株式会社テプコシステムズ | インタビュー

代表取締役社長権田勇治氏 1964年東京都生まれ。大学では経済学を専攻し、1988年に東京電力株式会社（当時）へ入社。長年、資材調達や契約業務に携わり、2016年にはワシントン事務所の所長を任される。2019年6月より株式会社テプコシステムズの代表取締役社長に就任。「多様性」をキーワードに、さまざまな個性を持った人財が活躍できる企業になることを目指している。趣味は妻との旅行やトレッキング。愛犬であるトイプードルとの散歩が最近の楽しみの一つ。

大学卒業後、就職先として東京電力を選んだ理由を教えてください。

「プライベートセクター」と「パブリックセクター」、両方の世界を経験できるフィールドだと考えたからです。東京電力は、設立時から株式会社という民間企業でありながら、生活に欠かせない重要なインフラを提供する公的な使命も担っています。「プライベート」と「パブリック」が融合されている立ち位置に、大きな魅力を感じました。私が就職活動をしていた1980年代の終盤は、バブルの真っ只中。人気の就職先は金融機関や保険会社などでしたが、私は「直に社会貢献できる仕事がしたい」と考えていました。大学で経済学を学んでいたこともあり、資本主義のダイナミズムを味わってみたいという想いを持ちながらも、「パブリック」の要素があり、社会貢献が実感できる、そういうところはないかと探し求めていたところ、その両方を叶えられる職場が、東京電力だったというわけです。

権田様にとっての仕事のやりがいは何ですか？

自分の仕事が、世の中のため、人のために役立っている実感を得られることですね。先にも述べましたが、電気は人々の暮らしに必要不可欠な生活インフラです。自分が属している企業・組織の仕事がダイレクトに社会に貢献できていることに喜びを感じます。日本では、当たり前に電気が安定して供給されていますが、これは世界のスタンダードではありません。停電が毎日のように繰り返されている国も多い。ずっと電気がついている状態が保たれているというのは実はすごいこと。日本の電力会社の高い技術力と、強い使命感がそれを可能にしているのです。当社も、その一翼を担っているという誇りがあります。今は、電力なくしては、生活も仕事も立ち行かなくなってしまう時代です。社会の基盤を支えているというやりがいは非常に大きいですね。

人生のターニングポイントになった出来事はありますか？

2016年から3年間、東京電力のワシントン事務所に赴任しました。そこで受けたカルチャーショックが、組織のあり方や人財の活かし方を見直すきっかけになりました。アメリカの多くの企業は、「ダイバーシティ＆インクルージョン（D&I）」を大切にしています。これは、従業員の個性や多様性を大切にし、それを受け入れて活かす、という考え方です。そういった面では、日本はまだまだ立ち遅れていると感じました。同じような考え方の人ばかりが集まる組織は変化に弱く、生き残ることが難しい。バブル景気やその崩壊を体験し、さまざまな社会情勢の波をくぐり抜けてきた経験からも、それを実感しています。特に今は、新型コロナウイルスの流行や環境問題など、世界的に情勢が安定しない時代。ますます多様性のある組織が求められていくでしょう。アメリカでの経験を生かして、当社でもD&Iを目指し、さまざまな人財が個性を大切にしながら働ける環境を整えていきたいと思っています。

どんな人材に来てほしいですか？

現状に満足せず、どんどん新しいチャレンジをしたい、と思っている人に来ていただけたらうれしいですね。当社は、今後10年間での売上倍増や顧客の拡大など、高い目標を掲げています。そこに向けて、会社と共に成長していただける方を求めています。変化を受け入れるには覚悟が必要ですが、現状維持は衰退につながる、というよりも現状維持は無に帰すといっても過言ではないというのが私の考えです。ずっと昔、自動車が誕生すると、それまで主流だった馬車はあっという間に影を潜めてしまいましたよね。今も、テクノロジー変革の波が来ており、同じようなことが起こりつつあります。現状維持に注力していてはすぐに世の中に置いて行かれてしまう。だからこそ、多様な個性を尊重し、変化に柔軟に対応できるしなやかで強い組織にしていきたいという想いがあります。電力の知識や経験は必要ありません。当社にはどんな業界で培ってきた経験も活かせるフィールドがあります。ぜひ一緒にチャレンジしていきましょう。

社員にどのように成長してほしいと考えていますか？

当社は東京電力のグループ会社であり、現状9割以上の案件が東電関連の仕事です。しかし、今後はグループの枠組みだけにとらわれることなく、サービスや顧客を拡大していきたいと考えています。そのためには、東電と共に培ってきた技術を「他の場所でも活かせないだろうか？」という視点を常に持つことが大切です。世の中にある課題や問題にアンテナを張り「この課題は、私たちの技術で解決できるかもしれない」といった見方ができるような人財になってほしいと思っています。また、電力の仕事は多岐にわたっており、実にさまざまな組織や企業と協力することによって人々の生活を支えています。最近では、カーボンニュートラルの推進により大手自動車会社と協業し、EV車の充電システムの開発を行ったり、再生可能エネルギーを活用した街づくりのプロジェクトを手がけたりもしています。当社が活躍できるフィールドは、今後ますます広がっていくでしょう。社員のみなさんには、ぜひ世の中の期待を上回るような仕事をしてほしいですね。