X Mile株式会社

「令和を代表するメガベンチャーを創る」というMissionを掲げ、レガシー産業の社会課題を、テクノロジーを通じて解決する事業を展開しているX Mile (クロスマイル) 株式会社。令和元年に創業し、今年度売上の対前年比は約5倍という急成長企業だ。

同社が主眼に置いているのは、物流・建設・製造といったノンデスク産業にある。市場規模50兆円ともいわれるこの業界は、人々の暮らしを支える基盤産業であるにも関わらず、人材不足・多重下請け構造・IT化の立ち遅れといった多くの課題を抱えている。たとえばドライバーの労働力は2027年には27万人が不足すると予測され、対応が急務となっている。

そこで、同社が現在展開している事業は次の2つ。

①人材プラットフォーム事業
転職したいノンデスクワーカーと企業とを結びつけるサービスを提供中。現在展開しているサービスは、ノンデスク事業者向けの人材採用システム『クロスワーク』、物流・自動車整備・建設領域に特化したエージェントの『Driver Career』『整備士バンク』『建職キャリア』。雇用の流動化を促進することで、労働環境の向上にもつなげていく。

現在3000社以上のクライアントと取引しており、業界トップクラスの各社からも厚い信頼を寄せられている。業界に先駆けて成果報酬型サービスを実施し、導入のしやすさから新たなクライアントを獲得し急成長を果たしている。

②ITプラットフォーム事業
ノンデスク事業者向けのSaaS開発提供により、生産性向上・労働時間短縮を促進していく。
手掛けるサービスの一例として、物流業界での事故を減らすためのサービスがある。ドライバーや車両情報・ルート情報などから将来のリスクをデータ分析し、事故を軽減していくというものだ。事故が起こった際の保険サービスとは異なり、未来予測によって事故率そのものを削減していくという画期的な事業である。物流業界は金額にして年間2～3兆円の事故による損失が発生しているが、そのうち1％の200～300億円の損失を減らすことができたなら、国家予算並みの大きな経済効果を生み出すことにつながる。

「当社で働くことで、日本のノンデスク産業に寄与し、国家予算級の数字に携わっていける可能性があります。ワクワクしませんか？」（COO　渡邉悠暉氏）

同社がめざしていくビジョンとは、事業を通じて「日本全体の社会問題を解決すること」にある。

その中でもなぜ同社が"ノンデスク事業"に注目し、物流業界を選択したのか。まず、代表の野呂氏がロジスティクス分野で起業した際に物流業界の「未来への可能性」と、「働く環境に関する問題」を感じたことがきっかけだ。また、同社の前身企業では医療業界でのDX化を事業化しており、医療業界では国内で先行する企業があったものの、物流業界についてはまだ先行している企業が少なく、業界全体からの期待値が高いことも挙げられる。

ベンチャー企業のスタートアップ時には、短期的な資金投入と人員の早期育成により、新規市場の開拓を行うことが一般的だろう。しかし「レガシー産業を変革していくには短期的な目的達成は難しく、中長期的な視野が必要」（渡邉氏）で、同社では“中長期的な投資”を積極的に行っていることが、ベンチャー企業としてはかなり異色である。

特徴的なのは、社内のあらゆる業務に関して『型化への中長期的な投資』を行っていること。例えば社内のあらゆる部署が、リーダーやマネージャーのもとで情報をまとめて動画等にコンテンツ化している。入社時の初期研修から、日々の業務上の疑問解決まで、社員が自らノウハウをツール化しているため、使えなくなった情報ではなく、常に新しくフレキシブルに成長していく資産となっている。

新しくジョインした社員は“型化されたコンテンツ”を最大限に利用し、“最速かつ効果的な成長”を実現することが可能だが、枠にはまった人材を育成するのが目的ではない。このため、業務へのスタンスやマインドセットといった教育研修も併せて行い、自分たちの介在価値を実感しつつ自己成長ができる仕組みとなっている。

このように社員が成果を出しやすくなるような環境をきっちりと用意し、中長期的に会社として成長していくことを目指しているのである。

今後の同社の展望は、物流業界での成功実績をもとに、業界別DX化を推進していくこと。複数プロダクトを並走させるためにも、エンジニア部門の大幅増員など、各部門を増員して強固にしていく予定だ。ロングスパンで共に成長していける人材に期待している。

「転職希望者から『ベンチャー企業に入社してみたら、トップダウンで自分の裁量は思ったより少なかった』という話をよく聞きますが、当社は“完全なボトムアップ”であり、“自主経営”で仕事を進めていることを強くお伝えしたいです。これをやってと指示されるのではなく、リーダーやマネージャーが自分で決めて実施しており、メンバーも主体性を持ち、当事者意識を持って仕事を進めています」（渡邉氏）

待遇に関しても、社員が満足感を得られる評価システムを研究し、明確な数値化ができる体制を整え、社員全員が納得して働き続けられる給与・待遇を準備している。

同社で働くメンバーは、ITベンチャーや人材サービス、アパレルや販売職など前職はさまざま。年齢構成は20代・30代が中心で、男女比は5：5とITベンチャー企業としては女性の比率が多い。

「世界的規模で労働力問題を考えるなら、女性の活躍こそが必須」だと渡邉氏は述べ、誰もが長く働き続けられる働く環境づくりに尽力している。たとえば「始業時間は10時スタート」で子育て中の人も出勤しやすい時間帯とし、「時差出勤」「子供手当」「産休育休制度」といった制度でライフステージの変化にも柔軟に対応している。実際に男性社員がすでに育児休暇を取得しており、当初1ヵ月の休暇予定だったものを延長したという事例もある。女性メンバー活躍を推進する取り組みが認められ、2021年12月には女性活躍を推進する企業として『Woman’s Value Award』に選出されている。

さらに、定時で19時退社、21時には消灯して完全退社というルールを設けており、残業時間は1日1～2時間程度。前出の業務の型化により、残業を必要としない体制としている。万が一大幅な残業が生じる場合には、業務レベルを高めるための研修を実施したり、各部署で教育オペレーションの改善を行ったりしている。

中長期的な視野でレガシー産業の変革を支える、事業成長と共に自己実現を果たしたい方に最適な環境がここにある。