株式会社ムービン・ストラテジック・キャリア

株式会社ムービン・ストラテジック・キャリアは、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社だ。転職希望者が自ら登録し、キャリアコンサルタントが採用企業とのマッチングを行う登録型のエージェントで、1997年の設立以来、一貫してコンサルティング業界に行きたい人と、コンサルティング業界でキャリアを積んだ後、次の挑戦をしたい人のキャリア形成をサポートしてきた。

グローバルコンサルティングファーム出身の創業社長・神川貴実彦氏をはじめ、同社のキャリアコンサルタントの多くがコンサルティングファーム出身者。業界を熟知したメンバーによる万全のサポートに加え、同社はコンサルティングファームに関する書籍の出版やウェブサイトの運営等を通じて、コンサルティング業界の情報発信にも注力してきた。これらの取組により、転職希望者と採用企業の双方から信頼を得て、主要戦略系コンサルティングファームへの支援実績No.1、圧倒的なクライアント数などの数々の実績を上げ続けている。

業界特化で積み重ねてきた実績に加え、ひとたびできた人との繋がり、クライアントとの繋がりを長きにわたって大事にすることも特色だ。
「我々のビジネスは人起点。その繋がりは、一度、転職のお手伝いをして終わるものではありません。最初のお手伝いから3年後、時には10年経って、またお手伝いをすることもあれば、お手伝いした方が、転職した先の企業で採用責任者となり、今度はクライアントとして採用のお手伝いをすることもあります。つまり、我々が展開している事業はストックビジネスなのです。収益はフローですが、人との繋がり、企業さんとの繋がりをアクティベイトしてマネタイズするのが、我々のビジネスの本質です」
こう話すのは、取締役 経営企画管理部長の西田和雅氏だ。一つひとつの繋がりを大事にし、発展させることが、この仕事のおもしろさでもある。

西田氏は、大学時代に同社でインターンをし、その後、政策金融機関に就職。大規模な投融資案件に関わっていたものの、同社での仕事の魅力を忘れられず、正社員として戻って来たという経歴を持つ。西田氏は言う。「銀行では、とてもやりがいのある仕事をしていました。ただ、規模が大きすぎて手触り感がなかった。でもこちらでは、例えばAさんのキャリアや人生のお役に立てて感謝される。工夫をこらしてウェブコンテンツを作れば、様々な反響があり、そこから人との出会いに繋がる。そんな一つひとつが魅力的だと思います」

このようにして築いた数々の縁。創業以来、サポートしてきた人材や企業の数、厚み、広がりが同社の最大の強みでもある。

このような人との出会いや繋がりを生み出すために、同社では初期の頃からウェブサイトを戦略的に活用してきた。「ウェブサイトからは、年間数千人の登録があります。これも当社の特色の一つ。ウェブサイトからこれだけの登録があるのは、上場している一部の大手人材紹介会社だけです」と西田氏。確かに、手広く手掛ける大手と異なり、ごく一部のハイキャリア層に絞ってビジネス展開をしている会社ながら、これだけの登録があるのは異例だろう。
「ほかのエージェントとはサイトのつくりが違うのです。そもそもサイトをスタートしたときに、コンサルティング業界の『Yahoo!』を目指そうと考えました。業界の最先端事情を発信するメディアであり、その中の一つに転職サービスがある、という形を目指しました」（西田氏）。

その方針は今も変わらない。同社におけるウェブチームは、販促の一機能というサブの位置付けではない。転職希望者とクライアントの双方に有意義なコンテンツを作成・発信し、同時に社内の経営上、事業運営上の課題を解決するソリューションとして機能している。全てのステークホルダーに有意義なサイトとなるように、ウェブチームとフロント（エージェントサイド）がタッグを組んで、制作・運用しているのだ。

「ウェブサイトは、会社の経営、業界の動向などを充分に把握した上で作っています。そしてトップダウンではなくボトムアップ。エージェントサイドと話し合い、考えてゼロから作っています。会社を動かしている感覚もあるし、すごくやりがいがあります」。こう話すのは、Webシステムマネージャーを務める鈴木貴之氏だ。

ボトムアップを象徴するように、同社のウェブサイトは常に挑戦と試行錯誤を重ねてきた。「自分が入社した当初、ウェブサイトは2つ。これだけでは集客が難しい。細分化したニーズに合わせた入口を作ろうと金融、医療、ITコンサル、第二新卒等、次々とサブサイトを作ってきました。これまでに10以上作って、半分は撤退しましたが、そのようなチャレンジはウェルカムな会社です。失敗を次に繋げることを重視して、どんどんトライしました」と鈴木氏。

今、残っているのはコンサルタント、IT、金融、組織人事、医療、ポストコンサルタントの6つ。そして、これらを分業制ではなく、一人の担当者が企画、構築、運用を一気通貫で担い、検証してスピーディーに改善に繋げる。ウェブは、フロントサイドと表裏一体の重要な「事業」と位置付けられている。

このようにエージェントサイドと、ウェブチームを含むバックオフィスが連携し、成果を上げている同社。業績は右肩上がりだ。慢性的な人手不足、とりわけ優秀な人材が取り合いになっているなかで、クライアント側はもちろん、人材側にとっても、数ある選択肢の中から裁量のキャリアを選ぶ道標となる同社の存在感は増すばかりだ。すでにキャリアコンサルタントもウェブチームもフル稼働状態のなか、企業、人材の双方の期待に応えるために、新たな仲間を得て組織を拡充していく。

同社の仕事について「やりがいはとても大きい」と西田氏。というのも世の中には多種多様な会社、職種があり、かつ一人ひとり違う志向や能力を持つたくさんの人材がいる。必然的に転職サポートは、一つひとつが違うものとなる。やり方次第で、いくらでも広がる仕事だ。「オペレーショナルにさばいていては、単調な仕事になるかもしれません。でも、例えば上場会社だけでも約4,000社あります。自分なりに戦略を立てて広げていく必要があります。年齢もキャリアも思考も異なる転職希望の方に対しても、一人ひとり違ったコミュニケーションの仕方があります」と西田氏。最適解への道のりは常に異なる上、世の中はハイスピードで変化している。常にアップデートが必要な仕事だ。

ウェブも同じだ。社会や経済の状況は刻々と変わっている。蓄積した経験、スキルからいかに新しい手を打ち出すかが常に問われている。「自分は入社当初、起業したいと思っていました。でも、ここでは、それぞれが責任を持って自分のプロジェクトを回していく。常に経営にどう貢献するかと考えており、自分で会社をやっている感覚に近いと思います。これだけ主体的に動けるので、起業へのこだわりはなくなりました」と鈴木氏。

フロントにもバックにも共通しているのは、オーナーシップを持って仕事に取り組むこと。それぞれが裁量と責任を持ち、経営に貢献する。大変だがおもしろい。そして成果に対してはしっかりと報酬を出す。そんな同社に向いているのは、「プロ意識を持って結果を出す人。それ以外は、例えば転職回数の多さなどは気にしません」と西田氏。やればやるほど報酬だけでなく、感謝や達成感も得られる仕事だ。そこに魅かれて、コンサルタント経験者などの優秀な人材が集まってきている。

成果主義とはいえ、決して社内はギスギスしていない。基本は人の役に立ちたい思いが強い人たちの集まりだからだ。折々にランチや飲み会などのコミュニケーションの機会があり、成果が出たときには、社長がお祝いランチをふるまってくれることも。多様な人材が集まり、刺激し合い、ストレッチもできる同社。チャレンジのしがいは十分だ。