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インタビュー画像常務取締役 執行役員 経営推進担当・北川 勝彦氏 1964年生まれ。1986年、大学卒業後に新卒で航空測量会社に営業として就職。コンピュータへの関心が強まり、2年目に退職。短期講習と独学で基礎的な知識を身に付け、1987年、京都電子計算株式会社にシステムエンジニアとして入社。大学向けシステムのソフトウェア技術者としてキャリアを積みながら営業職も経験。その後はネットワーク技術者のキャリアを積み、総務人事を経て、現在はコーポレート担当役員を務める。

北川常務ご自身もご転職の経験がおありですね。経緯をお話しいただけますか。

初めてコンピュータに関心を持ったのは大学時代です。大学時代、私は地理学を専攻していました。地理は、高校の社会科ではあまり人気のない科目ですが、大学で専門的にやると非常に数学的な要素や理学的な要素が必要になってくる学問です。演習で多変量解析が必要となり、手計算では限界があったので、友達が持っていたポケットコンピュータを借りて計算していました。今後は、電卓以上の機能を持った電子計算機が必要になってくるということを学生時代から感じました。 学部卒業後は、航空測量会社に営業職で入社しました。測量や地図に関わる仕事がしたくて応募しましたが、一番入りやすかったのが営業職でした。ただ、当時は測量業界でもデジタル化が始まったところで、今後は測量や製図にもコンピュータが必要になると感じた途端、地図や測量そのものよりも、それらを進化させる道具であるコンピュータに興味が出て、コンピュータの会社に変わろうと思いました。 どうすればコンピュータの仕事ができるのか自分なりに調べて、すぐに出てきたのが当社でした。新しく出てきていたソフトハウスやシステム開発会社等はまだまだ海のものとも、山のものともつかない時代でしたので、コンピュータの会社に入るというと、60年代頃から存続していた計算センターに入るというのが、スタンダードだったと思います。 その当時に使われていたのは大型コンピュータです。COBOLのプログラムを作り、お客様に成果物として給与計算等の処理結果をお届けするという仕事が主でした。今のように専門学校や大学でしっかりとコンピュータの基礎勉強をする課程もありませんでしたので、会社に入ってから覚えましょうというおおらかさがある一方で、国の情報処理技術者資格は既にありましたので、試験を受けて合格すればある程度力量を認められるという時代でした。

京都電子計算は、どのような市場やお客様をターゲットとして設立された会社なのでしょうか。

当社は、幅広く地元のお客様にサービスを提供することを目的として作られた会社です。創業当時は、様々な民間企業に営業をかけていて、京都発祥の有名企業各社とも取引していたようです。まだコンピュータも珍しく貴重でしたので、業務計算をするに当たって、当社のような情報処理の専門会社に委託されていたのです。 ただ、世界に通用するような大企業は、そのうち自社でIT化を進めていきましたので、我々は生き残りをかけて、公共団体と教育機関、さらに医療機関にシフトしていきました。その後、医療機関のシステムでも専門特化が進み、電子カルテ等が出始めた頃からは、普通の地元企業のシステム開発力では追い付かなくなり、結果的に当社も医療分野からは撤退し、現在の自治体分野と文教分野に特化することになりました。

近年の成長性についてお話しください。

2020年以降の数年間はそれ以前よりも売上が伸びましたが、コロナ禍による特需というべきものですので、成長性と言うと語弊があります。 ただ、今回、改めて感じたことは、当社の需要は減らないということです。自治体や学校というマーケットは安定していますし、地元京都に根差した展開と、全国に向けてのサービス提供ということもあり、需要は堅牢です。直近の数年間は、テレワークや業務のオンライン化が進み、それが追い風となりました。今後は物価高や物不足が影を落とす可能性もありますが、工業製品等とは異なり、我々はサービスという形を採っています。コンピュータがなければインターネットもソフトウェアも動かないと言われればそれまでですが、ソフトウェアやサービス提供自体が止まるわけではありません。我々の頑張り次第で、何とかなるのではないかと考えています。そういう意味では、“時代に愛されている仕事”なのかなとも思いますね。

エンジニアの素養として大事なことをお話しください。

「コンピュータが好きだ」ということは、非常に大事な要素だと思っています。 私は一般の人々がコンピュータを触っていない時代に、興味を持って取り組みたいと思い、パソコンを買って自宅の電話回線でネットワークに繋ぐということを趣味にしていました。四六時中コンピュータと触れていることが楽しくて、そこから私なりに新しい発見を見出していました。それを与えられた仕事としてやっていたら、結構つらかったのではないかと思います。なので、本当にコンピュータが好きな人にまずは来てほしいというのが、基本的な考え方です。 ただ、好きと言っても、ただユーザーの立場で、ワープロを使っているとか、インターネットを見ていますということではありません。未来に興味や関心を持って、新しい何かを生み出そうとする姿勢を持ってほしいですね。それをイノベーティブと呼んで良いのかどうかは分かりませんが、従来通りで満足しない方が良いと思います。 私自身は最新のOSやデバイスが大好きです。もちろん全てが素晴らしいわけではなく、良い、悪いはあります。人間の作るものですから、これは良くないよね、というものも当然ありはしますが、少なくともコンピュータの世界には、「これはいつになっても良い」という成熟した年代物の名品はあり得ません。昨日よりは今日、今日よりは明日という世界だと思いますので、いくつになっても前を見ることを忘れずにいてほしいです。

求職者の方へのメッセージをお願いします。

現在は転職がしやすい世の中になりましたので、転職する理由も多様化してきていると思います。ここ数年、転職して当社に来ていただく方や、当社から他社に移っていく方を見ていると、嫌なことを回避してやりたいことをやるという方が増えているように感じます。それはそれで正しいとは思います。「前の会社のこういうところが嫌だった」とか、「これがやりたかったのに、前の会社ではできなかった」という、個人の中にある課題や問題、不満が出てきて転職に繋がるというのは、よく分かります。 ただそれだけではつまらないので、その後のビジョンをしっかり持ってほしいなと思います。私も1回だけ転職を経験したことがありますが、前の会社を退職した要因は、やはりネガティブなものでした。とりあえず入りやすいと思って選んだ営業が、「こんなつらい仕事ができるか」と思った部分はあるのです。その後、そこだけを見て転職活動をすると、同じ営業でも楽な会社とか、営業じゃない事務の仕事、という ふうに、消去法的な考え方になってしまうと思いました。1カ月から2カ月悩んで、出した結果が「やりたいことをやろう」ということでした。そして、短期講習と独学でコンピュータの勉強をして、コンピュータの会社に入ろうと決めました。しかも、営業でも事務でも何でも良いという考え方ではなく、エンジニアとして入ろうと考えて当社に転職しました。 離職理由は何でも結構ですが、次に当社で働こうとした時に、「これがやりたい」「こうなろう」というような明確なビジョンを持っていただけたら嬉しいです。そして、そういう方にこそぜひ活躍していただけます、と言える会社であり続けたいと思います。

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