株式会社TakeFunSystem

大手SIerでエンジニアとして15年のキャリアを積んだ山本亮太氏が、2015年5月に設立した株式会社TakeFunSystemは、受託開発事業とSES事業を2本柱に着実な成長を続けている。初年度1,790万円だった売上は、2023年度には3.2億円にまで拡大。従業員数も創業時の3名から、24年4月には新卒1名を加え16名へと増員している。

この成長を支える柱の一つが、共同開発／販売しているBPMパッケージを軸にした受託開発事業だ。ワークフローや文書管理、MDM（マスタ統合管理）、ESB（シームレスなシステム連携）を標準実装したオールインワンパッケージ製品で、既に500社以上に導入されているという。
「自社取り扱い製品であるため、BPM製品のカスタマイズや客先導入、設定等を自社で対応することができます。また最近では、BPM製品を軸とした基幹システムの提案から設計、開発、保守まで請け負うことも増えてきています」（山本氏）。
導入企業は食品会社や証券会社、映像配信会社等の大企業から中小企業まで幅広く、総務や人事といった管理系部門で利用されることが多い。

もう一つの柱であるSES事業も順調だ。外資系を含む大手SIer2社と長く取引が継続しており、新たなプロジェクトが立ち上がった際、TakeFunSystemで人をアサインできないか、指名で打診されるほどの信頼関係が構築されている。
「当社のメンバーの多くは、7年以上のキャリアを持ち、皆豊富なシステム開発経験を有するエンジニアです。上流工程からいくつものプロジェクトをマネジメントしてきた実績もあり、その技術力と人間力を信頼いただいているのだと思います。当社には営業部門がありませんが、これまで着実に案件数を増やしているのは、それぞれのメンバーが確実な仕事で信用を勝ち取り、『次のプロジェクトもTakeFunSystemと一緒に進めたい』と感じていただけることが大きな理由だと考えています」（山本氏）。

また、将来を見据え、自社プロダクトの開発にも取り組んでいる。その第一弾となる社内コミュニケーションアプリ『Azaas』が2022年4月にリリースされた。これは“ありがとう”を見える化するアプリで、伝えた人と伝えられた人の両者にポイントが付与される。このポイントを使った社内制度等をつくれば、エンゲージメント向上施策にも活用できるだろう。
「自社プロダクトに関しては、現状、有志のメンバーによって進めていますが、トライ&エラーを繰り返しながら事業化していければいいと考えています。新しく加わるメンバーにも、いろいろなアイデアを聞いていきたい思っています」（山本氏）。

株式会社TakeFunSystemに技術力のあるエンジニアが集うのは、「楽しむこと」を大切にしている社風も関係しているのだろう。社名の由来にもなっている『Take your Fun！（楽しむときに楽しもう！）』をモットーに、やるべきことを全力で行い、楽しむ時には全力で楽しむことを大切にしているからだ。

そのためには、やりがいのある仕事、納得のいく報酬、自己成長できる環境が欠かせない。
「メンバーが個人事業主と同じように裁量をもって仕事に取り組める環境と、個人事業主では不足しがちな技術共有やプロジェクト・人材の共有、福利厚生の充実ができる環境、この２つを両立する目的で法人化したという経緯があります。そのため、エンジニアとしての働きがいやプライベートを重視する風土が設立当初から備わっているのが当社の大きな特徴です。この風土をベースに、報酬体系や社員の支援制度を整えてきました」（山本氏）。

TakeFunSystemが売上の60～80%を社員に還元しているのも、この考えに基づいたものだ。「かなり働いて売上も上げているはずなのに、給料が増えない」、「自分よりも会社への貢献度が低いのに、先輩というだけで高い給料をもらっている」といった不満を抱えながら働かなければならないことのないよう、ブラックボックスになりがちな給与の算出理由をオープンにし、メンバーが納得感を持って仕事に取り組めるようにしている。
「昇給査定は、年度目標と実績から次年度の希望年収を提示して会社と交渉する形で決めています。また、成長支援としては、月に1～2回、社員同士で情報交換や技術共有を行うための勉強会を実施し、また少なくとも年1回は費用会社負担で社外研修も行っています」（山本氏）。

将来、独立を考えているメンバーに対しては、ゼロから会社を立ち上げた経験やノウハウ、人脈等を山本氏自らが共有してくれるという。
「SEやプログラマーとしての実力を当社で身に付けてもらい、独立した後もパートナーとして一緒に仕事をしていければいいですね。社員として在籍している間も、パートナーになってからも、一緒に仕事を楽しみながら成長していきたいと思っています」（山本氏）。

2020年度から新卒採用もスタートし、着実にメンバーが増えているTakeFunSystemだが、クライアントからの引き合いは多く、その期待に応えるためにはさらなる増員が必要だ。新卒と中途で年に2～4名ほど採用していき、5年で30名規模にしていきたいと山本氏は語る。
「今後は、受託開発を拡大していく予定ですが、そのためには事業基盤をより強固にしていく必要があります。自社プロダクト開発についても同様。全ては力のある仲間が増えた先に描ける未来です。その未来に向かって、一緒に歩んでいける人を求めています」

TakeFunSystemが求めている人材とは、『Take your Fun！』の理念を理解し共感してくれる人。お客様・パートナー・同僚達を喜ばせたいという意識を持ち、仕事にもプライベートでもチャレンジしていく前向きさが欲しいという。
「技術力も大切ですが、何より『人を喜ばせたいという気持ち』を持っていてほしいですね。その気持ちがあれば、技術力を磨き続けていけるはずですし、アイデアを駆使して目標を達成するために努力できるはずですから。あとは、周りの人に気配りができて、人と人との繋がりを大事にできる人であってほしいと思います」（山本氏）。

TakeFunSystemには明るい社員が多く、一緒に飲みに行ったり、ゲームを楽しんだりする文化がある。コロナ禍前は年に一回社員旅行を実施しており、海外へ行ったことも。野球やボウリング、ゴルフ等のレクリエーションも定期的に開催していたそうだ。
「仕事中はまじめに、仕事外では楽しくが当社のスタイルです。家族やお世話になった人との食事代を年1回会社が負担したり、スポーツジム等の費用を月額上限1万円まで当社が負担する制度があるのも、仕事以外の時間も楽しんでほしいという思いからです。もし今いる職場で自分の力を発揮できていないとか、給与体系に不満がある等と感じているのであれば、当社で一緒に楽しく仕事をしてみませんか。お待ちしています」（山本氏）。