代表取締役社長　西野 恒五郎氏 1978年12月生まれ。大学在学中にIT企業を起業。2004年2月三和システム株式会社に入社し、取締役に就任。東京オフィスを立ち上げ、数々のゴルフ場経営再生事業に携わり同社をゴルフ場基幹システムのシェアNo１企業に躍進させる。2011年1月に同社の代表取締役社長に就任する。2015年2月に同社の医療事業部門を分社しマーソ株式会社を設立し、取締役会長に就任。2017年3月に代表取締役社長に就任（現任）。

医療事業をスタートされたきっかけを教えてください。

私が代表を務めていた三和システムでは、ゴルフ場の予約システムや顧客管理システム等、ゴルフ場経営のDX事業を手掛けていました。その時の取引先が2007年にクリニックを開設されることになり、それに伴ってインターネットで人間ドックや健康診断の予約を受け付けるWEB予約システムの開発依頼を頂いたことがきっかけです。開発してリリースしたところ非常に好評で、そのクリニックでは電話ではなくインターネットでの予約が主流になりました。 

その後、大手企業の健康保険組合の従業員向けに健康診断の予約管理をインターネットでやりたいとご相談いただき、健康保険組合向けの予約システムを開発しました。こちらも高い評価を頂き、多くの依頼を頂くようになっていったのです。そして2012年4月に人間ドック・健診予約システム『MRS』を開発し、提供を開始しました。

人間ドック・健診予約ポータルサイトを提供開始された経緯を教えてください。

三和システム時代に、医療事業の一つとして、医療施設向けのホームページ制作と予約システムを提供していました。その時、お客様である医療施設の方々から「自分達単独ではサイトから集客が難しいので、予約ポータルサイトを作ってほしい」という声を多く頂いたのが開発を始めたきっかけです。 

そして2013年1月に『MRSO（マーソ）』をリリースし、サービスを開始しました。現在、提携医療施設は1,500を超え、おかげさまで掲載数、予約数No.1の人間ドック・健診予約サイトへと成長しました。 予防医療をより身近なものにするため、約8,000プランを価格・場所・検査コース・日程から検索できるようにしています。また、全国の提携施設で使用できる人間ドック・健診共通ギフト券『マーソギフト券』の発行や、大手生命保険会社とのリワード連携、ホテルや旅行サイトとのプラン提携等、様々な取り組みを行っています。

「＋8Y 健康長寿社会の実現」というミッションについて教えてください。

医療事業をスタートした頃、ドクターと話す機会がありました。その時に、死因のトップであるガン、心疾患はいずれも「静かに進行する病気」で早期発見であるほど完治する可能性も高いこと、放置したまま進行させてしまうと治療、闘病に至り本人の負担やご家族の負担、経済面でも負担が非常に大きくなることを知ったのです。私は学生の時に経営戦略論を学び、最善の策は戦わずして勝つことだと考えていたので、ドクターからその話を聞いた時、ピンと来ました。我々が一般的に持つ医療のイメージは病気と闘う治療がメインですが、予防のための医療こそまさに「戦わずして勝つ」であり人にとって価値が高いことではないかと思ったのです。そのことをドクターに話すと、先生達の見解もまさにその通りでした。 

ITで予防医療機関をサポートしもっと予防医療を身近なものにしていくお手伝いをしたい。そして、予防意識促進、生活習慣改善、病気の早期発見等へと繋げ、健康寿命8年の延伸を実現したいと考え、「＋8Y 健康長寿社会の実現」をミッションとして掲げました。

御社の特徴・強みを教えてください。

「業務の最適化」と「CRM、マーケティング力の向上」の両方を実現するシステムです。 多くのユーザーに活用いただくことで進化を続けてきました。当社の組織はご利用者、現場に近いところでそのニーズに対応するシステム開発をしながら進化させて行くことが得意です。 環境変化に対する対応力にも自信があります。当社は2021年1月に、国がワクチン接種を開始すると同時に、『新型コロナウイルス ワクチン接種WEB予約サービス』をいち早く提供し、全国の市町村や、防衛省の大規模接種の予約業務をお手伝いしました。大規模で優れた技術力を持ったIT企業は沢山ありますが、このスピード感でサービスを開発して提供し、安定したシステム提供を継続しています。 パンデミック終息へ貢献したいという強い想いを全社で共有していました。「迅速なワクチン接種」へ向け早期に最適な予約システムを提供出来たチームを誇りに思っています。私は個人的に“有事テック”と呼んでいますが、とても心強い仲間です。常にビジョンを共有し何かあった時に、素早く対応できる力を備えているのが当社の強みです。

最後に皆さんにメッセージをお願いします。

私も起業して20年が経って、何のために起業したかを考えることがあります。ITで社会に貢献したい。それこそが私が会社を起こし、事業を続けている理由だと思います。ゴルフ業界ではIT技術で経営のV字回復を実現し再び業界を元気にすることができました。そして今、マーソでは予防医療、健康寿命という今後の人類にとって大切なテーマに取り組んでいます。 

医療は大きな産業ですが、その中で予防医療は、比較的大きくない領域です。私達はITと最先端技術を結集することによって、予防医療を大きく育て、それによって人生で元気でいられる時間を増やそうという非常に価値の高いテーマに挑戦しています。ITによりヘルスケアを進化させることは、産業革命やインターネット革命にも匹敵する重要な変革だと考えています。そんな私達の目的に興味を持ち、楽しく一緒に取り組んでいただける方に是非ジョインして頂きたいです。