代表取締役社長　田中 清生氏

田中さんの仕事観をお聞かせください。

人生における大きな割合を占める重要なもの。日本では「柔道」「書道」「華道」等“道”が付く分野が数多くありますが、果てしなく続いていく道を究めて何かを成し遂げるというイメージが仕事にはあります。自分も「成し遂げた」と言えるものを遺したいですね。 何を成し遂げたいかと言えば、「日本には、交通インフラに関わるリーディングカンパニーのZenmovという企業がある」と世界的に認知してもらうことです。 また、内向きの日本の大手企業ではなかなか登板機会が得られない有為な人材に、「ベトナムを任せる」「インドを任せる」と外に向けて活躍の場を提供する存在にもなりたいと思っています。

社員に対して、どういった存在になってほしいかの思いをお聞かせください。

当社で「交通システムの開発なら誰にも負けない」「PoCを早く安く提供することにかけては右に出る者はいない」等といった得意分野をつくり、先々「この領域をやり切った」と自信を持って言えるような仕事をしてほしいと思います。そして、その経験や知見を後輩に伝え、「Zenmovに入ると世界トップレベルの経験が学べる」と言わしめる存在にしていってほしいと思います。もちろん、そうした結果、経済的にも豊かになってほしいですね。

求職者へのメッセージをお願いいたします。

私も大手企業を経験していますが、生活していく上での安心感はあっても、何かにチャレンジする機会がなかなか得られない、登板したくてもできずにウズウズするといった人も多いのではないでしょうか。あるいは、チャレンジできそうでも先が見えなくて踏み切れずにいるという人もいるでしょう。そんな方は、是非気軽にアクセスして話だけでも聞いてみてください。 「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」というリクルート社の社訓がありますが、まさしく私もこれまで、ほんのちょっとした機会で知り合った人との縁が重なり、ここまで来ることができました。是非、そんな機会をつくっていただきたいと願っています。

ご略歴をお教えください。

1998年に大学卒業後、コンピュータ関連企業に入社し、通信業界を担当するSEになりました。その後、法人営業に転じ、フロントとしてビジネスの企画からサービス提供までを担います。30歳になる前に、イギリスの経営大学院（授業はオランダ）に留学してMBAを取得。2005年に帰国後、前職の同僚から誘われて多国籍携帯電話事業会社の日本法人に入社し、新規ビジネスであるMVNO（仮想移動体通信事業）の立ち上げに関わります。大手企業で新規事業を立ち上げるといういい経験ができました。その半年後に会社が大手電気通信事業者に買収され、自分も大手電気通信事業者の一員になります。そこでは、ある米国のエンターテインメント企業が展開するモバイルサービスの立ち上げと運用に4年ほど従事します。そして、日本でもクラウドやスマートフォンが普及を始めていたことから、次に輸送業向けの運行サービスの立ち上げに関わることに。しかしながら、輸送業の現場ではスマホユーザーが少なく苦戦しました。 そんな時に、たまたまフィリピンで交通効率化事業に関わっていた同僚から「ITを活用したい」と相談を受けたことを機に現地に赴き、現在のSMOCの可能性を見出してこの事業に取り組むようになったという流れです。

御社を設立して、どういったことが実現しつつありますか？また、今後のビジョンについてお教えください。

たまたまフィリピンと出合い、NEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）にも採択されてSMOCの実証実験を行い、一定の実績を積むことができました。現地には人的ネットワークもできて、仕事が進めやすい環境をつくることができています。引き続き、2022年度からフィリピンの別の場所でNEDOの支援事業や、ブルネイでも国土交通省の支援事業としてバス運行をデジタル化する実証実験が始まる予定です。まずはここで足場を固めてから、ベトナムやインドネシア、タイ等周辺の東南アジア各国に展開させていきたいと考えています。 東南アジアは日本から近くて親日的な国が多く、ASEAN全体では6億人以上の大市場があり、恒常的な大渋滞等、根深い問題を抱えているのでチャンスが大きいと見ています。東南アジアの次は、インドやバングラデシュ、さらに将来はアフリカ等も視野に入れてフィールドを広げていきたいですね。