元々はエンジニアを目指しておられたのですか。
はい。私は学生時代からソフトウェアやインターネットに関心がありました。大学ではC言語等、コンピュータの勉強をする傍ら、趣味でホームページの制作もしていました。 大学を卒業し、24歳で帰国した後、最初に入社したのは広告代理店です。ホームページ制作の求人広告が出ていたので応募したところ、学生時代の経歴を見ていただいて採用されました。当時は、まだ大手以外の企業はホームページを持っているのが珍しい時代でした。 ところが、入社初日に配属された部署は営業。現在ではありえないことですが、当時はよくある話で、主に全国紙の後ろの方の1ページを使った通信販売の広告を担当しました。自分が思っていた仕事とは違いましたが、契約が取れて数字が上積みされていく体験が面白く、その魅力に惹かれ、それ以来営業も悪くないと思いました。それ以来、ずっと営業職に従事してきました。 ターニングポイントとなったのは求人誌を担当したことです。通販広告の傍ら、一部、求人誌も担当していました。求人広告の営業をする中で気になったのが、求職者が採用された後についてです。広告主の企業様からは「いい人が採用できた」というご報告は頂けますが、私達が把握できるのはそこまでです。採用された方がその後どうなったのかを知る機会はありません。どんな人が採用されて、その後どうなったのか、ということが知りたくなり、そこに関われる仕事を探して見つけたのが派遣業界でした。広告代理店で1年半働いた後、エンジニア専門の派遣業界に転職しました。
起業意欲はいつ頃芽生えましたか。
学生時代から、将来は自分で事業を起こしたいという思いを、漠然と抱いていました。ただ、自分で何ができるかはよく分かっていませんでした。そんな中、広告代理店を経て、派遣業界に転職し、それはそれで面白かったので、約10年間営業として働き、「これでやるしかないな」と決意して独立しました。 人材派遣の営業で感じた魅力は、人とのコミュニケーション。いろいろな人に合えるというだけではなく、同僚と切磋琢磨しながら売上を作っていく過程も面白かったです。エンジニア専門の派遣会社を2社経験し、最後は大阪支店の責任者的な立場を任されました。リーマンショックの時は大変な苦労をしましたが、それを乗り切って、安定し始めた頃に独立し、当社を設立しました。 当時はまだ30代ですし、1年か2年やってみてダメだったとしても何とかなるという思いで、単身でスタートしたのですが、1年目にわずかでも黒字を出せました。以降、もう1年、もう1年と継続していたら、4年目にはエンジニアを社員として採用できるようになりました。4年目に20名、5年目に50名と、一気に成長して現在に至っています。
派遣やSES等の人材ビジネス以外にも事業を広げておられますね。
はい。当社は創業以来、人材派遣やSES等を手掛けるHR事業を行ってきましたが、2020年以降、パッケージ開発を行うソリューション事業、受託開発を行うSOE事業、さらにWEB制作事業と事業の柱を増やしています。特に、今後ボリュームを増やしていきたいと思っているのが受託開発です。これまでもご要望は頂いていましたが、事業部を立ち上げて本格化したのは2024年4月です。まだ1年目ですが、既に売上は全体の2割弱を占めています。 受託事業に注力する狙いは、エンジニアの雇用維持と新人育成です。派遣やSESは、年齢とともに単価が上がってくると配属先が絞られてきます。配属先が見つからなかったとしても、社内でできる仕事があれば雇用は維持できます。また経験豊富なエンジニアが常に社内で仕事をしていれば、新卒社員や経験の浅い若手社員のOJTにも生かせます。近年はエンジニアの即戦力採用が難しくなっていますので、間口を広げることも必要になってきています。今後は、受託案件の専任営業も採用して受託案件の比率を高めていく計画です。特に今後は50代以降のエンジニアが増えますので、受託だけではなく、多様な経験を持つエンジニアが活躍できる受け皿は複数用意しておきたいと考えています。
長期的な事業ビジョンをお話しください。
長期的なビジョンとしては、ものづくりに参入したいと考えています。その思いは、当社を立ち上げた当初から抱いていました。私は、サラリーマンとして派遣会社に勤務していた時、自動車メーカー向けにメカニックや電気・電子のエンジニア派遣を担当していたことがあります。その時から「この人達がいれば、ものづくりができるんだな」という思いを持ち続けてきました。 会社を立ち上げる際は、得意分野であり、比較的取り組みやすいIT領域のソフトウェアとインフラの分野から事業を開始しましたが、試作や量産化で協力していただける工場のネットワークは持っています。自社で工場を持つことは難しいかもしれませんが、自社で製品を開発し、一般市場に流通させるところまでは、ぜひチャレンジしたいです。 会社全体の売上が現在の2倍以上になれば、具体的な計画立案に着手できると思っています。今年は事業買収でWEB制作事業をスタートさせたこともあり、成長が加速しているところです。目標は大きく持って、着実に前進していきたいと考えています。
現在はHR事業のエンジニア採用に注力中と伺いました。求める人物像をお話しください。
当社は若手からベテラン層まで幅広い世代のエンジニアを募集しています。 若手は、どんなことにも興味を持ってくれる方に期待しています。「これやってみない?」と言われたら、それが未経験の分野や自身の興味から外れている分野であっても貪欲にチャレンジしてみる姿勢は、会社にとってだけではなく、本人が成長する上でも大切です。今は乗り気じゃなくても、やり切れば経験値が上がりますし、将来役に立つ時が来ます。 また、ベテラン層なら、自分の得意分野や長所を伸ばしながら、蓄積したものを生かして会社に貢献していただきたいです。年齢を理由に面談を断ることはしません。派遣やSESに限らず、社内での受託開発やパッケージ開発等、様々な選択肢があります。社内の制度づくり、ルールづくり等でも力を発揮していただけるでしょう。年齢に見合った経験とスキルをお持ちで、コミュニケーションが取れる方、若手の育成にも積極的に取り組んでいただける方はぜひご応募ください。