株式会社アマネクト

主にSES事業を手掛けている、システム開発会社の株式会社アマネクト。同社の開発実績は次のとおりだ。

●オンラインゲーム：オンラインゲーム本体、およびイベント運用系システム、ポータルサイトの開発を包括的に担当。
●携帯キャリア向け工事管理システム：5G基地局の設置条件の選定や施工会社への工事の発注、進捗を管理するシステム。
●車載機器メンテナンスシステム：エンジン制御や電子機器などの状態をチェックするリアルタイムOSによるシステム。
●アミューズメント施設向け音声認識上映システム：音声認識により動的に動画コンテンツを切り替え可能なシステム。
●企業合併に伴う基幹システム統合・改修：Web画面の開発やREST APIによる外部システムとの連携を担当。

「仕事は楽しみながらやりたいという強い想いが根底にあります。そのためには、自分たちがやりたいこと、できることを通じて誰かのお困り事を解決することが重要です。その結果、自分たちはもちろんのこと、お客様やエンドユーザー、さらには自分たちの家族までが幸せになることを目指しています。」と代表取締役の畠山政信氏は話す。

同社の事業運営スタイルの特長は、関係性が深い取引先より提案される案件の中から、自分たちが必要とする案件を選定し、クライアントと一緒になって課題解決に取り組むこと。例えば、車載機器メンテナンスシステム開発の仕事。このシステムによって事故を防ぐことで、エンドユーザーや自動車メーカーに貢献できる。こうした意義をそれぞれの案件ごとに深く認識することを重視している。畠山氏はさらに次のように加える。
「要件定義や設計から開発、テストまで一貫して担当することはもちろん、同業他社のエンジニアを含めてのプロジェクト・マネージメントを担うケースもあります」

これらにより、同社のエンジニアは設計やプログラミングの能力だけでなく、新しいクライアントのプロジェクトであってもスタート直後からプロジェクトメンバーと打ち解けて業務に取り組んでいける能力も備えていることが強みだ。

同社は、畠山氏によって2019年7月に設立された（インタビュータブ参照）。畠山氏は300名規模の中堅システム開発会社でエンジニアとしてのキャリアをスタートし、後に人との繋がりで2社の創業期にジョインする。
その後、「自分が何ができるか、何を創り出し次世代にはどうやって渡せるか、やりたいことをチャレンジし続けるにはどうしたらよいか」という考えに賛同した仲間が集まり、アマネクトを設立する。

会社のコンセプトは、「世の中に対し幅広く次の世代への続くような技術、製品、サービスを提供する」というもの。そこで、社名は“遍（あまね）く”と“NEXT”を掛け合わせて“アマネクト”とした。その思いを、畠山氏は次のように話す。
「多岐多様にわたり常にアンテナを張り続け何事にもチャレンジし、実現する企業を目指しています。様々な事柄を実現するには個人、ひとりひとりでは限界があり、それぞれで得意分野も異なります。多方面の方々との出会いを大切に、各々の得意分野を生かし日々成長、発展しながら、お客様をはじめアマネクトと接する皆様と楽しみ続け幸せになれればと考えています。」

今後は、SES事業を通じて培った技術や経験をさらに創造的に発揮する機会として、自社サービスにもチャレンジする意向だ。
「サービスを検討しつつ、個別に準備運動を始めています」（畠山氏）。
メンバーの一人は、スマートフォンアプリ開発の中でマネタイズを含めたサービス開発のノウハウを学んでいる。そのほか、親子向けプログラミング教室運営や、同社の本拠地である横浜市の生涯学習センターのZoomイベント開催を支援している。こうしたネットワーキングからも独自サービスのアイデアを見出そうとしている。
「個人的な活動でも、会社としてバックアップし推進しています」と畠山氏は話す。

また、同社は人材育成やネットワーキングに役立つこととして、地域との関わりも重視。このほど、「サンタになって笑顔を届け、社会貢献を広げる」を目標に、毎年1000人以上の参加者が養護施設や障がい者施設への訪問等を行う「横浜サンタプロジェクト」に協賛。それと共に、「清掃サンタ」という街のクリーンアップボランティア活動にも参加している。

2023年2月現在、同社の社員数は5名。その風土づくりの基軸として、次の行動指針を掲げている。

●あまねく出来事に興味を持とう
●歩みを止めず、あまねくとことんチャレンジしよう
●あまねくファンとの出会いを大切にし続けよう
●アマネクトとファンとのあまねく夢を叶え続けよう
●あまねく生活、仕事を楽しみ続けよう
　……そんなアマネクトであり続けよう

この推進策として、同社ではやりたいことをプロジェクト化することで実現を目指す仕組みを設けている。その第一弾が、自社ホームページ作くり。
「誰も作ったことがありませんでしたが、最初から業者さんにお願いするのではなく、まずは自分たちで作ってみようと。稚拙なものですが、完全内製で実現させました」（畠山氏）。
先述のスマートフォンアプリ開発も、参加メンバーのプロジェクトとして位置付けている。
今後は、人材採用を意識したSNS活用プロジェクトも企画している。

「ボトムアップでもトップダウンでも、会社として認めれば誰でも自由にプロジェクトを立ち上げることができます。これを、先の行動指針の推進力にしたいですね」と畠山氏は強調する。

同社の働き方としては、在宅での客先へのリモートワーク、もしくはオフィスに出社してのリモートワークの形。但し、新しい案件をスタートさせる際は、オフィスに出社して緊密なコミュニケーションを取りながら行い、軌道に乗ってから在宅リモートに移行するという丁寧なオペレーションを行っている。
「在宅でも、オンライン会議システムを繋ぎっぱなしにしていつでも話しかけられるようにしています」（畠山氏）。

また、月1回オフィスで全体会議を開催し、経営状況の共有や各プロジェクトの状況の共有と、その後にイベント（食事会やゲーム大会など：参加自由）が行われている。

そんな同社の求める人材像について、畠山氏は次のように期待を寄せる。
「行動指針のとおり、何事にも前向きにチャレンジし、周囲を巻き込んで成長し続けられるような20～30代前半の方に来ていただけると嬉しいですね」

小規模であっても、社内や取引先、地域との緊密で良好な関係性の中で楽しく仕事をする。そんな同社の世界観に魅力を感じる人は少なくないだろう。