株式会社NTQコンサルティングジャパン | インタビュー

代表取締役社長　石川明氏

ご略歴をお教えください。

2000年にホストコンピュータ系のシステム開発会社にエンジニアとして入社しました。ところが、COBOL等を用いてのホストコンピュータ系には一切触れず、当時広まり始めていたJavaや.NETといった新しい言語を誰からも教わらずにマスターし、新分野であったWeb系やWindows系の開発プロジェクトに従事しました。その会社には2年半在籍し、その後、大手キャリア系システム開発会社に転じ、2019年まで15年間在籍しました。そこでは、通信会社の基幹システムの刷新や買収した携帯電話会社が運営するオンラインショップの刷新、ネット上で運営される通信制大学の構築等、もっぱら親会社の新規事業開発に携わりました。その間の2017年に、NTQと出合ったのです。その前に、ニアショア開発にチャレンジしました。同じ日本人だし、ある程度の情報を提供すれば大丈夫だろうと踏んで、1回キックオフをした後にリモート体制で進めていったのですが、結果的に大失敗。依頼や管理が甘かったと反省したのです。その半年後ぐらいに、当時の社長から「オフショアをやってみないか？」と紹介されたのがベトナムのNTQでした。ニアショアで大失敗したのに、言葉も文化も違い、時差もあるオフショアなんて確実に失敗すると当初は思ったのです。しかし、発想を転換。ならば、成功させるためにはどうすればいいかを考え抜き、出した結論が「ドキュメントを沢山渡す」でした。正しく詳細な情報を提供すれば、仕様通りのものができるはず、と。その結果、納期も品質も思い通りに仕上がってきたのです。その後も同様の方法で行ったら、やはり上手くいきました。自分のオフショア依頼方法の正しさを確信できたのです。自分でやりたいことができて2019年に独立し、会社を創業しました。一方、収益を得るためNTQの案件をサポートする形で関わり続けていたところ、2021年9月に「一緒に会社を創りませんか？」と声を掛けられ、2022年5月にNTQコンサルティングジャパンを設立したという経緯です。自分の会社はまだ存続させていますよ。

会社を設立した際、どんな会社にしていこうと考えましたか？

日本のIT人材が大きく不足している中、日本を良くしていくためにオフショアのリソースを最大限活用していける会社にしようと思いました。日本人は、オフショアと聞いてもよく分からなければ不安を感じて使わないでしょう。だからこそ、そういった不安を払拭できる提案やサポートに力を入れていくということです。オフショア開発拠点としては、以前は中国が中心でしたが、その後政治的なリスクが強まり、今日ではベトナムが中心となっています。ベトナムは日本との時差が2時間ぐらいで親日的であり、勤勉な国民性があります。何より、若くて優秀なエンジニアが沢山います。非常に魅力的ではないかと思いますね。

石川さんの仕事観をお聞かせください。

ハードづくりは設備等に多額の資金が必要ですが、ソフトウェアのプログラマーは、ネットに接続したPCが1台あれば、アイデア次第で世の中を変えられるプロダクトをつくれると思っています。そこに大きな魅力があると思っていて、私が自分の会社を起業したのもそんな思いがあるからです。私は教育系の事業に関心があり、ITを活用した教育がもっとできるのではないかと思っています。そこで、自分がプログラミングを覚える際に暗記することが不得意だった経験から、効率的に記憶できるアプリを開発しました。当社の経営の傍ら、時間がある時にこのプロダクトをさらに磨き続けて世の中の役に立てればいいと考えています。このように、仕事には人が何かに困っていることを解決するためにあるのではないかといった思いがありますね。

社員に対して、どういった存在になってほしいかの思いをお聞かせください。

人は誰でも嫌な仕事はしたくないと思います。それでも、実際のプロジェクトでは嫌なことも沢山起こります。それでも乗り越えていかなければなりません。ならば、やりたい仕事をすべきです。やりたい仕事ならば、嫌なことでも乗り越え、続けていけるからです。常に最新技術が生み出されるこの業界は、学び続けなければ生き残っていけません。その学びは、自らの知的好奇心のままに吸収していく形が理想でしょう。そして、学んだ知識を活かし、最大のパフォーマンスを発揮する。その結果、価値が生まれるのだと思います。当社では、そんな仕事をしてほしいと思いますし、それができるような環境づくりに力を入れていきたいと思っています。加えて、仕事だけでなくプライベートも同じくらい重要ですので、両者のバランスがしっかり取れるような体制づくりにも努めていきます。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

プログラミングが本当に好きなので、趣味としてもよくソースコードを書いています。仕事とは直接関係ない、新しい技術を試してみたり、思いのままプロダクトをつくってみるといったことが多いですね。あと、40歳でマラソンが好きになり、コロナ前は年に2回はフルマラソンの大会に出場していました。読書も好きで、ためになりそうな中国の古典とか世界の権威の著書、技術書等もよく読んでいます。