株式会社エートゥジェイ

2007年3月の設立から、Webマーケティングの支援を手掛けながら企業としての成長を続けている株式会社エートゥジェイ。クライアント企業のオウンドメディア構築やコーポレートサイト制作、コンテンツ企画・制作、分析・運用といった業務支援をワンストップで行うコンテンツマーケティング支援事業を主軸としている。

自社開発のCMS『SiteMiraiZ（サイトミライズ）』は、SEOでの強さを発揮できるコンテンツマーケティングツールであると同時に、その強固なセキュリティ対策に特徴があるプロダクトだ。とくにそのセキュリティ面におけるこだわりについて、代表取締役社長である飛鷹祐哉氏は、次のように語っている。

「コンテンツマーケティングの施策としてオウンドメディアを運用する際には、オープンソースのCMSを採用するケースが多いかもしれません。しかし、当社ではECへの呼び水となるコンテンツマーケティングの支援をメインに考えているので、セキュリティ面には強くこだわっています。お客様からは“やり過ぎじゃない？”と言われるほど、その対策には力を入れていますね」

エートゥジェイでは、本社オフィスのワンフロアにセキュリティルームを構えている。その充実したセキュリティ対策が施されたCMSゆえに、オープンソースで構築されたサイトに比べ、イニシャル・ランニングともにコスト負担は大きなものになる。そのデメリットを踏まえた上で、数多くのクライアントがその導入を決断している結果に、同社のサービスへの信頼感が表れていると言えるだろう。

そして、その信頼感を生むセキュリティ面の強みを生かし、現在事業としての拡大に取り組んでいるのが、同社のもう1つの軸であるEC事業だ。クラウド型ECサイト構築サービス『メルカート』の提供など、同事業は戦略を具体化できる企画・設計やデザイン提案、ローンチ後の運営といった業務支援によって大きな飛躍を見せているが、その要因の1つとなっているのもセキュリティ面の充実だと、飛鷹氏は説明している。

「ECサービスの導入を検討するクライアント企業は、必ず最終稟議の際にセキュリティに関するチェックを行います。『メルカート』は、そのすべての項目をクリアできる、高い信頼性を誇るセキュリティ対策を有したサービス。そんな強みを持つプロダクトを展開している点も、当社の特徴の1つだと思っています」（飛鷹氏）

同社では今後、この『メルカート』の展開にさらなる力を注いでいく考えだ。飛鷹氏によれば、現在ECサイト構築に関する需要は激増しており、同社の『メルカート』に関する問い合わせ、そして依頼も増加の一途だという。

「コロナ禍の影響もありますが、ECサイトでの商品購入が消費者の購買行動として増加し、多くの事業者がその対応を急いでいるという背景があります。『メルカート』の業界内での認知度を高めることで事業としての飛躍を目指したいと考えています」（飛鷹氏）

『メルカート』は、セキュリティ対策が充実していることと同時に、導入企業ごとのカスタマイズが容易に行える部分にも特徴がある。それらのメリットを生かすことで、より手軽に、よりスピーディに信頼性の高いECサイトを立ち上げられるという部分をアピールしながら、サービスを拡大していきたいというのが同社の考えだ。そこで急務となっているのは、そのカスタマイズを行う上でディレクションを担う人材や、開発の実務を担う人材の増強である。

「認知度向上を目指す『メルカート』に関して、お問い合わせに効率的に対応しながら、その門戸をWeb上で開けていく役割を担える方を、広くお迎えしたいと当社では考えています。Webディレクターという職種になりますが、自社メディア運営企業やゲーム開発企業と違い、認知度向上とクライアントサポートを担う業務をお任せしたいと思っています」（飛鷹氏）

これまでECに携わってこなかった人材でも、Webディレクションの業務経験があればチャレンジできる業務だと、飛鷹氏は語る。さらには、BtoBの事業を手掛ける企業においてインサイドセールスのような業務の経験があれば、今後成長が見込めるEC事業において活躍するチャンスがあるということだ。

「100人に満たない規模の会社としては、“自走できる”という前提条件はありますが、これから成長を目指したいという方にぜひ来ていただきたいですね。当社には多様なスタッフが揃っていますし、ご自身の特徴を生かしながら自主的にクライアントのことを考えたアクションを起こせる方に、ぜひ仲間に加わっていただきたいと思います」

2018年、同社はM&Aによりソフトクリエイトホールディングスのグループ企業となった。同グループには、SIer企業である株式会社ソフトクリエイト、ワークフローシステムの開発・販売を手掛ける株式会社エイトレッド、ECソリューションを展開する株式会社ecbeingが所属。その内部での人材交流も盛んに行われており、エートゥジェイには『メルカート』の開発元であるecbeing社からの転籍者も在籍している。

「グループ会社化によって、ある種の“異文化”を取り込むことができたのは、当社にとって大きなメリットとなりました。ベンチャー企業としてスタートした当社のもともとのメンバーたちと、東証一部上場企業から加わったメンバーたちが融合し、攻めと守りが非常にバランスよく成り立っているのが、現在の当社の状況だと思います。融合の効果が業績アップにもつながったと思いますし、この文化は大切にしていきたいですね」（飛鷹氏）

グループへの参加前は、営業力を発揮して案件を受注し、制作や開発を外部企業へ委託することも多々あったという同社。その弊害として、利益率の低下や成果物のクオリティ低下という課題にも直面していたと、飛鷹氏は語る。しかし、ベンチャー企業として持っていた強みである営業力と、グループ会社の制作力や運用力をバランスよく有することで、利益率の向上と制作クオリティの担保を両立することができた、というのが飛鷹氏の分析だ。

さまざまなキャラクターのメンバーが在籍し、ぶつかることなくうまく融合する。自身の得意とすることを最大限に発揮するメンバーたちが融合できる環境があるからこそ、クライアントにより良いサービスを提供することを可能にしている。それが現在の同社の姿なのである。

「現在は、テレワークというスタイルが1つの選択肢となるなど、働き方が変化している状況であり、今後5年間でその変化はさらに大きなものになるでしょう。その中で転職活動をされているのは、時代のトレンドをキャッチしながら行動するチャレンジングな方であるはずです。そんな方々に、自分が得意とすること、これならば負けないということを1つでもいいので当社に持ち込んでもらいたいと思います。当社であれば、攻めと守りのバランスが取れた環境の中で、長く、気持ちよく、一生懸命働けるはず。ご自身の力を会社に還元してもらい、私たち経営陣もそれに応えられる会社としての整備を進めたいと考えていますので、これからの挑戦の場としてぜひ選んでいただきたいと思いますね」（飛鷹氏）