カナダから日本に来た理由は?
日本の文化が大好きで、学生の頃から日本で生活するのが私の夢でした。日本で暮らすためにはどうすればよいのか?大学に進学する際に考え、コンピューターサイエンスの道を選びました。エンジニアになれば日本で仕事ができると考えました。大学を卒業した私は、仕事がない状態で来日。日本語も話せなければ、ビジネスビザもなく、とにかく日本に行けば道が開けると、勇気を振り絞って飛行機に飛び乗りました。 幸運にも日本でエンジニアの仕事が見つかりました。玩具メーカーのLEGO社と連携したクラウドファンディングサービス「CUUSOO」というサービスの開発にジョインすることができました。ブロック玩具新製品を募集して、投票で一番人気になったアイデアが製品化されるというプロジェクトでした。Rubyで新機能開発を担当しました。大学でRubyを学んだ経験を生かすことができました。
デジカに入社したきっかけは?
起業してスタートアップを設立しようと動いたのですが、10年前の日本はビザの条件が厳しく、どこかの会社に所属していなければビジネスビザが下りない状況だったので、あきらめて会社に所属する道を選びました。ところが、当時の日本のIT企業は、エンジニアへの待遇が悪くて、前職の会社も社長がいつもエンジニアに怒鳴っていました。残業も多くて、本当に大変な思いをしていました。そんな中で移籍先を探していた時に知ったのがデジカです。チームメンバーに私と同じカナダ人が何人かいて、エンジニアに優しい会社だと聞いて入社を決めました。 私が入社した時、デジカはソフトウェアの販売をする会社でした。20名の社員のうち、エンジニアは2名。『コモジュ』の開発はすでに進んでいましたが、プロトタイプのできが悪くて、私の最初の仕事はそのプロトタイプの修正でした。コーディングには自信があったので、2か月でリリースに持ち込みました。
デジカの決済サービス『コモジュ』のストロングポイントは、どこにあるとお考えですか?
カスタマー視点でモノづくりをしている点だと思っています。最初の開発は自社ECのための決済モジュールでした。完成したプロダクトのできが良かったのでオンラインで公開したところ、いろいろな人が使ってくれて、そのフィードバックでプロダクトはどんどん改善されました。転機となったのは、世界的に有名なPCゲームのプラットフォームが日本でサービスを開始する際に、私たちの決済サービスを使ってくれたことです。日本の文化や商習慣がわからない外国の企業にとって、自分たちと同じカルチャーを持ちながら、日本にも詳しいパートナーであるデジカは心強い味方だったようです。 日本にはコモジュ以外にもオンライン決済代行サービスがあります。ただ、大手企業のグループ会社が多く、機動力のあるアジャイル開発をできているようには見受けられません。デジカは少数精鋭のチームで開発を進めていることもあり、社会やテクノロジーの変化に俊敏に反応することができます。それが、今のコモジュの強みだと思っています。
どんなエンジニアと働きたいですか?
テクノロジーに強い関心を持っているエンジニア、それが最大の条件です。入社時点でFinTechの知識や経験は求めていません。ITエンジニアとして、開発に関わった経験が豊富なら、FinTechのスキルやEC決済に関する知識は入社後にキャッチアップできます。むしろ、FinTechとは違う分野でエンジニアをしていた人の方が、斬新なアイデアを持ち込んでくれると考えています。デジカはとても柔軟に物事を考える会社なので、他分野での経験を生かして活躍できると思います。 開発に専念したいエンジニアにはミスマッチかもしれません。決まった要件に従って開発を進める仕事ではなく、自ら要件を作って開発しなければならないため、開発以外の仕事をしたくないエンジニアだと、負担が大きいかもしれません。テクノロジーで課題解決するのが好きなエンジニアには、絶対にフィットする会社だと思います。
最近のテクノロジーで注目しているものは?
ブロックチェーンとAI、そして3Dプリンティングです。ブロックチェーンはFinTechの領域と非常に親和性が高いテクノロジーですが、個人的な見解として、オンライン決済にブロックチェーンが活用される未来は、まだ先だと感じています。ブロックチェーンを活用したサービスはたくさん生まれていますが、実用に適するものはまだないのが現状だと思います。ただ、多くの可能性を秘めたテクノロジーではあるので、私も注目はしています。 最近はAIの勉強をしています。AIの基礎となる統計を学んでいます。プライベートでは、3Dプリンターを買い、ハンガーなど生活で使うものを自作しています。5年前は30万円もした3Dプリンターが今は2~3万円で買えます。