株式会社WOWOWコミュニケーションズ

BS放送サービス事業者である株式会社WOWOWのグループ企業として1998年に分社化され、コンタクトセンター運営やテレマーケティングサービスを提供する企業として設立された株式会社WOWOWコミュニケーションズ。現在は、コンタクトセンターの運営やデジタルマーケティング事業に加え、データリサーチ、Eコマースサービスの展開等、幅広いマーケティング関連事業にも積極的に取り組んでいる。設立以来、会員数が約250万人に上る『WOWOW』のサービスに関する分析を担ってきたという特徴を持つ同社だが、現在はグループ企業として『WOWOW』のマーケティングを担うだけではなく、そのノウハウを活用したサービスをグループ外に展開する事業にも注力しているという。

「2005年前後から、当社はいわゆる“外販”という形でグループ外へのサービス提供に力を入れ始めました。現在は、対『WOWOW』のものと外販との比率はほぼ同じ事業規模になっています。そこで生きているのが、コンタクトセンター運営やデータ分析といった事業で培ったノウハウであり、デジタルマーケティングにおけるサポートを求めるクライアント企業の課題解決を実現しているのが、当社の現在の姿だと言えます」

そう語るのは、同社の常務執行役員・田口英俊氏だ。ユーザーからの声を収集し、そのデータの分析結果をマーケティングに活用してきた経験を現在の事業のベースとしている一方で、親会社であるWOWOW社の“挑戦的”な事業への取り組みという企業文化も、現在の同社に根付いているという。つまり、定性的データを追跡しながらグループ化し、その結果からマーケティング施策を立案、PDCAを回しながら新たな事業ステージを目指すという文化が、脈々と受け継がれているのが同社の特徴なのである。そして、そのスキームをビジネスとして確立し、グループ外の企業をクライアントとして価値提供を行うことを推進しているのである。

「データ収集に関しては、初期の段階は単純なアナログ的データでしたが、インタビュー形式でお客様からご意見を頂いたり、コミュニティのようにグループ化してまとめた分析結果を考察したり、独自の手法を確立してきたのが当社の取り組みの特徴です。その手法を活用し、また新たなデジタルという要素も踏まえながら、マーケティングというキーワードで横串を通した形のサービスとして拡大していきたいと、当社では考えています。」（田口氏）。

今後の事業展開に関してそう語る田口氏だが、その挑戦を支えるのが「顧客接点」をより重視するという姿勢だという。これまで、現場においてユーザーとやり取りを重ねてきた“プロ”としての知見を研ぎ澄まし、自社のサービスに関する価値を高め、他社サービスとの差別化を図る。それが同社の考えであり、電話によるコミュニケーション、デジタルマーケティング、物販や旅行サービス等、幅広い事業にシナジーを生む上での基盤を「顧客接点」とすることで、自社の事業を総合的に展開していくというのが、同社の今後の戦略なのである。

「コンタクトセンターの運営やデジタルマーケティングという事業を両立している企業はありますが、自社でＥＣ事業まで手掛けているケースはなかなかないと思っています。お客様の情報を分析して、その結果をBtoB、BtoCサービスとして展開しながら、トータルな事業として伸ばしていきたいというのが当社の考えです。ある意味では挑戦的な取り組みだと思いますが、国内のサブスクリプションサービスのパイオニアとも言える「ＷＯＷＯＷ」の文化として根付いている「挑戦」を繰り返し、そしてその価値を外部にも展開していきたいと思っています。」（田口氏）。

今後、新たなメンバーとして加わる人材には、「幅広い事業をトータルに考えられる面白味を感じてほしい」と田口氏は語っている。デジタル領域での取り組みを推進する今後の展開においては、グループ外の人材も広く募りながら、自社の文化とその人材の経験を融合させることが価値創造に繋がるというのが、田口氏の考えなのである。

「当社では、プロパーの社員、キャリア採用で中途入社した社員が、それぞれの知見や触れてきた文化を融合させながら業務に取り組み、クライアントにフィットする課題解決策を生み出していると言えるでしょう。デジタル領域のビジネスは新しいものが生まれ続けるという成長過程にありますし、当社の業務に関しても固定的なものはまだまだ少ない状況です。つまり、メンバー達がやりたいことや新しくチャレンジしたいことに関しては、積極的に提案することですぐに実行に移せる環境になっていますので、そこに大きなやりがいを感じていただけるのではないでしょうか」（田口氏）。

2021年度の売上高として100億円を達成した同社だが、今後はさらなる収益拡大を目指し、中期的には、20%以上の売上成長を目指しているという。そのために、デジタル領域での事業拡大を中心とした戦略を実行しているわけだが、その取り組みを担う人材にはどのようなことを求めているのか。その問いに対しても、田口氏は「顧客接点」を重視する姿勢で取り組むことだと答えている。

「当社のサービスに関して、最大の目標はお客様に高い満足を得ていただくこと。その取り組みのベースとなるのは、お客様に寄り添うマインドを社員一人ひとりが重視するという、私達の姿勢だと思っています。顧客接点を重視し、お客様に寄り添いながら求められるサービスをデザインし、広告や制作等、そして新しい企画に発展させていくことが大切だと、私は考えています。」（田口氏）。

複数の事業を展開する企業である同社には、自身の経験やスキルを最大限に発揮する多様な人材が在籍し、お互いに学びを得ながら日々の業務に取り組んでいるという。その人材に共通している素養として田口氏が挙げているのが「真面目さ」「真摯な姿勢」であり、その人材達がコミュニケーションを通して意思疎通を図りながら挑戦を続けているのが、同社の環境にある特徴だと語っている。

「挑戦しやすい企業風土と同時に、『WOWOW』というブランドが生み出している安定感も当社で感じていただけるはずです。業務に取り組む上では、その人が得てきた経験や知識がストレートに生かせる環境だと思いますので、ユーザーとの関係性を生かしながら新たな価値を生み出したい、尖ったアイデアを仲間達と共に形にしていきたいという思いを持つ方には、是非思い切って来ていただきたいと、私は願っています」（田口氏）。

働き方に関しても多様性を尊重している同社では、半日単位での取得が可能な有給休暇制度や、現業とのバランスを前提とした副業認可制度も整っているという。自由度の高い勤務スタイルで自分らしく働ける環境の中で、顧客接点をキーワードにした新たな価値を生む事業、そして多様性を発揮できる業務に力を注げる大きなチャンスが、同社にはあるということだ。