株式会社シューマツワーカー

株式会社シューマツワーカーは、副業マッチングサービス『シューマツワーカー』を展開するベンチャー企業。ハイスキルで優秀な人材を求めている企業と、収入アップ、スキルアップのために副業を探しているワーカーを繋ぎ、双方のニーズを満足させる事業を進めている。

国内に数百という副業に関するサービスがある中、『シューマツワーカー』は国内最大級の副業人材データベースを誇り、登録会員数（ワーカー数）は5万人を超え、現在も順調にその数を増やしている。『シューマツワーカー』が国内最大級の副業マッチングサービスに育った背景には、いくつかの要因がある。その一つが、フロントランナーとして市場を切り開いてきた実績。同社がサービスをローンチした翌年の2018年は「副業元年」と呼ばれており、副業マーケットで大きな変化があった年に当たる。

「2018年、厚生労働省は『原則副業禁止』の方針を転換し、副業やダブルワーク、パラレルキャリアといった働き方の多様性を推進する政策を打ち出しました。当社はタイミング良く『副業元年』の前年にサービスをリリースしており、既に会員が3,000人を超えていました。副業サービスが雨後の筍のように生まれるマーケットにおいて、先行者利益を享受できるポジションを確立し、フロントランナーとして走り続けてきました」（代表取締役 CEO・中山恵太氏）。

『シューマツワーカー』が国内最大級の副業マッチングサービスとして先頭をひた走る、より大きな理由がある。それは秀逸なビジネスモデルの設計。企業が応募した人材の中からマッチする人材を選ぶ「マッチングプラットフォーム型」ではなく、企業が求める人材を紹介する「エージェント型」のサービスとして『シューマツワーカー』を提供している。これが重要なポイントなのだ。

「『シューマツワーカー』は、企業にワーカーを紹介する事業モデルではなく、企業とワーカーそれぞれと準委任契約を締結して、副業開始後も双方のサポートを通じ、提供価値の最大化に努めています。副業マッチングプラットフォームではなく、副業人材を活用して企業のビジネス課題を解決するソリューション提案。これが『シューマツワーカー』の発揮する最大のバリューです」（中山氏）。

多くの企業は事業をグロースさせるために、優秀な人材を求めている。そのために、新卒採用だけでなく、中途採用へも投資を続けている。とはいえ、企業が求める優秀な人材が転職市場に出る可能性は限られており、優秀な人材の確保に悩む企業は少なくない。同社は、副業という働き方にフォーカスすることで、転職市場には出てこない優秀な人材のリソースを活用できる道を作っている。

「副業で働く理由で大きな割合を占めているのが、副業で他社の事業に参加することで自らの経験値を高めたいというニーズ。転職は考えていないが、自社の外でも働きたいというニーズに応えることで、企業は優秀な人材を活用する機会に恵まれます。転職のお試しとして副業を活用するケースも増えており、当社では副業から転職への流れをサポートするサービスの開発も視野に入れています」（中山氏）。

同社が副業マッチングサービス『シューマツワーカー』のほかに展開しているサービスが『freelancedays（フリーランスデイズ）』。その名の通り、副業人材ではなくフリーランス人材を活用して、企業の人材リソース確保に貢献するサービスだ。

「『freelancedays』も、ビジネスモデルとしては『シューマツワーカー』と同じです。企業へのヒアリングから求める人材を把握して、登録会員の中からフィットするフリーランス人材をアテンドします。スタートアップや大手企業の新規事業開発の現場では、正社員を雇用する余裕がなく、副業やフリーランス人材をスポットで活用する動きが加速しています。当社コンサルタントが企業のニーズを把握して、最適な人材を提供します」（中山氏）。

副業・フリーランス人材を活用することで、企業の人材に関する課題を解決している同社。「ハタラクを自由化し、人生の可能性を広げる」をミッションに掲げ、副業やフリーランスといった働き方がワーカーの可能性を広げ、人生に多くの選択肢を得られる世界を作るためのサービス運営に情熱を注いできた。

「企業の課題を解決するだけでなく、副業・フリーランスといった働き方を選ぶことで、人が自由に人材をデザインできる世の中を作りたいという願いが、当社最大のモチベーションです。企業で働きながら副業で活躍したり、フリーランスで複数の案件を掛け持ちしたりすることで、収入が増えて人生は豊かになります。もちろんスキルアップによって本業の年収アップも可能。新たな出会いによって、人脈も広がります」（中山氏）。

2016年に創業し、2017年から『シューマツワーカー』のサービスを展開してきた同社は、2023年3月、「クラウドワークスグループ」に参画。日本最大級のクラウドソーシングを運営する株式会社クラウドワークスとの資本業務提携によって、副業やフリーランスで活躍したい人材確保を効率的に進めることができる。

順調に事業をグロースさせている同社は、企業として新たなフェーズへステップアップする時期に差し掛かっており、クラウドワークスグループに参画したことで、大手企業の組織運営のノウハウを活用してコーポレートガバナンスを一気に構築していく。

「クラウドワークスグループに入ったことで、企業運営のレベルアップを目指しています。ミッションに共感した仲間が集まり、副業マッチングサービスを作り上げてきましたが、サービスの土台が固まった今、サービスの拡大期に入りました。組織としてもメンバーの増員は必須で、企業カルチャーを醸成するためにカルチャーブックを作成しました」（中山氏）。

カルチャーブックは、シューマツワーカーという会社が、どんな思いを軸に、どんなことを目指し、そのためにどんな価値観を重視し、どんな行動を基本としているのかをまとめたもの。社内のメンバーが判断に困ったり、仕事で悩んだりした際のよりどころとする正典のようなものだ。

「当社のカルチャーブックは絶対ではありません。現在の会社の価値観や方向性を示すもので、社会や組織の現状に合わせて柔軟に変化させていく予定です。社内のメンバーや入社希望の人材がカルチャーブックを読むことで、自分の果たすべき当社の役割が分かります。基本的にこれまでのカルチャーを言語化したものですが、カルチャーブックを変化させることで企業として成長を遂げたいと考えています」（中山氏）。

「ミッションを実現するために大切にするのが、バリュー。それを体現するための具体的な行動指針が、スピリッツ。組織の問題解決のためのフレームワークとしての共通言語が、ソリューション。そして、各職種で求められるものを定義したのが、スキルです。当社の現在と今後、その全てをカルチャーブックに込めました。後は、社員達にこのカルチャーブックを育ててほしいと願っています。その過程で個人も組織も成長を遂げ、『ハタラクを自由化し、人生の可能性を広げる』というミッションを実現します」（中山氏）。

同社では、もちろん副業OK。カスタマー主義を徹底し、互いに貢献をたたえ合うサンクスカルチャーも根付いている。社内イベント等が盛んで、社内コミュニケーションも実にスムーズ。そんな企業カルチャーを土台にボトムアップ型の組織へ移行し、メンバー全員の力を結集することで働き方の選択肢を増やし、人々の可能性を広げていく。