株式会社OPTEMO

『OPTEMO（オプテモ）』は、Webサイトを訪問した顧客に対し「商談化率の高いリード」を獲得するツール。Webサイト訪問者の中から温度感の高い顧客を自動で抽出し、Webサイト上でチャットや音声通話を通してナーチャリングすることで、新規商談の獲得へ繋げる。

『OPTEMO』を導入すれば、自社のWebサイト訪問者が見ている画面をリアルタイムで可視化できる。ユーザーがWebページ上でとった行動や反応を確認できるツール「ヒートマップ」とは異なり、ページの遷移やスクロールの状況等を“リアルタイム”で見ることができる。

「接客業において、お客様が商品を手に取っているところへ、店員が話しかけて商談を進める。これをWebサイト上で実現するのが『OPTEMO』です。Webサイトを訪問した顧客にアプローチをするには、資料請求やお問い合わせを頂くのを“待つ”しかできませんでした。『OPTEMO』を使えば、Webサイト訪問者にこちらからアプローチを取ることが可能となります」（株式会社OPTEMO代表取締役・小池桃太郎氏）。

Webサイト訪問者に対して、リアルタイムチャットで声掛けができ、訪問者がワンクリックするだけで音声通話も可能。事前準備も個人情報も一切不要。Webサイト訪問者に適切なタイミングで商談をすることで、その後の契約へと繋げられる。

「Webサイト訪問者が資料請求やお問い合わせといった次の行動に進む確率は1%と言われています。万全のマーケティングでお客様を自社サイトへ導いても、次の行動に進むまで企業側にできることは“祈る”ことだけ。『OPTEMO』を導入することで、Webサイト訪問者に音声通話とリアルタイム可視化でパーソナライズされたおもてなしの提供を実現できます」（小池氏）。

自社のサービスやプロダクトに興味を持っている見込み顧客に、Webサイト上で「Web接客」「カジュアル商談」を実施する。これまでの商習慣にはなかった新しいスタイルを、同社は『OPTEMO』を通して提案している。

「マーケティングとセールスの間に小さな隙間があったため、Webサイト訪問者をセールスへと繋げる方法が限られていました。『OPTEMO』はその隙間を埋めて、見込み顧客をスムーズにフィールドセールス担当者へ繋げます。これまではインサイドセールスと呼ばれる職種が、その役割を果たしてきました。そんなインサイドセールスの人達に、メールと電話以外の手段を提供するのが『OPTEMO』というツールなのです」（小池氏）。

インサイドセールスの新しい武器。それが『OPTEMO』というツールの大きな可能性。『OPTEMO』のようなインサイドセールスツールが世の中に浸透すれば、インサイドセールスの在り方が変わるかもしれない。

『OPTEMO』には、自社サイト訪問者を通知する機能が付いている。そして、パラメーターを自在に操ることで、温度感の高い見込み顧客だけを抽出できる。温度感の高い見込み顧客がWebサイトを訪れた時だけ通知が届く設定にしておけば、Webサイトに張り付いている必要がない。他の業務を進めながら、通知が届いた時だけ、『OPTEMO』を通じて見込み顧客とコミュニケーションを取れば良いのだ。

「どのページに、どれぐらいの時間滞在しているか。あるいは、何度目の訪問か。通知設定を細かく設定できるようにプロダクト設計をしています。いろんなパターンの設定を保存しておけば、それぞれの顧客に合ったアプローチができます。パラメーター設定次第でリード獲得率が違ってきます。『OPTEMO』で温度感の高い見込み顧客だけを抽出するスキルは、インサイドセールスの新しい能力となります」（小池氏）。

Webサイト訪問者に対して最初のアプローチをチャットで行う際も、見込み顧客のタイプに合わせて条件を細かく設定し、声掛けの文言もいくつものパターンが用意可能だ。加えて、WebRTCの技術を活用したブラウザでの音声通話で、Webサイト訪問者と直接会話ができる。

2022年11月にリリースされた『OPTEMO』。日本国内に競合がいないユニークなサービスであるにもかかわらず、導入社数はわずか30社程度。これには、大きな理由がある。1年間マーケティングもセールスもせず、既存顧客と一緒にプロダクトのブラッシュアップやユースケースを作ってきた。

「Webサイト訪問者側から見れば、サイトを見ているだけで音声会話が始まって商談をされるとビックリすると思います。そのため、コール通知や通話中の画像On/Off等、インターフェースは自由にカスタマイズできる設計にしています。世界でもまだ少ないプロダクトなので、マーケティングを徹底する必要があると考えています」（小池氏）。

シリーズAラウンドの資金調達を済ませ、2024年1月には社名をサービス名に合わせて株式会社OPTEMOに変更。いよいよ本格的に事業拡大に打って出る。

2024年の躍進を目指して準備中の同社は、2月現在9名の小さな組織。2024年末までに3倍の27名にする積極採用を計画している。

企業カルチャーとして、スタートアップならではのスピード感と、いち早く行動するために「まずはやってみよう！」の精神を大切にしている。加えて、お互いに尊重し合い、立場に関係なく意見を言えるフラットな組織でもある。様々な意見から新しい価値を発見し、会社はもちろん、個人の成長へと繋げていく。

「少数精鋭でプロダクト開発を進めてきたこともあって、現在所属するメンバーは、みんな裁量を持って自由に働いています。自走するタイプの人材ばかりですから、マイクロマネジメントはしていません。今後も自由に働ける会社であり続けたいと考えています。多角的な視点で物事を捉え“今までにない面白いもの”を創り出すため、当社ではメンバーの多様性を大切にしています」（小池氏）。

中期的な展望として、2028年に従業員数200名、そしてIPOを計画している。加えて、アメリカをメインに海外進出も視野に入れているという。

「インサイドセールスは、コロナ禍で日本でも注目されましたが、国土が広いアメリカでは一般的なセールス手法です。初対面でのコミュニケーションが苦手な日本人よりも、『OPTEMO』のサービスにマッチすると考えています。アメリカにも同様のサービスはまだ少なく、日本で開発した痒い所に手が届くサービスで、アメリカでもビジネス展開したいと考えています」（小池氏）。

同社は、フルリモート・フルフレックスを採用。自由度の高い働き方を実現している。

「当社は、福岡在住のエンジニアがいます。Bizサイドも岡山や大阪に住んでいるメンバーがいます。オフィスはありますが、私以外、誰も出社してきません。必要に応じてオフィスワークも考えていますが、私がリモートワーク推奨派なので、出社を強制することはありません。私のように自宅に働く環境が整っていないメンバーが出社できるオフィスは用意しておきたいです。フレックスは、コアタイムがありません」（小池氏）。

福利厚生もメンバーの発案で充実させていく等、まだまだ一緒に会社を作っていく感覚が味わえるフェーズの同社。若い人も活躍できる自由で真面目なカルチャーを大切にする会社だ。