創業のきっかけについてお聞かせください
大学卒業後、千葉の病院で研修医をしていた時に遡ります。その病院では介護施設からの患者さんが多かったのですが、診察する中で「どうしてこんなに悪化するまで病院に来なかったんだろう」と思ったり、逆に「どうしてこんなに軽症で病院に?施設で処置できないのかな」と感じたりするケースが非常に多く、疑問だったんです。 そこで介護施設で働く方に話を聞いて確認したところ「介護施設で起きる医療的な問題は増えているけれど、医師は週に数日しか来てもらえないし、相談できる相手がいなくて不安になることが多い」という声をたくさんもらいました。 医療に対する専門的な知識のないまま医療に向き合う不安を知ったことで「介護と医療をもっと密に連携させて解決しなければ」という思いが強くなったため、遠隔で気軽に相談できるサービスを作ろうと考えました。
サービスづくりの上で意識していることは?
とにかく「現場の声」を聞き、ユーザー視点に立ってディスカッションすること。自分たちが考えるいいサービスを押し付けるのではなく、現場の課題をいかに解決するかが重要だと考えています。 創業当初はいきなり出資者を募ってお金をかけてアプリを作るのではなく、まずは現場の方に価値を感じていただけるサービスを作ることにこだわっていました。 価値を感じていただくには生の声を聞くことが何よりも大切。紹介があればどんな場所にある施設にでも足を運び、リアルなお困りごとを聞きました。そうして真に必要とされるサービスになるよう改善し続けたことで、現在のドクターメイトがあります。
ドクターメイトの強みと魅力を教えてください
業界のリアルな課題感に対し、当事者意識を持って取り組んでいける組織があります。 私自身が現役医師であることだけでなく、当社のメンバーには介護福祉士や看護師が多数在籍していて、執行役員には医師や介護施設長もいます。 こうしたメンバーと共に作るサービスだからこそ、現場の声をしっかり咀嚼できますし、代弁できる強みがあります。また、ステークホルダー全員が幸せになれる「WIN WIN WIN」を目指して一番いい到達点を模索しているため、お客様から見ても「しっかりこちらの立場や意見を踏まえて考えてくれたんだと感じる」とお話しいただくことが多いです。 「介護×医療」はユニークなポジショニングだと言われます。これまで、この領域で本気の課題解決をする企業は存在しませんでした。だからこそそれを僕がやると立ち上がった時に、多くの専門家や仲間たちが共感してくれたことが、こうした強みにつながっていると思います。
今後の展望は?
医療介護の問題は今やすべての人、すべての世代の課題となっています。少子高齢化や介護離職は、もはや当たり前と言えるほど常態化してしまっている部分ですが、当社が先駆者として業界を開拓することで、より良い未来を作っていけると考えています。 医療相談サービスとオンコール代行サービスのシェアを拡大し、さらに介護施設に寄り添った存在としてデファクトスタンダードになっていきたい。そして、新規事業も立ち上げながら、別の角度からもより深い現場の課題解決を実行していきます。 医療介護連携が人の頑張りによってのみ維持されるのではなく、仕組みにより持続化な姿になるよう、日本での医療介護DXプラットフォームになり、やがては世界のSXプラットフォームを目指します。