株式会社セレマアシスト

ITシステムの運用管理・運用設計のプロフェッショナル集団として、2012年6月の設立以来順調に成長を続けている株式会社セレマアシスト。代表取締役の窪田圭一氏は、大手SIerで技術者として活躍していた時に、難易度の高いシステム運用プロジェクトを次々と成功に導いた実績の持ち主。その手腕を買われ、大手キャリアから運用センターの立ち上げを任されたのをきっかけに、ITシステムの運用管理会社として同社を設立した。ちなみに、社名の「セレマアシスト」とは、「意志（セレマ）を支援（アシスト）する」という意味で、同社に関係する全ての人たちの意志の実現のために役立ちたいという想いを込めて命名したという。

同社の強みは、ITIL（Information Technology Infrastructure Library）の考え方をベースとした高い品質のシステム運用管理サービスを提供していることだ。ITILとはITシステムの構築・運用などに関するノウハウを集めたもので、ITサービスマネージメントの業界標準的な存在。同社のシステム運用は、このITILプロセスを実装したもので、ITサービス提供マネジメントシステム規格ISO20000にも準拠している。サービスエンジニアリング部技術開発課　マネージャーの松井一樹氏は次のように語る。

「当社では社員教育に力を入れており、約80名いる技術系の社員の大半がITIL資格を取得しています。そのうち20名以上が上位資格で難易度が高いITILエキスパート資格保持者です。そんな社員たちによって品質の高いITシステム運用サービスを提供していることから、数あるシステムの中でも、金融や医療といった、一瞬たりとも止めることができない社会的重要性が高い分野の運用を数多く任されています」。

システム構築から受け入れ・運用のルール作り、実際の運用まで幅広く手がけ、数多くのノウハウを持つ同社の実績は、クライアントから高く評価されている。主要取引先にはNTTグループ各社をはじめ、大手・優良企業がずらりと名を連ねており、これら企業から安定して案件を受注している。それに加えて、ここ数年で新規の大型プロジェクトがスタートするなど、業績も好調だ。売上高の推移を見ると、7億6800万円（2018年度実績）、約9億3600万円（2019年度実績）、約10憶8600万円（2020年度実績）と、右肩上がりの成長を続けており、経営基盤も安定している。

現在、セレマアシストは大阪市福島区に本社を構え、拠点として東京事業所、神戸オフィスを展開している。松井氏によると、大阪本社と東京事業所のビジネスモデルはやや違っているという。

「大阪本社では、クライアント先に当社のオペレーターやシステムエンジニアが常駐して運用サービスを提供するプロジェクトが多いのが特徴です。一方、東京には自社の運用センターがあり、社員全員が自社内でクライアントから依頼いただいたシステム運用・保守業務に携わっています」。

さらに東京事業所は四つの課に分かれている。一つは文京区の運用センター内のサービス運用課。24時間365日体制でシステムを監視し、障害が発生した時にいち早く復旧してサービス断を防ぐオペレーション部隊だ。残り三つが千代田区の事業所内にあるサービス開発課、サービスコンサルティング課、そして2022年1月に新設されたばかりのサービスソリューション課。運用センターで解決できずにエスカレーションされた障害に対応するシステムエンジニアの部隊で、この四つの課が連携してシステムの運用・保守を行っている。

東京事業所のサービスマネージメント部サービス運用課　マネージャーの平石一真氏は、同社の魅力について次のように語る。

「東京事業所の場合、自社内でじっくりと腰を据えて仕事に取り組むことができる魅力があります。また、運用センターのオペレーション部隊はITエンジニアへの登竜門的な位置づけなので、IT未経験で入社してきた方がスタートしやすいのも魅力の一つですね。実際、介護、自動車整備、医療事務といった異業界から転職してきた人が数多く活躍しています。そしてオペレーターとしてある程度経験を積んだ後、港区のサービス開発課に異動してシステムエンジニアとして活躍するキャリアパスがあります。マネージメントに携わりたい方は、運用サービスを管理・統括するサービスマネージャーとして活躍することも可能です」。

IT業界での経験がない人はまずはオペレーターから、インフラ運用・保守・構築の経験がある人はシステムエンジニアとしてさらにスキルを磨く、というように、一人ひとりの経験やスキルに応じて最適な仕事からスタートできて、キャリアアップを目指せるわけだ。

また、教育・研修制度が充実しているのも同社の魅力。特にITILの研修には力を入れている。外部講師を招いて社内で研修を行っており、教材購入、受験費用は会社が負担する。さらにeラーニングやスクーリングなどの研修も用意。社員が企画した勉強会も盛んで、サーバなどの実機を触れるラボ的な施設もある。

現在、同社では約90名体制（2022年1月時点）で、20代から50代まで幅広い年齢層の社員が活躍している。社風について、松井氏は次のように語る。

「“意志を支援する”という社名が示すように、何かやりたいことがあれば遠慮なく言えて、その実現を応援してくれる風土があります。例えば、現場のエンジニアの要望から社内に検証環境を作った例など。また、外部講師を招いてのITIL研修の実施も社員の発案がきっかけです。代表も身近な存在で、社員はみんな“窪田さん”と、“さん”付けで呼んでいます」。

快適に仕事に取り組むことができる環境づくりにも力を入れており、年間休日は125日程度。残業削減にも取り組んでおり、特にオペレーターは交替制なので残業はほとんどない。

そんな同社が求めるのは、コミュニケーション能力を備えた人物だ。東京事業所のサービスマネージメント部サービスソリューション課　マネージャーの湯本純司氏は次のように語る。

「私たちの仕事は一人でやっているわけではありません。どういう事象が起こっていて、どのように対処していきたいかをまわりの人たちにしっかりと伝えていきながら業務を進めていく必要があります。そのため、自分の考えをまわりに伝える能力は必要ですね」。

今後、同社ではエンジニアを増員し、ITシステムの運用管理・運用設計サービスのさらなる拡充を図る考えで、近く名古屋にも拠点を開設する予定だ。また、これまで培ってきたインフラ監視のノウハウを活かし、医療分野へ展開するビジョンもある。

「具体的には、服にセンサーを付けて、そこから送られてくる人の健康状態をセンターでモニタリングし、何か異常を検知したらアラートを上げて駆けつけるといったサービスです。人の命に関わることですから、これまで以上にミスが許されず、高い品質が求められます。そのためにも今後さらに品質の高いITシステム運用を行い、運用ノウハウを培っていきたいですね」。（松井氏）

品質にとことんこだわって、人々が安心・安全な日常生活を送るために必要不可欠なインフラを支えている同社。決して止めることができないシステムの安定稼働を守る仕事は社会貢献度も高く、やりがいも十分だ。未経験からITエンジニアを目指したい方、インフラエンジニアとしてさらにスキルを磨きたい方、ITILエキスパートを目指したい方はぜひ転職先として検討してみてはいかがだろう。