坂田さんは家業を継ぐ前に、他社を経験されているんですね
はい。社会人としての基礎は、コンサルタント時代に教わりました。当たり前ですが、どんなに忙しくても、1社1社のお客様との仕事にきちんと向き合わなければなりません。少しでも妥協すれば、お客様の業績に大きな営業を及ぼしてしまうからです。上司は厳しく、「ハードな毎日でも決して妥協するな」と口を酸っぱくして言われていましたね。戸惑いもありましたが、経営者になった今ではその大切さをさらに実感しています。あの日々のおかげで、高いビジネス目線を育てられた気がしますね。 そのコンサル企業では、タクシー会社と仕事をさせてもらう機会もありました。実は今、その企業に当社のシステムを導入させてもらっているんですよ。仕事をご一緒して十数年経っても、こうして新たな形でご縁が続いているのは嬉しいことです。
素敵なご縁ですね。そんな坂田さんのお仕事観を伺えますか
当社のシステムを広く根付かせ、地域の交通課題や企業の業務課題にしっかりと貢献することです。ITサービスは、導入することがゴールではありません。きちんと活用され、その環境を変えて初めて意味を持つんです。例えばITに不慣れな企業が業務システムを導入しても、現場では全然使われていない……という状況もよく聞きます。 そうした使命感でお客様にシステムを提供するうちに、嬉しい声を聞けるようになりました。企業では、「ずっと手書きで配車を考えていたが、自動配車システムで業務効率がグンと上がった」といった声。ユーザー側では、シニア層の外出率が上がったとも聞いています。中でも今までで一番喜んでしまったのは、「足腰が痛くて遠出できなかった男性が、地域のショッピングモールへ数年ぶりに出かけられた」と聞いた時です。導入や普及には時間がかかりますが、こうして地域の一人ひとりに役立っているんだと実感できる瞬間でした。
素晴らしいシステムを構築・提案する社員の皆さんについて教えてください
当社には、大手企業から転身して入社してきた社員も多いです。まだまだスタートアップである当社にそうして飛び込んできてくれたことに感謝しています。その上で、みんな「この会社の企業価値を大きくしたい」という高い志を持った人ばかりなんです。アイデアを提案してくれたり、自ら手を挙げて新しい業務をこなしてくれたりと、とても頼もしいメンバー達ですね。 ここからは、さらに当社の事業や各サービスのクオリティーを上げていきたいと考えています。その大きなテーマとなるのは、やはり「お客様の体験価値の向上」です。セールスメンバーには、お客様にさらに深掘りしてより良い提案をしてほしいですし、開発メンバーにも、決まった枠に収まらないシステム作りを貫いてほしいですね。それが一人ひとりのやりがいに繋がると信じています。
皆さんで価値を向上させるために、坂田さんが心掛けていることはありますか
私から課題を投げかけることはありますが、あまり最初から私の考えを伝え過ぎないようにしています。固定観念を作らず、新たな技術や情報もヒントにしながら、それぞれのメンバーに自分の手で最善の策を考えてほしいからです。 ですが、やはり私は交通業界やモビリティサービスに関わってきた経験も長いため、相談にはすぐに応じられるようにしています。そういう意味でも、当社のオフィスはワンフロア。部署ごとの仕切りや改まった社長室もないシームレスな空間です。またセールスと開発を交えて、情報共有や意見交換の場を定期的に設けていますね。 このように、日頃から部署や役職の垣根を越えてコミュニケーションが取れる環境を作れているのではないでしょうか。これから入社される方にも安心していただけると思います。
最後に、休日の過ごし方を伺えますか
私は平日の出張も多いため、週末はもっぱら家族と過ごしていますね。毎週のように子供達のリクエストする場所へ遊びに行きながら、幼稚園や学校で何があったか等、子供達と話す時間を作っています。また自分一人のリフレッシュ方法としては、定期的に通うジムやサウナで汗を流すことでしょうか。 もちろん社員にも、休日はしっかりと休んでもらっています。ごく稀にシステムローンチ等のタイミングが土日と重なることもありますが、平日にしっかりと振替休日を取ってもらっています。オンオフをしっかり切り替えて仕事に取り組める環境です。