株式会社トランスアクト | インタビュー | 転職サイトGreen(グリーン)

代表取締役社長山崎元裕氏

トランスアクトを創業するまでのキャリアは？

IT企業の経営者としては、風変わりな経歴を持っています。高校生の時にTVドラマで流れたピアノ曲を自分でも弾きたいと思い、ピアノを独学で始めました。楽譜の通り弾けるようになったのですが、プロの演奏のような表現力が身に付かない。そこで、本格的にピアノを習い始め、その流れで音大に入学しました。エスカレーター式の進学校に入っていたので、大学入学は決まっていたのですが、ピアニストになるため進路変更しました。卒業後、プロのピアニストを目指して活動していましたが、将来を見据えて就職することを考え、いわゆる公務員試験を受けて合格。その一方で、短期間で本質的に自分のスキルアップが望める業界で働きたいと考え、IT業界でも就職活動をしていました。あれこれと悩みましたが、最終的に公務員の道を選ばず、IT業界に未経験で飛び込みました。 26歳から5年間、大手IT会社に所属し、大阪でインフラエンジニアとして働いてキャリアの土台を築きました。そして、将来の起業を見据えて上京。ベンチャー企業に転職して、2007年、35歳の時に独立。当社を創業しました。

創業から現在までを振り返って、思い出に残る仕事は？

SES会社を運営するに当たって、他社との差別化が必要だと考えていた矢先、NTTデータの案件で「運用設計の再構築」という仕事が舞い込みました。既に出来上がったシステムの設計書を書くという珍しい仕事で、かなり苦労しました。グローバルなシステムの運用設計は未経験で、文化の違いや言葉の壁がある中で、どうすればこちらの考えや意図をシンプルに伝えて理解してもらうか考えながら仕事を進める。とてもいい経験をさせてもらいました。起業当初からその案件に関わり、7年後、ようやくプロジェクトを終わらせることができました。7年越しのプロジェクトを成功に導いたことで、NTTデータから評価してもらい、直取引の商流にアップすることができました。今年からNTTデータのIT部門全体の品質改善案件が始まり、責任範囲や案件の規模が大きくなり、また、関連会社からも仕事を頂く可能性が高くなってきたため、経験のあるエンジニアを増員しようと考えています。大阪で働いていた頃から、NTTコミュニケーションズのお仕事に携わっていました。東京の会社に転職してからも取引が続き、現場を変えずに所属先の会社を変える形で、引き続きインフラエンジニアの仕事をすることに。NTTグループには、長くお世話になっていると感謝しています。

「システム運用設計」の仕事の面白み・やりがいは？

運用設計の仕事は、IT業界でも少し地味かもしれません。アプリ開発のようにやりがいや面白みが見えづらいと思っています。けれども、システムを活用するエンドユーザーからすると、とてつもなく大切な工程で、運用設計をしっかりしていないと運用のコストやリスクが上がります。その意味で言えば、エンドユーザーに対して大きな価値提供をすることができ、運用設計のスキルを磨いたエンジニアは稼げます。インフラの運用エンジニアは、トラブル・障害対応が大変です。現在のITシステムやWebサービスは、24時間365日稼働しているものが大半。夜中に叩き起こされる可能性もあります。その点、システム構築や設計等も同じですが、運用設計のような上流フェーズはトラブル・障害への対応時は特に仕事がなく、その後、運用の最適化を見直す段で仕事が発生します。だから、インフラエンジニアですが働き方が安定します。上流工程にチャレンジしたい運用エンジニアがいれば、ぜひ話をしたいです。当社で上流工程担当のインフラエンジニアになって、豊かなエンジニアライフを送ってほしいと願っています。

仕事をする上で大切にしていることは？

繋がりを意識しています。人との繋がりも、次のプロジェクトへの繋がりも大切です。IT業界は、意外とウエットな人間関係をベースに成り立っています。現場で働くエンジニアとクライアント担当者の信頼関係が、新しい仕事を生み出します。そのために、当社のエンジニアはヒューマンスキルを磨いていますし、未経験エンジニアの育成においても、そこを重視してきました。その結果、クライアントから評価されるエンジニアを育成することができ、外部向けに教育サービスとして提供しています。あとは集中力も大切だと思っています。私は人生で3回、短期間で成果を出した経験があり、それを誇りにしています。1回目は、ピアノをほぼ1年間で習得して音大に入学したこと。2回目は、公務員試験に合格した時です。そして3回目が、未経験でインフラエンジニアになったことです。短期間で成果を出すには、集中力が大事。私は高い集中力を発揮するのが長所のようです。

山崎代表の趣味は何ですか？

山登りとピアノです。気分転換ができる趣味を持とうと思い、起業した頃から山登りをするようになりました。昔から体を動かすのは好きで、筋トレも考えたのですが、散歩しながら考え事をするのも好きなので、山に登れば気分がリフレッシュすると同時に頭の中も整理できると考えました。今でもたまに一人で山に登ります。自然の中でマイナスイオンを浴びて、澄んだ空気を吸い込むことで、心が洗われます。ピアノはIT業界に入った時に封印したのですが、昨年、NTTデータとの直取引が実現した際に、自分へのご褒美にグランドピアノを買いました。60歳になったら今の会社は社員へ任せ、ピアニストとして活動したい。その日を夢見て、再訓練をしています。新しいエンジニアが会社を支えてくれると私のピアノ練習の時間が増えるので、これから入社するエンジニアには大いに期待しています。