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インタビュー画像代表取締役CEO 武井 亮太 1987年生まれ。宇都宮大学教育学部を卒業後、女性向けサービスを手掛けるベンチャーバンクに入社。HRスタートアップに転職し、事業グロースを経験。花き業界に可能性を感じ2014年9月にユーザーライクを創業。自分のために花を日常的に飾る文化の普及を目指して、2016年6月に花のサブスクリプションサービス「ブルーミー(bloomee)」を開始。ユーザー起点で花き業界をサスティナブルな産業へとアップデートするために奮闘している。

日本初にして日本最大級のお花のサブスクリプションサービス「ブルーミー(bloomee)」を立ち上げた経緯は?

起業して1年半ぐらいは、ギフト用の花のECサイトを運営していました。花屋さんに花の相談ができて、そのままオーダーできるサービスでした。1年ぐらい鳴かず飛ばず状態が続き、サイトを改善するためにユーザーさんにヒアリングした際に、多くの人が指摘する2つの共通した問題が見えてきました。 一つは花が高価だということ。ギフト用の花は単価が5000円以上するのが一般的。高価だから頻繁に贈ることができないという声を多くいただきました。もう一つは、普段の生活の中に花がないから、プレゼントを選ぶ際に「花を贈る」という発想が湧かないと指摘されました。 この2つの課題を解決したサービスを作れば、ユーザーニーズをつかんだサービスになるはずだと考え、低額で利用できて、花のある日常生活を演出する、お花のサブスク「ブルーミー」が誕生しました。

「ブルーミー」をグロースさせるうえで苦労したことは?

花の業界はレガシーな商習慣が残り、IT化も進んでいませんでした。ブルーミーのようなITサービスが出てきたとき、理解してもらうのが難しかったです。当社が提供しているのは花屋さんとユーザーさんをつなぐサービスですが、花屋さんにサービスを導入してもらうのが大変でした。ポストに花を届けるという発想がなかったようで、最初は批判も多く、サービスの改善と並行して、花の新しい楽しみ方への理解を促す必要もありました。私が花業界の出身ではなかったので、アイデアや想いはあっても、花業界のステークホルダーに受け入れてもらうのに時間がかかりました。商品の供給サイドの構築には苦労しましたね。 今では花屋さんだけではなく市場や生産者さんなどと一緒に業界構造のアップデートや新しい取り組みを行うことができています。 一方で、会社のミッションは「ユーザーのうれしいを作る」。花を商材にしているのも、ミッションを実現するための一つの方法であって、将来的には花だけでなく他の商材へ横展開していきたいと考えています。だから、花の業界と良好な関係を築いていますが、我々は花業界だけの課題解決を目指している会社ではありません。ユーザーライクが提供する、何かしらのサービスを多くの人が使っている状態にしたいです。

ユーザーライクが大切にしていることは?

ユーザー起点でサービスを考えるのが、ユーザーライクの基本姿勢。花を通したユーザー体験を最高のものにするためにベストな道を選んできました。サービス立ち上げ当初は、花の仕入れや加工は完全に花屋さんに任せ、私たちは集客したりサービスを設計したりしていました。ただ、ユーザー起点で考えたとき、花を通したユーザー体験を最高のものにするには、時に花の仕入れや栽培といったレイヤーまで私たちが積極的に関与して、一気通貫でエンドユーザーに商品を提供することがサービス作りに重要だと感じています。 ユーザー起点で考えて、産業構造自体に新しい仕組みを入れることが私たちの強みであり大切にしていることです。

花き業界のサプライチェーンのアップデートとはどういうことですか?

ブルーミーの登場で、自分用に花を買うユーザーニーズが生まれました。しかし、今の流通構造では、その新たなユーザーニーズを完全には満たせません。ユーザーニーズにサプライチェーンが対応しないとニーズは満たされず機会損失になります。新しく生まれたチャンスを業界全体でものにするには、サプライチェーンのアップデートは必要不可欠。当社がユーザーニーズを把握して、その情報を市場や生産者に届けることで、アップデートが進むと考えています。 例えば花が流通できる規格が存在しています。今まではギフトや冠婚葬祭での需要が多いこともあり花の長さがある程度長いものが花の規格として組み込まれていましたが、bloomeeのような自宅用の花ですとそこまで長さは必要ありません。今までだと短くて規格外になってしまったものを仕入れさせて頂いたり、新たに短い花を生産する働きかけなどを生産者さんや市場にするなど業界として新しい取り組みを行っています。 花き業界のサプライチェーンのアップデートは、既存のステークホルダーにとってマーケットの活性化につながり、悪い話ではありません。当社はサプライチェーンから見れば第三者の立ち位置。分断されて情報の非対称性が著しかった各プレイヤーをつなげる役割を担えば、花き業界は活気を取り戻すことができます。

データドリブンなUXとは?

花は見て楽しむものであり、日々変化があって、組み合わせで印象が大きく変わり、感情に訴えかけてくるような定性的な要素が多いもの。ですが、ビジネスとして成功させるには、定量的に語ることが重要です。当社のバリューに「グロース主義」というのがあります。ユーザー起点を大切にしていますが、やみくもにユーザー満足(CS)を追うのではなく、会社やサービスをグロースさせるのが大前提。そのために「具体的な数字で語ろう」というカルチャーを醸成しています。 ユーザー起点とグロース主義を打ち出したおかげで、マーケチームもUXチームもテックチームもみんなが同じ方向を向いています。だから、無駄なストレスがありません。チーム内もチーム間もコミュニケーションが活発。みんなが同じ方向を向いているのは、同じ趣味を持つ人同士が活発なコミュニケーションを楽しめるのに似ています。 当社には、メガベンチャー出身の優秀なメンバーが集まってきています。規模の大きな会社では、組織の一部を担うことしかできず、もっとビジネス全体を俯瞰した立場で考え動きたい人材には、当社のような規模の小さなベンチャーがピッタリ。ユーザー起点に立って、本当にいいものを作って届けたいと考えている人にも最適な会社。裁量の広い仕事が経験でき、いろんなことにチャレンジできます。

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