ソフトブレーン・インテグレーション株式会社

ソフトブレーン・インテグレーション株式会社は、モバイルデバイスによる働き方改革を支援するコンサルティングサービス企業。営業イノベーション事業を手掛けるソフトブレーン株式会社100％出資のグループ企業である。

同社は、大手企業を中心に、ワークスタイルを選ばずどこにいても効率的かつセキュアな状況下で仕事が行える環境を提案。スマートフォンやタブレット等のモバイルデバイスの提供から、MVNO事業者として独自に提供する高性能でローコストな回線サービス、セキュリティーサービス等、仕事の効率を上げる“ITを使う環境”に関わるあらゆるサービスをトータルで提供している。
「特にコロナ禍となってから急激にリモートワークが進展し、どこにいてもセキュアにモバイルデバイスが活用できるニーズが急増しました。当社は、企業の『どうすればよいのか？』といった問い合わせから入り、モバイルデバイス活用にはどんなリスクがあり、法人としてそれをどのように管理すればよいのかといったコンサルテーションから、モバイルデバイスおよびそのセキュアな活用に必要となる周辺プロダクトの導入、運用サポート、さらにはデバイスの紛失といったトラブル対応まで一貫して提供しており、それぞれのプロセスにおけるプロフェッショナルを揃えている点が大きな特色です」と代表取締役社長CEOの柴崎忠生氏は説明する。

主な取扱製品も、グローバルで最も用いられている信頼のブランドを揃えている。
●MDM（Mobile Device Management）
・Jamf PRO/Jamf NOW：Apple社も利用している、Apple製品向けデバイス管理ツール
・Ivanti Neurons for MDM：Apple、Android、Windows PCに対応できるマルチデバイス管理ツール
●ID管理
・Okta：6500以上のクラウドサービスにSSO機能で簡単かつセキュアにアクセスできるIDaaS（Identity as a Service）
●コンテンツ管理
・BOX：デジタルファイルの管理、共有、共同作業が行えるツール。

2006年にスタートした同社は、国内のモバイルデバイス導入コンサルティング企業のパイオニア的存在として、完成車メーカーや重機メーカー、製薬会社、不動産ディベロッパーグループ、商品企画・小売業、調剤薬局等の大手企業を顧客に持ち、総端末数として10万台弱をカバー。国内における当該領域のリーディングカンパニーとしての存在感を発揮している。

1992年創業のソフトブレーンは、営業支援システムなどで成長を続け、2000年に東証マザーズ上場を果たす。その後2004年に東証二部、2005年には東証一部への変更が承認された（2021年に上場廃止）。東証一部上場を見届けて創業者の宋文洲氏が経営から退き、交代した新社長から知人であった柴崎氏に声がかかった。
「東証一部企業として業容の拡大に取り組む必要があり、これからモバイルが法人にも必須となることを見越した事業をスタートさせることになったのです。そこで、90年代からエンジニアとしてパソコン通信に取り組み始め、ITILプロフェッショナルやセキュリティ・コンサルタントでもある私に声がかかりました」（柴崎氏）。

2006年2月、ソフトブレーン・インテグレーションが設立され、代表に就任した柴崎氏はモバイルにおけるセキュリティ問題の解決をサポートする事業に着手する。
すると、2008年7月に日本で「iPhone 3G」が発売され、2010年には「iPad」の発売が続いた。同社は、それらの普及を見越して「iOSアーキテクチャー研修会」を企画し、Webサイトで告知した。iPhoneやiPadはどんなアーキテクチャーで作られていて、そこにはどんなリスクが潜んでいてどう対処すべきか、といった内容のセミナーである。これに大手完成車メーカーが参加応募してきたのだ。
「当時、その完成車メーカーは全役員にiPadを導入しての活用を検討していて、研修会の内容が有意義だったとして、直接の導入コンサルティングを要請されたのです。70台ぐらいでしたが、この事例を機に次々とモバイル導入コンサルティングの要請が舞い込み始めました」（柴崎氏）。

重機メーカーでは約１万台のiPhone導入、流通業では全店舗へのiPad導入および全社員へのiPhone貸与で計１万台の運用、調剤薬局チェーンでは各店舗に計3000台のiPad導入といった大型の案件を次々に手掛ける。
「すると、Apple社から『有意義なサービスを行っている』と評価され、Appleのロゴが使えるApple Consulting Network（ACN）への加入を認められたのです。PC領域では先行社がありましたが、モバイル領域では日本初でした」と柴崎氏は強調する。グローバルなACNのサイトに掲載されたインパクトは大きい。それとともに、MDMとしてAppleから紹介されたJamf製品を扱う代理店にもいち早くエントリーする。

その後、Apple製品だけでなくAndroid製品にも対応すべく、取扱製品を増やす。さらにモバイルの活用が広がるとともに、ID管理ツールやコンテンツ管理ツールといった関連製品にも広げていった。
「個人では財布代わりになっていたりと、スマホなしの生活が考えられなくなっていますが、コロナを機に一層モバイルデバイスの活用が広がっている企業も同様です。企業にとってのライフラインとして、いかに安全に使い続けるかが問われています。当社は、こうした企業にとってなくてはならない存在であり続けることが目標です」と柴崎氏は話す。

同社は、モバイルデバイスの導入コンサルティングから、コロナを境に“第2創業期”として働き方改革を支援するコンサルティングへと進化を目指しているところだ。

2023年5月現在、同社の社員数は10名の少数精鋭集団だ。わずか10名で、10万台ものモバイル端末の運用支援を行っている。それが可能な要因は、徹底した自動化にある。「SBi Advanced Mobile Center」（AMC）では、24時間365日対応の紛失・盗難窓口を自動化し、必要な手続きを自動的に行うしくみを確立させている。
「新たにAMCに配属されたメンバーには、必要な業務を手作業でやってもらい、その所要時間を計測してもらっています。大抵8時間ぐらい掛かるのですが、次にあるボタンを押すと数秒で終わることを体験してもらいます。8時間も掛けて解決すると自己満足しがちですが、労働時間が増えるだけでなく、お客様にとってはそれだけ待たされて不満に感じているかもしれません。そこで、できるだけ業務の省力化を進めていることを理解してもらうとともに、皆でさらに追求していく気運をつくっています」（柴﨑氏）。

同社では、全員がサービスのプロフェッショナルとなり、取扱製品にも精通しての提案や運営を行えるよう育成に力を入れている。PMに関する勉強会のほか、各製品知識はベンダー主催のセミナー受講を支援。担当業務もローテーションし、全員がAMCのオペレーターを経験してユーザーの生の声をダイレクトに聴く機会も設けている。
「今の若手人材は、高業績が高収入に繋がるといった成功体験をしていない人が多いように思います。当社は、年2回の賞与支給の際、賞与とは別に業績賞与を加算して支給しており、5年続けています。多い人で加算分だけで年間100万円ほどになりますが、これを励みに仕事に取り組んでもらっています」（柴﨑氏）。

働き方は非常に柔軟。コロナ禍となってフルリモート体制に移行したものの、終息した現在ではオフィスワークを選ぶメンバーもいる。どこで仕事をするかは基本的に本人の自由だ。それだけでなく、プライベートの都合で柔軟に休みも取れる。副業でモデルや役者の仕事をしているメンバーは、その仕事が入った時は優先して取り組めるようにしている。また、「よさこい」のチームに加入しているメンバーは、本番前の夏季の一定期間、会社は休業扱いとなる。その他、子育て中のメンバーは出退勤時間を柔軟に決めている。「このような本人のプライベートの都合は、最大限対応している」と柴崎氏。

希望者によるレクリエーションも活発だ。
「あるメンバーが『富士山に登ってみたいが一人では行きづらい』と言うと、ならば皆で行ってみようとツアーを企画しました。同様にスカイダイビングにも行きました。一人5万円弱掛かるので、半額を会社負担にしました。もちろん自由参加ですが、参加する人は多いですね」（柴崎氏）。
そのほか、個人では滅多に行けない高級レストランを体験したり、メンバーの誕生日にはケーキを買ってきてお祝いをしたり、オフィスに豊富なお菓子を常備して格安で買えるようにする等、“食”を通じて関係性を深める多彩なイベントを行っている。
「私を除くと平均年齢は30歳程度。飲み会もよく行っていますが、ひたすら騒いで楽しんでいます」と柴崎氏は目を細める。

そんな同社が求める人材像は、明るく素直でコミュニケーション力がある人。
「当社は、わからないことは素直に『わかりません』と言える、心理的安全性の高い会社です。だからこそ、素直で吸収力のある方に来てほしいと願っています！」と柴崎氏は呼びかける。