株式会社レイメイソリューション

Webシステム開発、CMS構築、ポータルサイト構築、ネットワーク・サーバーの設計・構築等、Webベースのシステムを100%受託開発で手掛ける株式会社レイメイソリューション。6名という少数精鋭ならではの機動力を活かし、高い技術力と真摯な対応でクライアントの厚い信頼を獲得している。大型求人サイトや総合病院のポータルサイト等、手掛ける業種が多岐にわたる中で、同社の技術力は高い評価を受け、確かな実績を積んでいる。

同社の特長は、社員6名の中にサーバーの構築やネットワークの設計に強いインフラ系エンジニアが在籍していることだ。Webシステムを構築する際、どれだけ優れたアプリケーションを作っても、インフラのスペックが足りなければ機能しない。かといって、オーバースペックなインフラでは、コストの増大に繋がってしまう。アプリケーションエンジニアとインフラ系エンジニアが協力して開発できる同社だからこそ、アプリケーションとインフラのバランスのとれたWebシステムを設計・構築することができるのだ。

10年以上の長期にわたり取引しているクライアントも多く、確かな技術と誠実な対応に定評がある同社。しかし、仲氏は「クライアントに100%喜んでもらえる仕事というのは、多くありません」と語る。

「1件1件オーダーメイドの仕事なので、私達が作るシステムと、お客様がイメージされているシステムの間には、必ずギャップが生じます。そのギャップに対して、限られた予算と時間の中でどうやって落とし所を見つけるかが、この仕事の面白さであり、私の役目だと考えています」（仲氏）。

仲氏は元々エンジニアではなく、営業畑出身だ。在学中からアルバイトとして在籍していたIT系のベンチャー企業で営業を勤めた後、2009年に独立して同社を設立した。営業活動や顧客折衝は現在も、仲氏が一手に行っている。

仕事を引き受けるかどうかの判断基準は、エンジニアがストレスなく完遂できる仕事かどうかに尽きるという。エンジニアの技術やキャパシティを常に考慮して、無理のある案件は、決して引き受けない。

「売り上げや納期に迫られてばかりだと、どうしても、1つ1つの仕事が“もうこれでいいや”と投げやりになってしまいます。そういう姿勢は、クライアントの信頼を損なうきっかけになりかねません。仕事を厳選することが開発のクオリティ向上に繋がり、最終的には、会社の信頼や、次の仕事に繋がっていくのだと思います」（仲氏）。

同社の5年後、10年後の目標を尋ねると、「変わらないこと」だと仲氏は断言する。

同社は立ち上げ以来、自分達の手でできる仕事だけを選び、社内で完成させる姿勢を貫いてきた。下請け会社を使って大きな仕事を引き受ける開発会社も多い中、全て自分達の手で作ることで、システムとサービスのクオリティを維持してきた。社員の労働環境を守るため、仕事の二次請け、三次請けや、システムエンジニアリングサービスは一切行っていない。

「サービスの品質を保つためには、できないことには手を出さない、というブレない姿勢がとても大切だと思っています。いつまでも変わらないままでは、会社が成長しないのではないか、と思われるかもしれません。しかし、お客様が本当に求めているのは、自社のシステムを安心して任せ続けることができる、良い意味での“変わらない”開発会社だと思います」（仲氏）。

同社に持ち込まれる案件の中で特に多いのが、他社で開発したWebシステムの保守や運用を引き継いでほしいという相談だ。クライアントが開発会社の対応に不満を感じているケースや、開発会社が下請け会社に開発を丸投げしており、その下請け会社が倒産して行き詰まっているケースも多いという。

「他社から引き継ぐシステムは、蓋を開けてみたら確かに作りが良くないこともあれば、良くできているケースもあります。必ずしも元の開発会社だけに原因があったとは思いませんが、簡単には乗り換えることのできないシステムを抱えてお客様が困っている状況は、大きな問題だと思います。私達はお客様が何十年も使い続けるシステムを作る以上、お客様に納得していただけるサポート体制を、何十年先も変わらずに提供し続けられる会社でありたいですね」（仲氏）。

変化の激しいIT業界において、「安定」や「継続」をモットーに掲げるシステム開発会社は珍しい存在かもしれない。しかし、同社のブレない姿勢と確かな技術力は、クライアントから高く評価され、多くのクライアントと長期にわたって良好な関係を築いている。既存クライアントの紹介で仕事がどんどん増え、特に営業活動をしなくとも、仕事が途切れたことはないという。

「未来のために大切なのは今、目の前にいるお客様に納得してもらえる仕事をすることです。自分達らしさをブレずに貫き、コツコツと仕事を積み重ねればきっと、5年先も10年先も必要とされる会社であり続けることができると思います」と、仲氏は自信をのぞかせる。

オーダーメイドのシステム開発に特化し、クライアントとの信頼関係を重視する同社だが、予算や納期をめぐるクライアントとのやりとりは「代表の仕事」だと言い切り、エンジニアに営業力や折衝能力を求めることはない。エンジニアには余計なストレスを感じることなく、安心して開発に没頭してほしいと考えているからだ。クライアントから無理な要望があったとしても、仲氏が代表という立場でお客様と話をして、この期間でこれだけやれば大丈夫、という形に落とし込んでからエンジニアに渡すことを心掛けているという。

「良いシステムを作るためには、エンジニアにストレスのない環境で、余裕を持って開発に専念してもらうことが、一番の近道だと考えています。私も実際に開発をやってみて実感したのですが、エンジニアには仕事をやっていく上で、集中する時間も、休む時間も、勉強する時間も、ネットサーフィンをする時間も必要です。手が空いたら好きなことをして、興味や技術の幅を広げてほしいと思います」と、仲氏はエンジニアの仕事に理解を示す。

使用するプログラミング言語はPHPだが、どんな開発環境を使うかは各自に任せている。使ってみたい技術があれば、自分で勉強してどんどん取り組むことが可能だ。新しい技術を試してみる時は、失敗してもやり直せるように余裕のあるスケジュールをあらかじめ組む等、チャレンジしやすい環境作りに余念がない。

下町の風情が残る神田のオフィスでは、仲氏と3人のエンジニアが静かな環境で、日々黙々と開発に取り組んでいる。禁煙というルールがある以外は、飲食も昼寝もネットサーフィンも自由。派手さはないが、何とも居心地の良い職場環境だ。

近年は既存のメンバーで安定した業績を築いており、ここ数年、採用活動を行ったことがなかったが、だんだん仕事が増えてきたことと、技術やサービスのマンネリ化防止のために、新しい仲間を迎え入れたいと考えている。エンジニアに求める条件は、とにかく開発が好きなことである。コミュニケーション能力は重視しないが、開発が好きな者同士、既存のメンバーと話が合えばいいと考えている。

「あくまで個人的な見解ですが、これからの時代、若い人はどんどん減って、年配の人も引退し、社会全体で仕事の量が緩やかに減っていくだろうと感じています。売上の数字ばかり追いかけていると、近い将来、苦しくなってしまう時が必ず来るでしょう。だから私達は会社をむやみに大きくせずに、社員一人一人が心地よく働き続けられる職場を、一緒に作り上げていきたいと思っています」と、仲氏は語る。