代表取締役・藤川 雄貴氏 東京で美容師として働いた後、出身地の大阪に戻り、2017年8月、友人とトラストライン株式会社を設立。代表取締役就任。2019年9月、 海外の元プロボクサーがプロデュースするボディメイクサプリ『MAY-UP』を発売。以降D2C業界未経験ながら、試行錯誤を繰り返し『MIKA WHITE』、『KILLER BURNER』等のヒット商品を生み出している。デザインも独学で習得しWebデザインを担当。人事も兼任し、社長自ら従業員のケアに携わる。

御社が事業を通して実現したいことをお話しください

当社が掲げるコンセプトは「美」です。美しさを届ける。ただ、その裏にあるのは「悩みの解決」です。人が抱える深い悩み。それは収益に繋がりやすいテーマです。深い悩みほど購買意欲に繋がります。ですから、皆さんが悩んでいることは何だろう、その悩みを解決する方法は何だろうということは、最も考えていることです。特にD2Cのお客様の中心は40代の方々ですので、40代が抱える悩みは何かを基軸に考えています。 40代は加齢の影響が出だす頃です。そこで悩みも多くなるのですが、その悩みにフィットする商品になかなか出会えない。もちろん情報は溢れるほどあります。例えば美容液などは無数に存在しています。しかしどの商品にお金を払えば良いかを決めきれない人はたくさんいます。「どうせ買うならこれ」と、安心して買える決め手がないのです。歯磨き粉もドラッグストアにいけば20円か30円しか違わない、同じような歯磨き粉がたくさん売っています。それと比べれば、当社の歯磨き粉は高額です。しかしなぜ高いのか、その理由をきちんと説明している。それが決め手となり、選んでいただける。そのようなストーリーを描いて商品を作り、広告や商品ページで訴求しています。

部署構成をお話しください

当社は最近、組織化に着手し始めたところで、あまり部署の数は多くありません。WEB制作を担う制作、商品企画、法務、広告、カスタマーサポート、物流、そして人事、経理等です。ただ、15名（契約社員含む）しかいませんので、全員、複数の役割を兼務しています。 その中で特殊なのは広告とCRMの集計を専門に担う部署です。当社はデジタル広告100％です。テレビや新聞に出ていかない理由は、成果がわかりづらいからです。デジタルの広告配信は、全て数値化できます。そのため広告の成果や効率は明確に把握できます。それがオフラインに出た瞬間に分からなくなってしまいます。当社のページを初めて見たお客様は、まず買いません。何回目に買っていただけるか、買っていただいた後は何回続けていただけるのか、広告のクリエイティブによって成果は変わるのかなど、全てを可視化するために専門人員で集計業務を行っています。

D2C事業の魅力をお話しください

D2C未経験者にお伝えしたいD2Cビジネスの魅力は、かけた労力に対する売り上げのレバレッジの高さです。例えば店舗で物を売ろうとすれば、店舗まで物を運ばなければいけません。販売促進は店舗だけではなく、メーカー側もやらなければいけません。物を動かすコストや売るコスト、人件費等、コストが嵩みます。D2Cビジネスの良いところは、パソコン1台あれば物が売れます。つまりコストと言えば、電気代と人件費ぐらいです。 そのため、1日8時間という労働時間の中で、疲弊することなく売り上げを最大化させるということを、パソコン1台で完結できます。また、店で売れば3個しか売れないものが、当社で売れば1,500個売れるのです。頭を使うことで売り上げのレバレッジを上げられる。こんなに面白いビジネスはありません。そこを理解していただければ、前向きに仕事に取り組んでいただけるはずです。

事業方針をお話しください

当社は、単なる事業規模の拡大は目指していません。もちろん売り上げは拡大しなければなりませんが、大切なのは収益の内容です。例えば他のD2Cメーカーが5億円かけて1日1,000人の申し込みを獲得しているとすれば、当社はまず、同じ5億で1,500人の申し込みを獲得するにはどうすればよいかという広告の最適化を徹底的に考えます。それがCVRという指標ですが、他社のLPで10人のお客様が訪問して1つ買うなら、当社は5人に1人が買うページを作ります。 次に考えることが、いかに継続率を伸ばすかということです。そのための施策がテレマーケティングです。通常、お客様は何もしなければ3回目か、4回目でやめられます。しかしテレマーケティングを実施することで、売り上げは格段に伸ばせます。しかもコールセンターを内製化すれば、外注に出していた時に払っていた1人当たりいくらというコストを大幅に省けます。つまりテレマーケティングにおけるコストと利益の最大化ができるのです。 このように、当社はリード獲得とアップセル、それぞれの過程で、他のD2Cメーカーが無駄に消費しているコストを徹底的に排除しています。 そのようにして利益率を残すことで、社員への還元分も増やせます。 当社はあまり全社を挙げてのイベントは行いませんが、年に1回実施する社員旅行は豪華です。過去3年は、毎年2泊3日で沖縄に行きました。最初の2年は、できたばかりの名門リゾートホテルに宿泊し、今年は宮古島の広大なリゾートシティに宿泊しました。他社の社員旅行より非常にグレードが高いと思います。旅行好きには持ってこいです。来年は海外旅行を計画しています。

社員の方への思いをお話しください

まず我々が常日頃やっていることをできるようになれば、給料は上がります。 だから、やる気があって、マネーモチベーションがある人は、ぜひ上がってきて欲しいですね。頑張った分はしっかり評価しますので、挑戦する気持ちを持っていただきたいです。 未経験でご入社いただく方は、最初は何もできないと思います。しかし、私自身D2Cをやり始めたのは2020年頃ですし、現在執行役員を務めている者は経験者ですが、彼も始めたのは4年前です。2001年に設立したグループ会社の社長は女性ですが、当社に入社するまではパートでしか働いたことがありませんでした。当社には事務職で入社して、現場の仕事をやり始めたのはやはり4年前です。逆に言えば、4年か5年頑張れば、ここまでのビジネスが作れるのです。だから夢を持っていただきたいですね。 収入が上がれば可能性も広がります。インプットがなければアウトプットはできません。お金がなくてインプットができないことは辛いです。夢を持ってお金を稼いで、しっかりインプットして、会社にアウトプットで還元してくれる。そのようなループを生み出せれば最高です。