないと企業は成長できません。しかし、システムエンジニアリング会社における営業力とは、モノを売る営業力とは若干異なります。受託したプロジェクトで開発に携わるエンジニアがお客様から信頼され、次の案件が出た時に名前を浮かべてもらえる力、もう一度頼みたいと思ってもらえる力だと思うのです。そう思ってもらうためには、技術力と動員力、そして、課題を的確に把握する力が欠かせません。部門長やPM、PL等のマネジメント層がこれらの力を備えている組織、セントラル技研をそのような会社にしたいと思い、これまで取り組んできました。 手前味噌ではありますが、現状、その点では100点満点だと思っています。ただし、今日の100点が来年の100点とは限りません。世の中や事業を取り巻く環境は常に変化しているため、来年も100点であるために社員も変化し続けていける組織でありたいと思っています。
社員への思いや期待することを教えてください。
お客様やパートナー企業様等、ステークホルダーに対する愚痴を口にしないでもらいたいと思っています。人間ですから不満に思うことは必ずあります。でも、そのような愚痴を口にすればするほど、仕事がつまらないものになってしまうでしょう。お客様と接することに後ろめたさや億劫な感情が湧いてしまうと、いい仕事もできなくなってしまいます。人生において多くの時間を使う仕事が楽しめないのはもったいないとも思うのです。 ですから、社員には、第三者に対する「おかげさまで」の気持ちを持ち、感謝を忘れないでほしいと思っています。お客様への感謝と自分自身に対する誠実さを持っていれば、仕事を通じて豊かな人間性を培うこともできます。結果、いい仕事ができて、やりがいや充足感を手にすることもできるはずです。
社員の声を聞くことに積極的ですが、声を集める工夫等していますか?
ES(従業員満足度)委員会があり、2021年には社員アンケートを実施しました。何に満足していて、どこに不満があるのか調べるためです。実は、創業者が社員のことを大切にする方で、ESという言葉等がない時代から社員が満足できる職場づくりに力を入れてきたという歴史があります。そのDNAが今も受け継がれているので、社長が交代してもESに対する意識が高いのだと思います。 21年のアンケートでは「給料が安い」という声を結構あったので、経営会議で1年間議論を重ねて、給料アップに踏み切りました。他にも社員の声をきっかけに福利厚生面で新たな制度をつくったりと、色々取り組んでいます。
山根さんの仕事観を教えてください。
星野リゾートの星野佳路社長の「フラットな組織文化」という考え方に共感しています。社員に自律した働き方を促すためには、「偉い人」をなくして、マネジメント層と社員が対等に議論できる組織でなければならないという考え方です。そのため、社長になった時も、「社員から仕事を押し付けられる存在でありたい」と考えました。プロジェクトで人のアサインが上手くいかない時はお願いされたり、事業戦術をつくったり、営業したり。社員が困った時、何かしてもらいたいと思った時、遠慮なく声を掛けてもらえる人でありたいです。 また、いつまでも、どこまでいっても現場主義でありたいとも思います。尊敬する経営者である本田宗一郎さんや稲盛和夫さん等が、そうであったようにです。経営者になると孤立して現場から離れてしまい、現場で何が起こっているのか分からなくなることがありますが、現場感覚を失ってしまっては、上手く経営すること等できないと思うからです。しかし、現場へズカズカ入っていって、社員の仕事を奪うようなことは絶対にしない。そんな経営者を目指しています。
最後に応募者へのメッセージをお願いします。
当社は、「浅い川でも深い川だと思って渡れ」という社風で、これまでやってきました。そのおかげで、成長速度は地味ですが、数々の難局を乗り越え、着実に実績を積み上げてくることができたと考えています。 だからといって、保守的で堅い会社かというと、そうでもありません。私はキャリア入社組ですが、いくつものチャンスを与えてもらい、社長にまで引き上げてもらいました。 セントラル技研という会社は、地味だが、やる気さえあれば、チャンスを与え、その成長を応援してくれる会社なのだと実感しています。だから、やる気のある方は、是非挑戦してください。