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インタビュー画像代表取締役社長 CEO 永冨 泰高氏 ITベンチャー企業数社を経て起業。動画QRサービスや写真館向け撮影画像配信サービスをリリースし、創業した会社でITサービスを運営する傍らで、大手小売企業のグループ入りを機に、同社にて新規事業開発、現場DXの責任者を務める。2023年8月にボイット株式会社を創業、代表取締役就任。東芝デジタルソリューションズ株式会社からフィールドボイスインカム事業を受け継ぐ。

ボイットを設立した経緯は?

前職において労働集約型ビジネスの現場効率化を手掛ける中、日本の労働人口不足問題について、大変危惧していました。医療業界や福祉業界の人手不足は社会問題となっていますし、小売業や宿泊業では人手不足が原因でビジネスの継続が危うくなるケースも発生しています。そのような問題を考えるにあたり、私が以前から携わっていたITの力で課題解決できないかと日々考えるようになっていました。 そんな折、東芝デジタルソリューションズが展開するAIを活用したしたインカムアプリ「フィールドボイスインカム」をご紹介いただく機会があり、当時の事業責任者と意気投合し、本サービスに特化した会社を立ち上げ、事業を推進した方が顧客の要望に迅速に応えられ、また、事業としても大きな成長が期待できるのではないかという話になり、事業を譲受し既存顧客数百社を引き継ぐ形で当社を設立しました。

フィールドボイスインカム事業を初めて知った時の印象は?

フィールドボイスインカムをより現場向けにフィットさせることができれば、労働集約型ビジネスの現場で発生するコミュニケーションコストを大幅に下げることができると考えました。デスクレスワーカーのコミュニケーションがアナログな手段に頼っており、それが大きな無駄を生んでいる現実を捉えていました。 例えば医療や介護の現場では、ワーカーはPHSを携帯して、何かあればそれで連絡を取っています。本部や営業所、上司から連絡が入った時、患者やお客様の対応中であった場合、電話に出るわけにもいかず、作業が一段落したタイミングで折り返しの電話をします。あるいは、小売店でインカムを付けて働いている時でも、接客中に指示を受けても即座に対応できませんし、接客しながらだと指示を的確に覚えられません。そうすると結局、接客が終わった段階で、インカムで聞き直す。 デスクワーカーだとSlackのようなテキストベースでのコミュニケーションなので、リアルタイムで対応する必要がありません。フィールドボイスインカムで現場のやりとりを見える化して保存しておけば、Slackのようなコミュニケーションが音声でも可能になります。

フィールドボイスインカムを活用して、どんな「現場DX」ができますか?

フィールドボイスインカムをインターフェースにした「現場DX」の事例は沢山考えられます。例えば、現場では口頭指示が多く、「言った・言わない」の水掛け論が頻繁に発生していますが、フィールドボイスインカムを通して会話を記録しておけば、すぐに解決します。他にも作業報告書を作成する必要がある仕事の場合、現場でフィールドボイスインカムを使って作業内容を記録しておけば、事務所に帰ってからそれをコピペしてまとめるだけで済みます。フィールドボイスインカムだけで作業報告書や日報が作成できれば、現場で働くワーカーの負担軽減にも繋げられます。現在のテクノロジーなら、音声入力による報告書の作成は難しいものではないと思います。 宿泊施設なら「PMS(宿泊施設管理システム)」、医療施設なら「電子カルテ」、介護施設なら「介護記録ソフト」等と連動させて、タスク管理やスケジュール管理も、フィールドボイスインカムをインターフェースにすると、現場のワーカーにとって効率的になります。現場で働く人は、作業中にスマホを触ることが難しい。フィールドボイスインカムからスケジュールの進捗やリマインダーを受け取ることができるので、とても助かります。

仕事をする上で大切にしていることは?

現場の仕事を肌で知ることです。以前、工場のDXを推進する責任者を任された時の話ですが、作業効率が悪くて赤字になっている工場長から、現状をヒアリングして資料を見た感じ、カイゼンを取り入れてはいるが結果に繋がらない。資料や数字だけ見ていても問題点が見えてこないので、現場で働きたいと志願して、テンポラリースタッフとして働くことにしました。 現場のワーカーとして働く傍ら、周囲の人達に働く中で無駄だと感じる点を聞いたら、いろいろと思うところを話してくれました。システム導入後、当たり前に要件が増えるとその埋め合わせはなぜか人が負担する。システムを守るために貴重な人材が犠牲になって、余計な仕事をさせられる。本来は、働く人の負担を減らすためのシステムなのに、仕組みやシステムには手を入れられず、ワーカーの負担が増え、それに合わせて販管費も上昇し、収益が悪化するという一連の流れがよく理解できました。その時の経験から、現場で起きている課題は、現場で知るのが一番だと思っています。

ボイットで働く魅力は?

裁量が多くスピード感がある点、プロダクトとお客様の距離が近い点、社会課題を解決するプロダクトを提供している点の三つです。 裁量が多くスピード感があるため、キャリアを積みたい人にとって自分がやりたいことにチャレンジしやすい環境です。会社の規模が大きくなると業務が細分化され、業務範囲が限られてしまいますよね。当社には、業務の垣根がありません。社内の品質管理ルールや社内向けのプロセスに縛られてプロダクトの成長スピードが落ちてしまうということもありません。エンドユーザーに志向したプロダクトづくりに専念できる環境は、スタートアップの魅力だと思います。 プロダクトとお客様の距離が近い点も魅力だと思っています。特にエンジニアは、ユーザーのアクセスログや使用状況をしっかりチェックしています。ユーザーに「どのように使ってもらえているか」が分かる距離感はエンジニアにとって、やりがいに繋がるのではないでしょうか。 社会課題を解決するプロダクトを提供している点も付け加えたいです。人手不足の業界に対して、人にしかできない仕事に集中してもらう世界を、私達は目指しています。その足がかりとしてフィールドボイスインカムを提供しています。日本が抱える大きな社会課題の解決の一端を担っているプロダクトを提供している。そこにやりがいを感じてもらえると、当社での仕事が楽しくなると考えます。

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